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目薬の話をしましょう ~必ず治る、諦めてはいけない点眼~

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f:id:masami_takasu:20171202150516j:plain文:三毛ランジェロ

今回は、猫や犬の目薬のことを書きましょう。

10年を越える保護活動の中で、これまでにどれだけ目薬を買ったことでしょうか?
沢山の目薬をためしてみて、はじめて有ることに気が付きました。

殆どの目薬には、硫酸とか塩酸とか怖い名前の成分が入っています。
これは一体、何のためでしょうか?

(参考)ある国産有名メーカーの目薬より

【有効性成分】
●塩酸テトラヒドロゾリン 0.05% ●クロルフェニラミンマレイン酸塩 0.03% ●ネオスチグミンメチル硫酸塩 0.005% ●ビタミンB6 0.1% ●酢酸d-α-トコフェロール 0.05% ●L-アスパラギン酸カリウム 1% ●タウリン(アミノエチルスルホン酸) 0.5% ●アラントイン 0.1% ●硫酸亜鉛水和物 0.05% ●グリチルリチン酸ニカリウム 0.1% ●コンドロイチン硫酸エステルナトリウム 0.1%
※添加物として、ホウ酸、ホウ砂、l-メントール、dl-カンフル、エデト酸Na、ポリソルベート80、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、クロロブタノール、ベンザルコニウム塩化物、pH調節剤を含有します。

もちろん、目薬の中に硫酸や塩酸がそのまま入っているわけではなく、化合物であり、しかも微量なので、体に害があるわけではありません。ですが、生薬の成分とは明らかに違います。

硫酸や塩酸化合物が、溶かすのか刺激させるのかは分かりませんが、体にその成分が入ったという異常事態に、免疫機構が働き始め、目を再生して行くのでは無いかと想像がつきます。

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この写真は、上記の成分とは無関係です

わが家のステラは、以前にデスメ膜瘤でしたから、半年は目薬と格闘しました。
今でも濁りは残っているものの、視力は回復しています。

それでわかった事は、以下の4点です。

①劇的効果が有る目薬は無い。
②必ずカーラーをつける
③2週間やってダメなら他に変える。
④マメに爪を切る

もしも1ヶ月以上も治らない場合は、何か別の要因が無いかを、考える必要があるでしょう。

他の要因とは、例えば、猫砂、食べ物、埃、などです。

 

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また、目が開かない時を、できる限り少なくしてやらなければ、猫は回復に向かいません。

人肌のお湯で湿らせたコットンで、目やにを拭いてあげて目を開けさせて下さい。

 

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読者さんからのメッセージには、点鼻と点眼に合わせて馬油も使っているという報告がありました。
副鼻腔が腫れて、鼻水すら出ず呼吸困難を起こしていた子の事例だそうです。

それまでの点鼻と点眼では、全く治療が効かなかったところを、点鼻前に馬油を鼻の中に垂らして、それから点鼻をするようになったところ、あっという間に治ったとの事でした。

 

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私は馬油は使った事がないので、確たることは言えないのですが、目と鼻はつながっていますので、メッセージでおっしゃられている通り、鼻への対処が目にも良い影響を及ぼしたとしても不思議はありません。

因みに、犬に良く有る涙焼けは、涙が鼻に抜け無いからです。マルチーズやシーズーのような鼻ぺちゃな犬や猫で起こる場合が多いです。

ひどい猫風邪の状態で、猫を保護した場合、白濁化した子猫の目はなかなか治りません。上の写真の子の場合は、かなりひどく、くっきりと白で覆われていて、医者にも回復は無理と言われてました。

しかしながら4ヶ月以上の目薬で、ぼぼ完全に治癒しました。

小さい時は回復力が高いので、人は簡単にあきらめてはいけません。

目が開かなくなった子猫を見つけたら、殆どの人は引いてしまうでしょう。
でもあきらめないで下さい。

目をぬるま湯で拭いて、点眼をしていけば大半の子は治ります。

「必ず治してやる」という、強い覚悟で臨んで下さい。
失敗する場合の殆どは、定期的に点眼をやらなかったり、あきらめて止めてしまうからなのです。

 

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良く獣医師から処方される目薬は、上の3つがあります。

紫は腫れた目に使います。中央水色は白濁を取る。白は抗生物質です。

眼球に傷が有る場合は、また別の処方が必要です。
目が開いたのにまた閉じてしまう場合は、自分の爪で掻いてしまう事にも注意が必要です。

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デスメ膜瘤の場合だと更に数が増えます。

デスメ膜瘤に使った最終的な目薬は、上記の4種類です。
我が家のステラ(下の写真)の場合は、傷がはっきりとわかる酷さで、膨らみが取れても白濁が酷く半年間何度も挫折しかかりましたが、人が諦めたら終わりだと思い続けました。

 

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目薬をあきらめないで下さいと書いて来ましたが、それ以外の重要な要素として猫砂や埃も有ります。
なかなか治らない場合は、これらも疑ってみてください。原因を絶たないと治らない場合もあります。

 

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写真のような微粉末は、目にも肺にも悪いのでご注意を。

また稀ですが目薬慣れし長期連続だと効果が薄らぐ場合も有ります。この場合医師と相談が必要です。

酷い状態から回復している写真を見ると、子猫の生命力が強いと感じられるかもしれません。半分は当っていて、半分は違っています。
子猫は、条件がそろった時にだけ、目覚ましい回復を見せるのです。

コメントの中に、こんな印象深い言葉がありました。
『小さな命、強いわけではない。この子達は愛情を感じることを知っている。だから生きることを諦めていない』

本当にその通りだと思います。
諦めていない子猫よりも先に、どうか人間が諦めてしまいませんように――

 

――了――

文:三毛ランジェロ
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まとめ読み|三毛ランジェロの保護日記:コラム編 ①
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週刊Withdog&Withcat
この記事は、下記の週刊Withdog&Withcatに掲載されています。

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※本記事は著作者の許可を得て、下記のTwitterを元にリライト及び再構成されたものです。

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