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【保護/里親/譲渡】猫たちの回復と、新しい家族 ~ビアンカとネーロとグリジア(後編)~

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f:id:masami_takasu:20171022005643j:plain撮影&文:三毛ランジェロ

前回保護した2匹は、ビアンカとネーロと名付け、今回保護した仔猫はグリジアと命名しました。

グリジアを保護するまでに掛かったのは、1週間ほど。その間ビアンカは、酷かった目の状態が順調に良くなりました。
ネーロの目も酷い結膜炎で、その上に鼻も詰まって匂いもわからないくらい。急に食欲が無くなり慌てて病院へ連れていくことも。何とか良くなって欲しいと願いながら、毎日3種類の目薬をさしてあげました。

1週間遅れで保護したグリジアは、やはり猫風邪に加えて目がとても悪い状態。なんとか綺麗にしてあげたいと、目薬と軟膏で世話をしました。

 

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保護して10日を過ぎたビアンカとネーロ、そしてまだ5日ほどのグリジアですが、それぞれのペースで人との生活に慣れようとしてくれました。3匹の中で一番怖がりなのは、ビアンカです。

ビアンカは、ただれていた目の周りがすっかり綺麗になると、健康的で可愛いレディになりました。しかし、とにかく慎重な性格のため、ゴロゴロと甘えてはくれません。それに比べて、人にベタベタ甘えん坊なのがネーロ。保護した時には、目が開かないくらい酷い状態でしたが、それも回復すると、なんとも愛らしい姿に。1週間保護が遅れたグリジアも、あっという間にお顔も綺麗になって、他の2匹と同じように、抱っこして顔の手入れをされてくれるようになりました。

 

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そんな3匹がうちでの生活に慣れた頃、ビアンカとネーロを一緒に迎えていただけるお話が舞い込みました。そのご家族は、以前にも猫と暮らしたことがあるので、安心して2匹をお任せ出来る環境。ビアンカとネーロはいつも一緒に遊んでいたので、2匹が同じお家で暮らせることが一番だと思っていました。その愛らしい様子は、迎えて下さるご家族をたくさん癒してくれることでしょう。

 

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ビアンカとネーロの里親さんが決まって、一人ぼっちで寂しかったグリジアですが、人馴れが進むと、抱っこするとすぐに喉をゴロゴロならす甘えん坊になりました。
しかし、全く人への警戒心が、無くなったわけではありません。

毎日、少しづつ、根気強く、人は怖いものではないことをわかってもらえるように接していきました。

 

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保護猫でも、すぐに懐く子、かなり時間のかかる子、いろんなタイプの子がいます。時間のかかるグリジアのような子は、全てを理解した上でそれでもグリジアを家族に迎えたい、と思って下さる方でないと難しいのです。

焦らずに、いつかご縁があれば、と思っていたところ、まだまだ警戒心が強く残っていたグリジアを、「是非うちの家族に」と言ってくださる方が見つかりました。

大丈夫だろうか?
心配はありました。しかし、そういうご理解のある方は、そうそう見つかるものではありません。私たちはグリシアとその方に掛けてみることにしました。

 

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そして結果は――

私たちの心配をよそに、グリジアはそのご家族のお家に行くと、すぐにベタベタと甘えだしました。今までの心配は一気に吹っ飛んでしまったのです。私たちは、これまでの苦労が、報われたような気持ちになりました。

人に怯えながら、厳しい寒さの中、吹きっさらしの空き地で身を寄せ合っていた3匹の仔猫。ビアンカとネーロとグリジアは、それぞれの居場所を見つけて、穏やかな生活を満喫していることでしょう。

これまで報われなかった分もあわせて、どうか末永く幸せになってもらいたいです。

 ――ビアンカとネーロとグリジア・おしまい――

文:三毛ランジェロ
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――前話――

まとめ読み|三毛ランジェロの保護日記:エッセイ編①
この記事は、まとめ読みでも読むことが出来ます。

週刊Withdog&Withcat
この記事は、下記の週刊Withdog&Withcatに掲載されています。

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