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【猫版】闘病時の情報収集、検索方法を考えてみよう ~コツを知る知らないで効率が違います~

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f:id:masami_takasu:20180311111221j:plain文:高栖匡躬

愛猫が病気になったとき、皆さんはネット検索で情報を探しますよね。今日はその検索の話題です。

検索にはコツがあって、そのコツを知るのと知らないのとでは、得られる情報の質が大きく違ったりします。質の悪い情報は、役に立たないならまだましで、時にはマイナス方向に働いてしまいます。

病気の情報は大切なものですから、効率よく良い情報にたどりつきたいものです。
Withcatに愛猫ソーニャちゃんの、リンパ腫闘病記を掲載中の波多野都さんは、記事中でこう語っています。

「リンパ腫」「リンパ腫 猫」「リンパ腫 猫 余命」と、ひとつずつ言葉を増やして検索していきました。

恐らく、皆さんが同じようなことをなさっていると思います。
筆者も初めはそうでした。

本記事では、検索を効率的に行う方法をお知らせしていきたいと思います。
尚、本記事で取り上げるのは、検索エンジンの中で最もメジャーな、Googleについてです。

 

 Step1 まずは「病名 猫」で検索

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最初は、スタンダードな 2ワード検索から行おう

愛猫の病気について調べる場合、まず最初は、”病名”の次に”猫”を入力するのが良いでしょう。これは波多野さんと同じです。この方法で、まずは病気について一般的な知識を得ます。そして同時にその病気について、どのような記事が存在しているのかついての大まかな傾向を掴みます。

ここで検索されるのは、基本的に良質な記事なので、この段階で有益な情報がみつかることもあります。

ここで注意したいのは、この2ワードの検索で出てくる情報は、これから先に色々な情報を読み分ける基準になるということです。

”病名”も”猫”も、基本中の基本のワードなので、この2つで検索されるのは大変に難しいことです。よって最初の方に掲載されるものであれば、内容は信用できる記事だと判断して良いでしょう。

ネット上には噓や間違いの情報が沢山溢れています。それを真に受けないようにしなければなりません。

因みに筆者は、最初の3ページ(30件)まではまずまず信用し、5ページ(50件)までが許容範囲と考えています。皆さんご経験があると思いますが、ページが進むほど内容が、怪しくなっていくのです。

ワードの順番の差

「猫 リンパ腫」と、「リンパ腫 猫」では、表示される内容と順番が微妙に違います。これは検索エンジンの内部で、キーワードに重みづけをしているからです。

猫のリンパ腫について調べようとしているのか、リンパ腫の猫について調べようとしているのかという微妙な差ですが、言葉の組み合わせ次第では、全く違う結果が表示されることがあります。これは後の方でもういちど例を示します。

 

 Step2 次に「病名 猫 条件」で検索

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詳細検索は3ワード検索で行なう

ここに3つ目のワードを足すことで、望む結果に近いものが出るはずです。

波多野さんは「リンパ腫 猫 余命」と入力例を示しましたが、3つ目のワードでは、他には以下のようなものがあります。

症状、治療法、経過、薬、予後、生存率 など

更に可能性を探るとすれば、下記のようなワードです。

先端医療、新薬、治験、海外、症例 など

3ワードの検索で気を付けないといけないことがあります。

この方法では、ピンポイントで探している情報に行きつきやすいのですが、その半面、2ワード検索程沢山、良質な記事が無いということです。

筆者の場合は一応は5ページ目(50件)までは見ますが、2ページ目(20件)くらいまでしか内容に期待はしていません。

 

 Step3 実は「病名 猫 闘病」が本命であったりする

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3ワード検索で、闘病記を探す

3ワード検索で、3つ目のワードに、”闘病” または ”闘病記” と入力してみてください。

どうでしょうか?
沢山の飼い主さんたちが書き記した、体験談がでてきませんか?

”闘病”で検索する結果と、”闘病記”で検索する結果では、かなり内容が違います。それは2つのワードが似ていながらも、違う意味を持っているからです。やってみれば分かりますが、どちらも同じくらい重要な記事が並びます。そして”闘病” と ”闘病記”の両方で検索される記事は、より信用できます。

闘病記はとても役に立つ

何度か別の記事には書いていることなのですが、愛猫の闘病の際に、飼い主さんにとって一番役に立つのは、実は医療には素人であるはずの、一般飼い主さんが書いた、闘病記である場合がとても多いのです。

当然ながら執筆者は素人なので、医療知識の豊富さ正確さには欠けます。しかし闘病記には、それを大きく上回るメリットがあります。下記のようにです。

①病気の知識だけでなく、闘病に取り組む姿勢まで書かれた生の情報。
②どこで苦労したのか、何で失敗したのかまで分かるケーススタディでもある。

特に②は重要です。専門家の書いた記事や論文は、成功例しか書かれていないことが多く、失敗例がありません。実は失敗例は知識としても、転ばぬ先の杖としてとても重要です。

専門家を越える可能性

時に闘病記の中には、とんでもない掘り出し物にが隠れていることがあります。

愛猫の闘病に真剣に取り組んでいると、飼い主さんの知識の方が、時に獣医師を越える場合があるのです。症例の少ない病気では特にです。

こういった記事に当ると、専門家が書いたものよりも数段詳しいだけでなく、正確で、もちろん役に立ちます。

愛猫に対する愛情のなせる業です。

 

 キーワードの罠

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Google検索の特長として、ユーザーがなるべく広い情報にタッチできるように(だと思うのですが)、マイナーなキーワードを入れた場合は、同一カテゴリーの、より上位の(一般的な)のキーワードよりも、優先されて検索されます。

例を挙げると、「老猫」で検索した場合は、”猫”よりも”老猫”が優先されるのです。

「病名 猫 条件」の3ワードで検索する場合を考えて見ましょう。

3ワード目の”条件”にマイナーなキーワードが入った場合は、前の2ワード「病名 猫」が固有名詞とメジャーワードであり、この2つが大きく枠をはめているので、ターゲットを大きく逸脱した結果はでません。

しかし、2ワード目の”猫”をマイナーワードにすると、状況が変わります。

例えば「リンパ腫 猫 余命」と、「リンパ腫 老猫 余命」の検索結果は大きく違います。更に”老猫”をもう一段マイナーにして「リンパ腫 シニア猫 余命」とすると、また結果が違ってきます。

因みにワードの強さ(一般性)で言えば、猫>老猫>シニア猫です。

もちろん、”老猫”も”シニア猫”も、”猫”に較べればマイナーというだけで、どちらも大事なワードです。

ここで言いたいのは、”猫”で検索されるものと、”老猫”、”シニア猫”で検索されるものは、傾向がが違うのだということです。

どちらが上ということではありません。違うのだという事を意識しながら、記事を読む必要があるということです。

 

 キーワードの罠2

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闘病に必要な情報は、病気のことばかりではではありません。
看護や介護に必要なノウハウ、食事、飼育環境まで様々です。

ここで注意しないと行けないのは、病名以外のものを検索する場合は、1ワード目からマイナーワードになりがちだということです。

例えば筆者がこれまで記事にしてきた ”食事関連” の情報は、特にそれが顕著です。
(下記のような記事です)

※ここからは、引用記事が犬版のため、犬の記述になります。

ご自分が食事関連の悩みで、ネット検索をすると考えてみてください。
どうですか? 

上の記事例のように、「食べムラ シニア犬」のような、マイナーワード同士の掛け合わせになりがちなことが、想像がつくのではないでしょうか?

マイナーワードの組み合わせで、良記事を選ぶために

このような場合の対応策として、マイナーワードのどちらか片方を、もっと一般的なワードにして検索し、その検索結果を比較してみると良いと思います。

下記に例を示します。

”シニア犬”を上位ワードの”老犬”、”犬”に変更してみる

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”食べムラ”を上位のワードの”食欲不振”、”フード”に変更してみる

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このように、「食べムラ シニア犬」だけでなく、「食べムラ 老犬」「食べムラ 犬」「食欲不振 シニア犬」「フード シニア犬」の検索を別々に行い、その結果を比較しながら、広い視野で記事の傾向見ると良いと思います。

マイナーワードの検索でも、メジャーワードの検索でも、どちらでも上位に表示される記事があれば、それをそれ以外の記事を評価する基準にできます。

またマイナーワードでは、用語の使い方自体に誤りがある場合もあるので、多くの記事を見る事で、間違った理解をすることを避ける事もできます。

 

さて、どうでしょうか?

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検索は計画的にやらないと、時間ばかりを使って、同じことを何度もやったり、過去に見たはずの記事が探せないということが良く起きます。

特に検索は愛猫、愛犬が病気になって、気持ちが動顛したなかでやる事が多いものなので、間違いや誤解も多くなりがちです。

ちょっとしたコツで、検索の効率はあがりますので、ぜひ試してみてください。
そして得た知識を愛猫に試す前に、その情報が正しいものかどうかをもういちど考えてみてください。
実際に愛猫に試みた後では、検索結果のようにやり直すわけにはいきませんからね。

少しでもこの記事が、闘病の助けになれば幸いです。

 

(ライター)高栖匡躬

週刊Withdog&Withcat
この記事は、下記の週刊Withdog&Withcatに掲載されています。

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