紫藤 咲
犬派の僕が猫と暮らす理由|4章 ひとつの命を感じること 撮影&文|紫藤 咲 ねこさんが元気になった(先生に言わせると、まだ仮であって、ハッキリとは言えないらしいが)ので、翌日の休診日は、久しぶりに明るい気持ちで一日を過ごすことができた。 先生に…
犬派の僕が猫と暮らす理由|4章 ひとつの命を感じること 撮影&文|紫藤 咲 今回のお話はねこさんが入院する前であり、カラー装着した日までさかのぼる。 この頃、とある人物から「ヤバいんだけど」という連絡を、ぼくはもらっていた。言わずと知れたハット…
犬派の僕が猫と暮らす理由|4章 ひとつの命を感じること 撮影&文|紫藤 咲 ねこさんが「みゃあ」と鳴き声を上げた日 の翌日は休診日。この日を経て、ぼくは再び獣医さんを訪れた。 一日まるまる会えない時間があるのは不安感が募って仕方なかった。これが『…
犬派の僕が猫と暮らす理由|4章 ひとつの命を感じること 撮影&文|紫藤 咲 ねこさんの症状が思っていた以上に重かったことを思い知らされたことで、ぼくは彼がいなくなるかもしれない現実を、やはり覚悟しなければならなかった。そして、その状態を招いたの…
犬派の僕が猫と暮らす理由|4章 ひとつの命を感じること 撮影&文|紫藤 咲 「死ぬか生きるか賭けるなら、死ぬほうに賭けたほうがいいと思う」先生からそう言われた翌日は、病院が休診日だったため、ねこさんに会うことは叶わなかった。 ねこさんが不在にな…
犬派の僕が猫と暮らす理由撮影&文:紫藤 咲 ねこさんの状態がよくないこと。死ぬほうに賭けたほうがいいと言われたこと。それらをハットリくんに報告した。 なにせこの頃の彼は、先生に対する不信感が本当に強く、医療ミスだとか、後手後手すぎるだとかとた…
犬派の僕が猫と暮らす理由撮影&文:紫藤 咲 ねこさんが入院して四日目こと、ぼくはついに切り札を投入した。そう、ひなさんである。 実はひなさん自身もねこさんが入院してからは、少しばかり不安感が強くなってしまっていた。ねこさんと一緒のときには、出…
犬派の僕が猫と暮らす理由撮影&文:紫藤 咲 ねこさんが入院した当日のことだ。ぼくはとても不思議な体験をした。ただ、自分でもとても信じられないことなのもたしかな話なのである。 なぜ、信じられないのか。それはぼくに霊感がないからだ。感知度マイナス…
犬派の僕が猫と暮らす理由撮影&文:紫藤 咲 ねこさんの入院の様子は逐一ハットリくんに報告していた。入院当日にずいぶんぼくらは言い争ってはいたが、それも互いにねこさんのことを心配してのことだ。 ぼくから彼の様子を聞いたハットリくんは少し安心した…
犬派の僕が猫と暮らす理由撮影&文:紫藤 咲 ねこさんが入院して翌日の午前中は、なにかをする気にはとてもなれなかった。ご飯を食べなくちゃいけないとわかってはいても、物を食べる気にはどうしてもなれなかった。心配が大きかった。 ● いつ電話が掛かって…
ねこさんが入院してしまうと、ぼくはひどく暇になった。それまでどれくらい彼に時間を費やしていたのかを、本当に思い知らされることになったのだ。 あまりにもやることがなくなってしまって、あらためて彼の存在の大きさをひしひしと感じた。 はじめはそれ…
家に帰る道中で、ハットリくんにねこさんが肺炎で入院したことを報告をした。 おそらくそうなるだろうと、彼は予想していたらしい。 「仕方ない」そう言った。 「こればっかりはもう、あいつの生きる力に賭けるしかない。あいつが生きたいと思う力が強ければ…
「入院しないとまずい状況です」 そう言われたときには頭が真っ白になった。たしかに考えなかったわけではない。 ねこさんの衰弱具合は鈍いぼくでもわかるくらいにはひどいものだったからだ。 それでも、どこかで入院は回避できるのではないか? と思ってい…
ねこさんの具合がジワジワと悪くなっていく中で、二つの言葉がずっと頭にこびりついて離れなかった。 一つは『生きることを諦めている』というもの。これは本当にその後、なんども考えさせられることとなった言葉だ。 そして、もう一つ。 スピリチュアル男、…
ある日のことだ。 ねこさんがパラボラアンテナ状態になったことを心配した友人から、ぼくはねこの飼い方についてのアドバイスを貰った。しかしその内容に、ぼくは驚愕することになった。 『夏生まれの子猫はエアコン厳禁なのは聞いてる? エアコンのない部屋…
親が我が子にはじめて贈る物――それは名前だ。 この世に生まれてきてくれて本当にありがとう。 親として選んでくれてありがとう。 これからたくさんしあわせになるんだよ。 大事に大事にするからね。 名前にはこういったさまざまな願いがこめられている。 ● …
犬派の僕が猫と暮らす理由撮影&文:紫藤 咲 ねこさんが元気になったその日の夕方、二回目の抗生剤を打ちに出掛けた。 会社から帰ってきたときも、ねこさんはとても元気で、カプセルの中でじっとしていることがなかった。 ● 獣医さんはいつものごとく大変混…
犬派の僕が猫と暮らす理由撮影&文:紫藤 咲 ねこさんと暮らすようになって、物が多く、雑然としていた室内をキレイに片付けなければいけなくなった。 ただでさえ動きが鈍いねこさんが少しでも楽になるようにと、不要な家具を一気にどーんっと粗大ごみとして…
犬派の僕が猫と暮らす理由撮影&文:紫藤 咲 パラボラアンテナ状態になって帰宅したねこさんは、首が重たいのか、うつむいていることが多くなった。350gの体重に対して、50gのプラスチック装置。体重の7分の1の重さが首に圧し掛かるのだから、そり…
犬派の僕が猫と暮らす理由撮影&文:紫藤 咲 ねこさんの具合がみるみる悪くなっていくのに、ぼくは体重を増やすことだけを必死に考えていた。なんとしてでも1kgに近い体重にして、抗生剤を打ってもらうんだという思いからだった。 ● でも、本当はすぐに病…
犬派の僕が猫と暮らす理由撮影&文:紫藤 咲 ねこさんとの共同生活も一週間を迎えようとしていた頃、ぼくはハットリくんとともに、さらなるねこさんの居室改革に乗り出していた。 ケージは完成し、トイレもセットした。メッシュマットも入れ込み、ねこパンチ…
犬派の僕が猫と暮らす理由撮影&文:紫藤 咲 ねこさんとの共同生活も五日目あたりになってくると、自立で排泄することができるようになっていた。こうなると早急にトイレを用意しなければならない。 決められた場所ではなく自由に排泄させていては、後々困る…
犬派の僕が猫と暮らす理由撮影&文:紫藤 咲 獣医さんに行ったその日、ぼくは再びホームセンターを訪れた。ねこさんとの生活を本格的に始めるための二階建てマンション(ゲージ)を購入することが目的だった。 ところがである。二階建てマンションは売り切れ…
犬派の僕が猫と暮らす理由撮影&文:紫藤 咲 ねこさんがやってきて四日目。再び、獣医さんへ連れていくことにした。なぜなら、目に見えてねこさんの体調が悪くなっていたからだ。 一日三回、コンスタントに目薬を注しているけれど、目ヤニがべったりくっつい…
犬派の僕が猫と暮らす理由撮影&文:紫藤 咲 先住犬のひなさんとねこさんの間で、ほのかな信頼関係が見えてきて、ほっと一息。しかし、まだまだ安心はできません。 何しろぼくは、新米飼い主。猫の知識がゼロなのです。ここ数日で起きたことを理解はすれど、…
犬派の僕が猫と暮らす理由撮影&文:紫藤 咲 お待たせいたしました。今回から、『ねこさん、拾いました』の第2クールがついにスタートです。野良の子猫を偶然拾い、なりゆきで育てることになったぼく。 覚悟なしに始まった新米飼い主の悪戦苦闘は続きます。…
ねこさんの食事のノルマを達成するため、頭を悩ませるぼく。 やがてそれは、ぼくを過酷な生活サイクルに追い込んで行く。 「生きることを諦めている」 ハットリくんの言葉が頭をよぎる。 ぼくがねこさんの生死を握っているんだ。
ついにその男がやって来た。 友人であり、猫飼いの水先案内人にして、霊的能力をもつ男――、ハットリ。 「なんか、こいつさあ。目がヤバイよね」 言いたい放題の、口の悪いハットリ。 そして彼は遂に、”運命の一言”をぼくに告げるのでした。
ねこさんの買い物を終えたぼくは、百円ショップへ。 そこで、ぼくはアレを見つける。 家に帰ると―― 『ゴロゴロゴロゴロ……』 喉を鳴らして喜ぶねこさん。 それまで泣きもしなかったのに、前足でふみふみまで。 ありがとうアレ! 超絶ラッキー!
ねこさんの暮らしを快適にしようと、ペットショップに。 そこには、見たこともない猫用品の数々―― これ、皆が経験しますよね。 何が必要か分からず、どれも必要そうに思えて、 うちも沢山買いました。無駄なもの。 さて、新米飼い主、何を買うのか?