ここは『ハナちゃんの動物病院』(猫版)です。
今日は疥癬(かいせん)のお話です。
疥癬はダニに寄生されて起きる、カユ~イ皮膚病。
この病気、本当にカユ~イんです。
当院のある地域は、野生動物が頻繁に民家近くにでてきます。
サルや鹿、いのしし、クマの姿も目撃されることもあります。今日は、寄生虫による皮膚病、疥癬(かいせん)のお話です。野生動物の被害は、日本中で騒がれていますね。
今日とりあげるのは、そんな野生動物も関係しているもの。
寄生虫による皮膚病、疥癬(かいせん)のお話です。
疥癬は、皮膚内、体表にダニが寄生することによって起こる激痒を伴う皮膚病です。
無気門亜目ヒゼンダニ科のダニ、ヒゼンダニ(学名:Sarcoptes scabiei var. hominis)の寄生による皮膚感染症。湿瘡(しっそう)、皮癬(ひぜん)ともいう。知られている皮膚疾患の中で、掻痒は最高度である。
出典:Wikipedia
マダニとは違い、ヒゼンダニは小さくて目で見ることができません。顕微鏡で確認するほどです。
これが、原因のヒゼンダニです。おなかの中の黒い楕円形のものは卵です。
繁殖力も強く、どんどん病変が広がってしまいます。
今日、来院したワンちゃんは、まさしく疥癬の症状でした。
とにかく疥癬は痒いんです。
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引っ掻いたり、噛んだりするから、毛がちぎれたり、皮膚が傷になります。
このワンちゃんが住んでいるお宅も、野生動物が多い地域です。
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さっそく皮膚の掻爬検査をして、顕微鏡で虫体をさがします。
――いたいた、やっぱり疥癬だ!
野生動物だけでなく、人にも猫ちゃんにも感染する人畜共通の寄生虫です。
ダニを駆虫する治療をすれば、痒みもおさまります。
今日、連れてきてもらって良かったね!!!
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野生動物から感染したとすると、家の周辺の環境が汚染されているので、また、再感染してしまうかもしれません。
難しい問題です。
疥癬の診察記は、こちらにもあります。
ハナちゃんママからアドバイス
疥癬症の治療はきちんと行うことによって、皮膚組織中に寄生したダニを駆除することはできますが、感染源である汚染された環境の中で生活しているかぎり再感染は防げません。
当院の周辺では、疥癬に感染 している野生動物がいるために、庭や散歩コースでワンちゃん、猫ちゃんたちが病気をもらってしまいます。
このような野生動物が出没する地域では、日常的にノミやダニの予防と同じ様に疥癬の予防も必要になります。
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【Withcatより】ここでご紹介したものは、病気を疑ってみる初歩的な知識です。もしもご家庭のワンちゃん、ネコちゃんに該当する症状があったら、すぐに動物病院を受診なさってください。
▶ハナちゃんママ:犬 の診察記のご紹介
▶ハナちゃんママ:猫 の診察記のご紹介
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――次話――
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この記事は、まとめ読みでも読むことが出来ます。
この記事は、下記の週刊Withdog&Withcatに掲載されています。
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――ハナちゃんの動物病院(猫)・初回の記事です――
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――出典――
※本記事は著作者の許可を得て、下記のブログを元に再構成されたものです。