ここは『ハナちゃんの動物病院』(猫版)です。
今日は病気では無くて、猫ちゃんの怪我のお話です。
怪我って舐めちゃうと治りにくいから、飼い主さんは工夫してあげてくださいね。
例えばエリザベスカラーとか。
(わたしの付けているエリザベスカラー、素敵でしょ?)
1ケ月前に、半ノラ猫ちゃんが飛節部(かかと)の傷で来院しました。
連れて来たのは、ご近所でこの猫ちゃんの面倒を見てあげている方。
1cm未満の小さな穴があいていて。
洗浄と消毒、注射をして、内服薬を処方しました。
「エリザベスカラーは、ノラ猫だし可愛そう」
とのことだったので、
「何か舐めない工夫をしてあがて下さい」
とお願いしておきました。
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――それから、1ケ月後――
やはり、傷をなめてしまい治りませんとのことで、再来院。
薬もあれから中止しているので、傷口は化膿しています。
足は腫れて、熱が40.6℃
体重は500g減って脱水もあり、体力も落ちて、良くない状態です。
もう、これ以上は自宅では無理ということで、入院治療となりました。
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傷口からでている膿汁から、菌の感受性試験を行い、効果のある抗生剤を選択します。
菌の感受性試験
ディスク(白い丸い紙)には、それぞれ別々の抗生剤が塗り込められています。
つまり、菌の繁殖が起こらなかったディスクの抗生剤は、感受性があるということになるわけです。
右側の培地は比較的、抗生剤が効いているようです。
今回は、右側の培地の中央と右下のディスクの抗生剤をチョイスします。
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傷口の内部には空洞ができ、膿がたまっています。
強酸性水で中を洗浄します。
洗浄
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入院治療なので、経過観察もしっかりできます。
今回は、マヌカハニー550で殺菌してみます。
傷口から内部へ注入します
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あふれ出ないようにバンテージを巻ます
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選択された感受性のある抗生剤治療と並行しながらの治療です。
毎日、これを繰り返し良くなれば、傷を縫合したいです。
早く退院したいよね!
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看板犬のハナはというと
すごい怖い寝顔でびっくり!
私もコポーも ガンミ してしまった!
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うわぁ~ こわい!
ハナばぁの寝顔ってこわいよ!
うなされてたんだよ~
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エリザベスカラーのお話はここにも。私の妹犬のコポーの避妊手術のときのお話です。なんと全5話
ハナちゃんママからアドバイス
動物は舐めて治すと言われますが、傷によっては舐める事でどんどん悪くしてしまう事もあります。
カラーを付けると可哀そうだからと、外してしまったり、小さく切ってしまったりする飼い主さんもいます。
結果として傷の治りが悪くなることもあります。
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【Withcatより】ここでご紹介したものは、病気を疑ってみる初歩的な知識です。もしもご家庭のワンちゃん、ネコちゃんに該当する症状があったら、すぐに動物病院を受診なさってください。
▶ハナちゃんママ:犬 の診察記のご紹介
▶ハナちゃんママ:猫 の診察記のご紹介
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――次話――
――前話――
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この記事は、まとめ読みでも読むことが出来ます。
この記事は、下記の週刊Withdog&Withcatに掲載されています。
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――ハナちゃんの動物病院(猫)・初回の記事です――
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――出典――
※本記事は著作者の許可を得て、下記のブログを元に再構成されたものです。