ここは『ハナちゃんの動物病院』(猫版)です。
今日は、猫ちゃんの尻尾のお話。
大きな傷を負って駆けこんで来た猫ちゃん。幸い怪我は良くなってきていたんだけれど、1つだけ問題が……、それは尻尾。
どうしたのかって?
読んでみてください。
(本記事には、手術の写真が含まれます)
休診の日曜日、たまたま、病院に待機している時に急患でやってきた猫ちゃん。
ひどい切り傷がお腹と腰にあり、後肢には擦り傷がありました。
スタッフもいないので、飼い主さんに手伝っていただき消毒と縫合処置をしました。
こんな状態
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腰の部分の傷の深さと、起立できない事、
そして――、シッポがだらりとして動かないこと――
ちょっと嫌な感じがしました。
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月曜日、レントゲンを撮ると、片足は股関節脱臼が起きてました。
シッポが麻痺しているのも、おそらく腰部への、かなりの衝撃があったことが想像できます。
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――その後――
傷の方は、時間はかかりましたが、化膿せずに治癒しました。
脱臼の方も飼い主さんの希望もあって温存療法にしましたが、普通に歩行できるようになりました。
問題はシッポでした。
ほとんど感覚も動きもなくなってしまった長いシッポは、だらりと引きずられて、猫ちゃんにとっては、おしりにくっ付いている異物のようなものになっています。
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気になって、クルクル回ってはシッポをかじっていたようです。
そのうちに、先端2cmくらいが壊死し、黒くカチカチになってしまいました。
「断尾しないとダメだね~」
と、もともと言っていたのですが、今度は壊死部を食いちぎり、その上の部分までかじって、ひどい傷になって出血しています。
※以後、患部の写真が含まれます。苦手な方はご注意を。
尻尾の先が……
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本人は、痛みを感じないし、こうなると口が届く部分をかじり続け、どんどん短くしてしまうことが多いです。
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化膿や出血の防止のため、思い切って傷のない所で、断尾をすることとなりました。
飼い主さんの希望は10cmくらい残して欲しいとのことでした。
シッポの半分からちょっと上の皮膚に傷があり、その上でカットすることにしました。
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切り口の断面です
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止血して皮膚を縫合します
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可哀そうに。
これで落ち着けばいいですが、気にする子は、口が届けば、またかじることもあります。
これで、終わりになることを祈りたいです。
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こちらは、ハナの妹のコポー
避妊手術をして、エリザベスカラーのとき
傷口を舐めるので、段々大きくなってこんな姿に。
良い携帯枕ができてどこでも寝られそう。
コポーの避妊手術は、別の記事にて。
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ハナちゃんママからアドバイス
怪我や腫瘍だけでなく、シッポを気にしすぎる自傷行為の対処で、断尾をすることも時々あります。
怪我などで尾の皮膚が、べろ~んとむけてしまうとなかなか治りません。
早めの治療をおすすめします。
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【Withcatより】ここでご紹介したものは、病気を疑ってみる初歩的な知識です。もしもご家庭のワンちゃん、ネコちゃんに該当する症状があったら、すぐに動物病院を受診なさってください。
▶ハナちゃんママ:犬 の診察記のご紹介
▶ハナちゃんママ:猫 の診察記のご紹介
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――次話――
――前話――
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この記事は、まとめ読みでも読むことが出来ます。
この記事は、下記の週刊Withdog&Withcatに掲載されています。
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――ハナちゃんの動物病院(猫)・初回の記事です――
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――出典――
※本記事は著作者の許可を得て、下記のブログを元に再構成されたものです。