猫の話をしようか

なかなか聞けない猫の話。こっそりおしえる猫の話。

さあ、呑みに行こう! ってことで、門前仲町へ移動 ~猫のいるアトリエ:インタビュー(中編)~

f:id:masami_takasu:20180404223938j:plainインタビュー:画家|呑山政子 (聞き手)樫村慧
撮影:呑山政子

さて、ここでインタビューの場が変わります。
実は呑山さんと私は、飲み友達でもありまして――

一通り行動美術展を見学したあとは、東京の門前仲町という駅にある、有名な大衆酒場『魚三』という居酒屋に移動です。このお店は16時に開店なのですが、その時間にはもう長い行列ができています。そして、予約ができません。
確実にお店に入ろうとしたら、3時半には並ばなくては。

「さあ、急ぎましょう。呑山さん」
「オウ!」
というわけで、地下鉄に乗りました。
『魚三』を知っている方は、相当の”通”
そして、”呑んべ”

お気づきでしょうか? 呑山さんの”呑”の字は、”呑んべ”からとられたのです。
(ウソです)

 

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これが『魚三』の行列です。
私たちも、ぞろぞろと列の後から、店内へ。

――以下、インタビューを再開――

 Q.以前お話を伺った時、一生懸命お世話をしたから、自分をお母さんと思っていると仰っていましたね?

そうそう。それはピッピがうちに来てからのこと。
お医者に通いながら、ミルクをやりながら、毎日お手々の毛の無いところに薬を塗りってお世話をしてあげたの。

そうしたらね――
目も開いていない状態なのが、段々開いて来たのよ。

お風呂に入れる時はね、私がお先に風呂に入っているところに連れて来てもらって、一緒に湯船に浸かって抱いていた。
だから、余計に赤ちゃんみたいに思えた。ピッピも私をお母さんだと思っていたんだと思う。

 

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これが壁に貼られたメニュー。
雰囲気があります。

Q.話の腰を折るみたいですけれど、猫って濡れるの嫌いですよね。ピッピちゃんはお風呂は嫌いでなかったのですか?

ニャンニャン、ニャンニャン言っていたから、嫌いだったと思うけれど、目が開かない子が嫌がっていてもどうしようもないしねえ。
見たところ、そんなに大嫌いというわけでもなさそうだし(笑)

これこれ、これがその頃の写真。
(と言って、呑山さんは当時の写真を見せて下さいました)
この頃は、目も開いていわね。かさぶたもとれて、肉付きも良くなってきている。
懐かしい。

Q.ピッピちゃんを迎えられたのは、何年前ですか?

今ピッピは12歳だから、12年前ね。

Q.名前の由来は?

ピッピは最初ピノだっただけど、途中で改名したの。
特に理由は無いけれど、頭に”ピッ”と付くのが、可愛くていいのよね。
頭の”ピッ”だけがこだわりかな。

 

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お店は4階まであります。
私たちは狭い階段を登り、3階のお座敷に。

Q.ピッピちゃんは初めての猫ですか?

ううん違う。うちは昔から、途切れることなく猫を飼っていたのよ。娘が拾ってきちゃったりして。多頭飼いになったことはなかったんだけどね。
この時には、ミーという猫がいた。当時は7歳くらい。

ミーはね、娘の高校で捨てられていた猫だった。
うちがずっと猫を飼っているって、娘の友達は知っているから、うちなら飼うだろうってことで、娘に託されたのよ。

Q.そのミーちゃんのことも、聞かせてください。

ミーは神経質な子で、他の猫と暮らしたことがなかった。
ピッピが近くに来ると怒っていて、きっと邪魔で邪魔で仕方が無かったのね。
でも、ピッピはミーのことを母親と思っているから、いつもそばに行くの。
そうしたら、ミーも遊んであげたりする。
でも、あまり母性は出さなかったなあ。

ピッピはミーがご飯を食べている間は、じーっとそれを見ていた。
自分の餌はすぐそこにあるのにね。
食べ終わるのを、待っていたのかもね。猫の序列で。
何だか遠慮をしていたなあ。ミーがすぐに怒って怖いからね。

 

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ここが呑山さんのアトリエ
椅子の上に、ピッピちゃんがいます。

Q.ミーちゃんのその後は?

ミーはものすごく喧嘩が強かった。よその猫が次々に闘いを挑みに来た。そうすると、屋根の上をダーっと駆けまわった。

だけど、9歳くらいの時に、屋根から落ちた。
ものすごい音がして――
駆けつけたら、顎の辺りがベロンと剥けていて、お医者さんにすぐに連れて行ったら、すぐに手術。顎が折れたので、小さな穴をあけて、ねじで止めて、ベロンと剥けたのは縫って入院して何とか助かった。

大きな怪我だったので、人相が変わっちゃったわ。
それから、ミーは喧嘩を恐れるようになり、コソコソするようになった。
で、その1年後、車に轢かれてしまった。

 

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アトリエ、広いんですね

Q.ミーちゃんもアトリエ猫だったのですか?

ミーもときどき遊びには来たけれど、庭の方が多かった。
それに較べて、ピッピは人間のそばにいつもいようとするので、アトリエにいることが多い。ピッピは私がアトリエにいると、外にいても分かるみたいで、すぐに私の側にこようとする。
棲み分けができていたのね。

Q.ピッピちゃんが毎日アトリエに通う、時間的な流れを教えてください。

朝ごはんを食べると、外にトイレに行く。これ、勝手に出て行くの。
そして帰ってくると、私のベッドに来てまた一眠り。

それからは、暖かければ、外にブラっと出て行って、庭ですごす。虫を捕まえたり、あちこち寝場所を探してね。
私がアトリエで絵を描いているのに気が付くと、いつの間にか「ニャ」っと言って現れる。
すぐに来るのではなくて、いつのまにか現れて、私に呼びかけるの。

 

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絵の具とパレット
もういかにも画家さんって感じです。

Q.外にはどうやって出るのですか?

台所に猫用の扉があるの。好きに行き来できるように。

Q.どうやってその扉を覚えたんですか?

外に出たくて、自然に覚えちゃった。
窓とかからでるには、(愛犬)ミントのいるリビングを通らないといけないので、そこを避けていたら、自然に身についた感じ。

ピッピはミントが苦手なのよ。
ミントはピッピが大好きなのにね(笑)。

Q.ピッピちゃんがアトリエに「ニャ」って現れるとのこと。それって、中に入れてくれって鳴くんですか?

アトリエにはいつでも入れるの。少し開けてあるから。
きちんと締めた事がないのよ。
うちできちんと締まっているのは、ミントの住んでいるリビングだけ。
ミントは、猫の餌を取って食べちゃうからねえ。

 

――猫のいるアトリエ(中編)・つづく――

インタビュー:樫村 慧

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週刊Withdog&Withcat
この記事は、下記の週刊Withdog&Withcatに掲載されています。

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――ピッピちゃん、ミントちゃんが登場します――