猫の話をしようか

なかなか聞けない猫の話。こっそりおしえる猫の話。

【看取り】【腎不全】10月7日 最後の挨拶 ~ボスの旅立ち(9/10)~

f:id:masami_takasu:20180610104008j:plain撮影&文:ボスのかあちゃん

10月7日 午前2時 30分 お別れの 挨拶

いつものように、ボスがトイレに行きたがり、私は起こされました。

この日のボスは、何故かおしっこが終わっても、なかなか寝付いてくれません。
腕の力だけで、布団からすぐに抜け出てしまいます。

「ボスどうしたの? 眠くないの? 寝ないと体力もたないよ」
私はボスに話しかけました。
するとボスは、私の顔をじっと見つめ、必死に私の手にスリスリしてきました。

あぁこれが最後の挨拶なんだな――
そう思いました。

「 お前 いつもと違うことするな」
私は心と裏腹に、そうボスに言ってしまいました。

それは長い長い、挨拶のすりすりでした。
一生懸命今まで 感謝を、ボスなりに伝えてくれているのが伝わってきました。
自然と涙が頬を伝いました。涙が止まりませんでした。

 

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すりすりが終わると、ボスは満足したのか、布団に横になって深い眠りにつきました。

ボスとのお別れが迫っている。
私はそう感じました。翌日主人にその事を話すと、主人は「そうかわかった」と、一言だけ言いました。

夜が明けて朝が来たら、ボスは今までにないぐらいぐったりしていました。
この日は私も主人も、どうしても仕事が休めませんでした。

もし帰ってきてボスが――
つい、そんなことを考えてしまいました。

この日ボスは、初めておもらしをしました。

申し訳なさそうに私を見つめるボス。
「大丈夫だよ。全然臭くない。大丈夫だよ」
私はそう言いながら、ボスの濡れた体を 拭きました。

 

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「ボス兄ちゃん行ってくるからね。お留守番頼むね」
私はいつも通りにボスに声をかけ、出勤しました。
ですが職場に着いても、ボスのことが心配で心配で、仕事が手につきません。
おろおろするばかりでした。

お昼に主人に電話をすると、主人も同じ気持ちだったようです。
『俺今から帰るわ』 と言い、電話を切りました 。

30分後 主人から連絡がありました。
『ボスは大丈夫だから 心配するな』

私は泣きながら、主人に「ありがとう」と言いました。

 

――ボスの旅立ち(9/10)つづく――

文:ボスのかあちゃん

――次話(最終回)――

――前話――

まとめ読み|ボスの旅立ち ②
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週刊Withdog&Withcat
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