「その日」がくるまで生きようず!
文:miyakonokaori (本記事は2014年に執筆されたものです)
今日はほとんど眠れないまま、病院へ行くことになりました。
簡単に、病院へ行くまでのことをまとめますと――
――日付が変わり、14日――
1時30分・コルディM10ml。
その後、ペットチニック0.7ml・Dフラ4滴入りモンプチピュアスープを飲みました。
ピュアスープは50ml、一日で飲みきったことに。
これで、一日に必要な水分は足りている…かな。
カリカリ(やはりシーバですが)をほしがるなど、少しずつ回復の兆しが見えて来たかも。
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そう思っていた矢先、午前4時前、猫さんが大量の下痢をしました。
ちょっと見たこともない雰囲気…
本猫も「どうしよう」といった様子で、緊張して萎縮していました。
「大丈夫、大丈夫」と声を掛けつつ、大丈夫じゃないのは飼い主。
なにをしよう、どうしよう、と気持ちは焦る一方。
いつものヒーターだけでは心もとない気がして、
とにかく、体をあたためようと、この冬初エアコンをつけました。
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するとすぐに、温風が真下にくるソファの背もたれの上にきて、座りました。
エアコン嫌いな子なのに、やっぱり自分でも「あたたまらなきゃ」とわかっているのかなー。
たまにはいいもんだニャー。
風、あったかいー♪
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その数分後、エアコンの調子がおかしくなって、冷風になったわけですが(汗
うおー、ビックリした!! 風、ちべたいー!!
ごめんよ…。
古いエアコンだから、リモコンも壊れちゃってるのよね…。
でも、あったまってから、ヒーター前に行けたから、ちょっと落ち着いたよね。
朝イチで病院へ行く前、猫さんには水分補給のため、サプリ入りの具入りスープを与えました。
具は残しましたが、水分は体内に入れました。
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今日は猫さんの今後の治療法についての相談になるかもしれないので、
Aちゃんもいっしょに病院へ。
いつもはタクシーに乗るまで、猫さんに「遠足だねー♪」「元気になれるよー♪」と
テンション高くキャリーの猫さんに話しかけているのですが、今日はAちゃんがいるので自重。
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あれさー、道行く人には聞かれてるよー。
恥ずかしいねん
いないところで言ってるから大丈夫!
…のはず。
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病院に到着し、癒し系のI先生の顔を見てホッとした飼い主が、
下痢をしたことや食欲がひどく落ちたことなどを機関銃のように話し、
「腸管のリンパの腫れが、よくない方向にいっているのでは」
と不安を口にすると、I先生、ほんとうに残念そうな顔をして(だけど癒し系)
「今日はちょっと元気ないように見えますね…」
と、猫さんをキャリーから出しました。
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「あれ? お水は飲めてます?」
と、I先生が訊くので、
「うーん…飲ませてはいたんですけど、昨日、水のような下痢で外でちゃいましたし…」
と、言うと、
「そのわりに脱水の症状はうかがえませんね。体温は38.2度、平熱です。体重は、と」
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はかってビックリ!
2.72キロ!!
前回より増えています。
「いやいやいやいや、増える要素ないですから。腹水かもしれないです」
と、言うと、
「おなかを超音波で診てみましょう」
となりました。
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そして今日の血液検査の結果です。
(カッコ)内は猫の基準値です。
PCV【赤血球率】 28 (32~45)
WBC【白血球数】 251 (55~195)
RBC【赤血球数】 593 (550~1000)
ヘモグロビン 9.2 (8~14)
血小板数 45.3 (30~80)
総蛋白 4.8 (5.4~7.8)
リンパ球 7362 (1500~7000)
あれ…?
予想していたより、悪くはなってない…?
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下痢をしていたので、白血球の数があがることは予想していましたが、
好中球の数はしっかりと回復。
同時になぜかPCVまで上がっている。んんん?
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先「お水飲まない子なので、おしっこが濃くて膀胱炎になりやすいんですが、
BUNの数値は正常範囲内ですし、腎臓には問題ないです(ちなみに26.1でした)。
ただ血液の結果を見ると、やはり脱水の数値になっていますから、
抗がん剤のあと点滴もしましょう」
私「抗がん剤、打って大丈夫なんですか?」
先「今回の下痢が抗がん剤の副作用によるものなら延期するつもりでしたが、
検査の結果を見ると、腫瘍によるものだと思われますので、
打った方がいいと思います。好中球もしっかりありますしね」
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というわけで、今回からUW25プロトコールの抗がん剤ではなく、
レスキュー抗がん剤「Lアスパラギナーゼ」を打つことになりました。
「Lアスパラギナーゼ」は比較的弱い抗がん剤。
筋肉注射で終わるものなので、いつもの半日入院なしで帰れます。
副作用もそれほど強く出ないタイプですが、
投与後にアナフィラキシーショックを起こすことがあり、
投与して30分ほどは注意して様子を見ていてください、とのこと。
(初回で出ることはほとんどないそうです)
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猫さんを、I先生、看護師さん、Aちゃんの三人がかりで落ち着かせ、
あっという間に、下痢止めとステロイドの注射、抗がん剤、点滴を終了。
ちなみに、超音波では腹水は見られず、体重の増加に先生も首をかしげていました。
そのときのやりとりをちょいと披露~。
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私 「腸管のリンパ腫の重さじゃないですか?」←悲壮感いっぱい
先 「かもしれませんが、大きさは前回と変わっていないんですよね」←癒し系
私 「なんで増えたんでしょう」←悲壮感どころか恐怖感まるだし
先 「うーん…。うんちはいいうんちしてますか?」←癒し系
私 「ですから4日前から軟便で、今日は下痢ですけども…」←不安いっぱい
先 「あっ、そっかあ!!」←天真爛漫
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飼い主は、もうこれから一気に下り坂になるんじゃないか、
今日明日ぐらいからヤバいんじゃないか、ぐらいのローテンションでいたのですが、
I先生があまりにもあっけらかんと癒し系なので、
(だって数分前にカルテに「4日前から軟便・今朝下痢」と書きこんでたのに、忘れてるとかw)
飼い主が思っているほどたいしたことじゃないんじゃね?と思えました(笑)
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そして、この日のお会計、
あわせて、¥22,788円でした。
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病院から帰ると。猫さんも癒しオーラをもらってくるのか、
行く前よりも毎度、格段に元気になっています。
今日も帰宅後は、カリカリやウエットを少しずつ食べて、飼い主のあとを衝いて回り、
またちょこっと食べて、ベッドへ行って寝る――といった様子です。
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抗がん剤の日は、ストレスの軽減を考えて、シリンジを使うサプリは中止。
猫さん、今ものんびり過ごしています。
今回のレスキュー抗がん剤が、腸管の腫れを引かせてくれますように…。
この薬は、細胞障害薬という種類の薬です。「代謝拮抗薬」と呼ばれるグループに属します。がん細胞の増殖を抑えます。(抜粋)
出典:L-アスパラギナーゼ:注射:[国立がん研究センター がん情報サービス 一般の方へ]
再燃を繰り返し、導入プロトコールの薬剤たち(第 1 選択薬)が効かなくなっ
てしまった場合、導入プロトコールでは用いていない薬剤(第 2 選択薬)を用
いた治療を行い、これを「レスキュープロトコール」とよびます。(抜粋)
出典:犬と猫のリンパ腫:北海道大学動物医療センター外科/腫瘍診療科
【リンパ腫】9月30日 抗がん剤始めました ~1クール目(2/13)
――【リンパ腫】レスキュー(1/7)・つづく――
文:miyakonokaori
――次話――
――前話――
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――リンパ腫に関して(犬猫共通記事)――
リンパ腫は飼い主さんが気付くことが多いのです。
時々体を触ってあげてください。
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この記事は、下記のまとめ読みでも読むことが出来ます。
この記事は、下記の週刊Withdog&Withcatに掲載されています。
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――この連載の1話目です――
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――出典――
※本記事は著作者の許可を得て、下記のブログを元に再構成されたものです。
――Withdog『犬を飼うということ』は、犬と飼い主の絆を考えるサイトです――
――Withcat『猫の話をしようか』は、猫と飼い主の絆を考えるサイトです――