「その日」がくるまで生きようず!
文:miyakonokaori (本記事は2014年に執筆されたものです)
今日は朝から冷たい雨でした。
寒くて震えているのにヒーター前には来ず、キャリーにいる――これは具合が良くないときです。
昨日から、猫さんキャリーにいる時間のほうが確実に長くなっていました。
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先週、新しいタイプの造血剤、エピ…エポ…エなんちゃらの新型を使いましたが、それでも貧血が進んでしまっていたら、今日は輸血と入院をすることになっていました。
顔色も真っ白ですし、たぶん貧血は改善していないだろうから、輸血になるだろうなと思いつつ、猫さんを連れて病院へ。
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寝ていたらいつの間にか病院きてたニャ…
キャリーが寝床だと、その点は便利ねー
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「今日はうちの猫が輸血に備えて奥で待機しています」とI先生。
おお、例の「太っている」猫ちゃんがいるのかー。
病院のブログで姿を見たことがあるけれど、そんな大きかったっけな???
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登場~!!!
でっ、でかい!!!
うちの猫さんの、3倍はありそうwwwww
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おっとりしておとなしくて、人見知りをまったくしない、
とてもかわいい猫ちゃんでした。
抱っこさせてもらいましたが、おとなしく抱かれていて、毛並も良くてモフモフ。
ただ、あまりにも重くて、ズリズリと下に下がっていってしまったのですがね
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それから、診察室で輸血の説明を受けました。
まず、猫さんと、先生の家の猫ちゃん(名前はいくらちゃん)の検査をし、両者適合となれば、いくらちゃんから、一時間程度かけて血を採る。
その後、二~三時間ほどかけて、慎重に猫さんの体内に血を入れていく、ということでした。
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一時間もかけて血を採るなんて、健康ないくらちゃんに申し訳ない…
っていうか、猫さんはまあ仕方ないとして、いくらちゃんの体力は大丈夫なんだろうか…
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心配するない!
ありがとう
そして…やっぱり大きいね、いくらちゃん(笑)
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とにかく、血液検査の結果待ちですが、貧血が進んでいないことを祈りました。
体重は2.50キロ。
やはりかなり減ってしまいました。
絶対量が少なかったし、吐いたり下痢もしてしまったからね…。
ただ、熱は38.1度と、やや高いかなーぐらいの平熱。
触診の結果、喉と膝の裏側の腫瘍はほとんどわからなくなりましたが、
おなかにはまだ残っているとのこと。
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おなかに超音波をあてて、腫瘍の様子を見て、
先週より小さくなっていなければ、今日の抗がん剤は、年始に入れたレスキューの「Lアスパラギナーゼ」にしましょう、となりました。
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そしてこれが初公開、
猫さんのおなかの中のエコー写真です。
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真っ黒な影になっているところが、消化管のリンパの腫れです。
残念ながら、先週とほぼ変わらない直径約4cm弱の腫れが見られます。
昨日の嘔吐と下痢は、やはり抗がん剤の副作用ではなく、
この腫れの炎症のために消化が妨げられてしまったからではないか、という所見でした。
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それと、もしかしたら、この消化管がリンパ腫の原発かもしれないとも言われました。
多中心型ではなく、消化管型ということかな…
だとしたら、もう全身に回っていたということになるのかな…
もしそうならば…猫さん9月の時点で既に末期も末期というレベルだったということ。
そこからよくここまで持ち直して頑張ってくれているなぁ。
我が子ながら、ほんとうにすごい生命力だと思います。
そして本日の血液検査の結果が出ました。
(カッコ)内は猫の基準値です。
WBC【白血球数】 172 (55~195)
RBC【赤血球数】 480 (550~1000)
ヘモグロビン 8.0 (8~14)
血小板数 54.0 (30~80)
総蛋白 5.4 (5.4~7.8)
分葉核好中球 10549 (2500~12500)
リンパ球 6192 (1500~7000)
おおお!
ヘマトクリット(PCV)が、先週の19から大きく上がっています!
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ただ、蛋白の増加やBUNの数値(34.0と基準値オーバー。脱水すると上がります)を見ると、
脱水を起こしているために増えたというのもあるようですが、
赤血球もヘモグロビンも上がっているので、
例のエポ…エピ…エロ…エなんちゃらという造血剤は、猫さんに効いてくれたようです。
ちなみにBUNの数値は高く出ましたが、クレアチニンは1.4と正常範囲内なので腎臓は問題なし。
そして、いつものことながらGPTが28と、肝臓の強さを示してくれました。
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というわけで、今回は輸血は回避できました
ああ、ほんとうに良かった。
今日は朝からぐったりしていたので、猫さんの気力と体力が心配だったのです。
こんなときに入院させるのも、かわいそうだし…。
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腫瘍が小さくなっていなかったこと、そしてリンパ球の数値が上がってしまったことから、今回はレスキュー「Lアスパラギナーゼ」が選択されました。
確か前回はいい感じに効いてくれたので、今回もうまくいくといいな。
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その前に、猫さんにはたくさんの注射が打たれました。
1本目に下痢止め・抗生剤、
2本目にエなんちゃらの新型という造血剤。
ちなみにこの造血剤を打っているとき、I先生に、
「この造血剤、なんて名前ですか」と訊いたところ、
「えっと…なんだったかな。忘れちゃいましたけど、新型です」と、
実におおらかな答えが返ってきました(笑)
ほんとにかわいい先生だ。癒される~
商品名を教えてくれましたが、それは私が忘れちゃいました。ネなんとかって三文字だったな。
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3本目にはステロイド
(ステロイドはLアスパラギナーゼの副作用であるアナフィラキシーを抑えるためです)
そして、4本目に、強めの制吐剤を打ちました。
これはかなりしみるので、猫さんは打ったあと興奮状態になってしまいました。
脱水をしていたので、その後に皮下輸液の予定でしたが、猫さんのストレスを鑑みて、10分ほど休憩タイム。
落ち着いた頃に、皮下輸液と抗がん剤「Lアスパラギナーゼ」を投与しました。
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というわけで、UW25プロトコールは終了し、これからはレスキューになります。
「Lアスパラギナーゼ」が効かなくなったら、次は飲み薬の抗がん剤になるそうで。
いつまでもってくれるかなぁ…。
なんとかして、腸管のリンパ腫が小さくなってくれないかな。
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本日のお会計は、
あわせて、¥31,290円でした。
雨が雪に変わる前に、家に帰ってこられた猫さんは、
「ただいま」とキャリーを開けると、一直線にごはんスペースへ走っていきました。
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撮らニャいでよッ!!!
ごめんごめん。
つい、うれしくてw
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病院から帰ってきた日は、猫さん毎度気力充分です。
朝あげた金缶をすっかり平らげ、猛然とカリカリを食べました。
体重が減っちゃったからね…たくさん食べて体力つけよう。
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心配していたアナフィラキシーショックもなく、今はヒーター前でくつろいでいます。
まだまだ頑張れるかな。頑張ろう。うん。
さてと、猫さんがなにやら甘えモードなので、構ってきますかのうー
――【リンパ腫】レスキュー2回目(1/26)・つづく――
文:miyakonokaori
――次話――
――前話(第4クール目の最終話です)――
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――リンパ腫に関して(犬猫共通記事)――
リンパ腫は飼い主さんが気付くことが多いのです。
時々体を触ってあげてください。
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この記事は、下記のまとめ読みでもご覧になれます。
この記事は、下記の週刊Withdog&Withcatに掲載されています。
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――この連載の1話目です――
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――出典――
※本記事は著作者の許可を得て、下記のブログを元に再構成されたものです。