猫の話をしようか

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もう一匹増えたところで…… ~猫宅のお話をしましょう(その 5)月~【猫の保護/また増えちゃった】

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猫宅・44の物語 5話
今回のお話は:月
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撮影&文|女神
 

前話で触れた、「月」のお話をしたいと思います。
天が(恐らくは)雪との喧嘩で、怪我をした頃――、そうあれは確か、まだ残暑が残る時期だったと思います。

ある日の朝、私は娘を仕事に見送ってから、外猫のちゃーにご飯をあげるために外に出ました。するとそこで、私を呼びとめる声――
そちらを向くと、近所の方が黒い子猫を抱えて「この子、お宅の猫?」って言ってきました。

どうやらその方のお宅に、子猫が迷い込んだようです。

その子猫は始めて見る子でした。
猫宅の子たちは完全室内飼いですし、全員が雄猫。
外猫でお世話をしていた雌猫は、三毛のちゃーだけ。
どう間違っても、我が家の関係で真っ黒い子が産まれる訳はありません。

「違います」と私は答えたのですが、その瞬間の出来事でした――
その子猫はご近所の方の手をすり抜け、ぴょんぴょん跳ねて、逃げるようにその方の家の方に向かって走っていったのです。

車の出入りが多い場所に放置するのは危険です。
「 早く捕まえて!」
私たちは、その猫を急いで追い掛けました。

 

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因みに私は、過去に2度猫に噛まれたことがあります。
一度目は外猫のマイケルと言う雄猫。2度目は家猫のぺる吉です。
ベル吉はまだ完全室内飼いになる前に、外に遊びに行ったきりで何日か帰らず、見つけて抱いて帰ろうとした瞬間に「かぶっ」とやられました。

それがあってから、私は慣れていない外猫を触るのが少し怖くなったのですが、そうも言ってはいられません。

ようやくその子猫を捕まえた私は、迷わす猫宅に避難させることにしました。
その頃猫宅には、都合よく二段式のゲージがありました。
何故、何のために購入したか今となっては覚えていないのですが、とにかく一時そこに入ってもらおうと思いました。

私が「預かります」と言うと、ご近所の方は安堵したように見えました。 

さて、その場の勢いで子猫を預かったのはいいのですが、既に猫宅には天を入れて5匹のにゃんがいます。今となっては44にゃんとなった猫宅ですが、当時はそんな大所帯にするなどとは思いもしない頃。
その子を6匹目として迎えるつもりもありません。

「どうしよう?」
と、幾ら考えても、里親を探す以外に解決策はありません。

 

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一見、真っ黑のボディなのに、毛を持ち上げると白い体。
一風変わった毛色の子なので、きっと気に入ってくれる人はいるだろうと思っていましたが、そう簡単にはいきません。

その子が雄と言うだけで、里親はなかなか見つかりませんでした。

「どうしよう?」
と、また私――
その時、娘が言いました。
「1匹増えたところで、変わりはないんじゃないの?」

なるほど、言われてみればそれもそうです。

こうして、その一風変わった毛色の一見黒猫の子は、猫宅の6匹目になったのでした。

その子に着けてあげた名前が、冒頭に書いた「月」です。
月は、猫宅が44にゃんへと繋がっていく切っ掛けの子なのです。

ことろでこの月ですが、前話にも書いたように、天と違って猫宅の先住猫、とら、茶々、華、雪にスムーズに溶け込んで行きました。やがて天も猫宅に溶け込んでいくのですが、月がその時の天の助けになったように思います。

同じ時期に猫宅の住人になった月と天。
二匹は大きくなってからも仲が良く、兄弟の様にじゃれ合います。
時には行きすぎて、喧嘩みたいになりますがね。

そうそう、最後に一言だけ。
月は多分、飼い猫さんの子だと思います。
何故かというと、甘え方が上手なのです。

ご近所の家に迷い込んだのか? それとも捨てられたのか?
今となってはどうでも良いことですがね。

P.S.これは、最近の月です。

これも、最近の月。

 

――つづく――

こちらは、最近の猫宅の写真です。
段々と猫団子の季節に。

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作:女神
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――次話――

44の物語、今回は外猫さん。
猫宅にいる2匹(華と雪)の母は、外猫のちゃー
そのちゃーにも、お母さんがいました。
外猫には外猫の世界があって、そこにはドラマがあります。
ちゃーの存在は、やがて猫宅に影響してきます。
6ニャンが、44ニャンになるきっかけにも。

――前話――

44の物語、5匹目のお話。
ベランダで洗濯物を干していたら、ご近所さんの妙な仕草が見えた。
手には毛玉状の物体。
目を凝らすと、それは猫。
庭に迷い込んで来たのだとか。
天と名付け、猫宅に引き取ることにしたのですが、
天は中々猫宅になじめません。

まとめ読み|猫宅・44の物語 ①
この記事は、下記のまとめ読みでもご覧になれます。

週刊Withdog&Withcat
この記事は、下記の週刊Withdog&Withcatに掲載されています。

――この連載の1話目です――

44匹の猫が住む家、その名も『猫宅』
今日は保護した猫たちのために、専用の家『猫宅』を借りた飼い主さんのお話です。
1匹ずつに物語があって、今日はその猫宅住まいの最初の1匹目を保護した時のお話。
さて、44の物語、完成するでしょうか?

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