「その日」がくるまで生きようず!
文:miyakonokaori (本記事は2014年に執筆されたものです)
眠っている間に、猫さんが旅立ってしまったらいやだなと思いつつも、
寝ないと仕事にも差し支えるので、9時半から10時ごろに投薬と強制給餌
(ふやかしたカリカリをペースト状にしたもの+コルディM+ヤギミルク)を終え、
11時頃に寝室へ行き、就寝。
15時頃に起き、部屋へ戻ると、猫さんのトイレの前に何やら大きなグレーっぽいかたまりが横たわっているのに気づきました。
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「トイレへ行こうとして力尽きたんだ!」と咄嗟に思った私は、とにかくまだ息があるかどうか確かめねば、と猫さんの名前を絶叫しながら、駆け寄りました。
もうダメなんだろうと思いつつ、破れそうなほど打つ心臓を抑えて。
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……ビニール袋でした。
あいつ(Aちゃん)め!!!
しかし、猫さんが吐いたものを隠すために、ビニール袋をかぶせた可能性もあります。
だとしたら、一体どれぐらい、どんなものを吐いてしまったのか…
もし、血だったらどうしよう…
早鐘のように打つ心臓を抑えつつ、意を決してビニール袋をどけました。
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……なにもありませんでした。
あいつ(Aちゃん)が捨て忘れていただけか!!!
いやもう、ほんとに心臓止まるかと思ったので、反動で大笑いしてしまいました。
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すると、猫さんが「なにごと!?」という顔で、キャリーから出てきました。
「いやもう、だって死んでるのかと思ったから、すんごい声出しちゃっよ――――!!」と、言葉がわからない猫さんに、ひたすら話していたら、また笑いがこみあげてきて…。
そんな私を見ている猫さん、朝よりは目力もあり、呼吸しているおなかも少し楽そうに見えます。
その朝のこと。
猫さんがベッドで粗相をしていました。
あれほどきれい好きだった猫が、うんちをひとつ漏らしていても気づかないでいる――
あるいは気づいていても、もう動く力が出ないのかもしれません。
この事実を目の当たりにしたとき、今日が最後の一日になるかもしれないと思いました。
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カーテンを開けて、目も半開きになって呼吸も荒くなっている猫さんに朝日を見せました。
が、不思議なことに猫さん、朝日を浴びているうちに、表情に少しずつ力がよみがえってきたんです。
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朝日にパワーもろた
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その顔を見たら、どうしてもまだ諦められなくて、強制給餌をするので手伝ってほしいとAちゃんに言いました。
Aちゃんは「自然に任せたい。強制給餌はしたくない。死のうとしているものをなぜ引き留める?」という考えでしたが、ここで止めて私に後悔させても…(私に恨まれても?)と思ったらしく、強制給餌に協力してくれました。(前に書いた9時半からの強制給餌がこれです)
シリンジで飲ませるのは、私よりAちゃんのほうがうまいので、猫さんにかかるストレスが軽いので助かります。
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そのおかげか、猫さん、少しですが体力、回復したかもしれないです。
ほんのちょっと、カリカリを食べた形跡もありました。
それに大笑いしている私に、「なにか食べたい」と催促してきまして、半信半疑でウエットをレンジであたためて与えると、スープの部分を自分から口にしていました。
ほんの少しでも、うれしかったです。
その後、自分の力でトイレに行き、おしっことうんち(指先ぐらいの大きさですが)をしました。
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夕方に再び、強制給餌。これはひとりで。
30分闘って、カリカリ10粒分ぐらいを体内に。
一日のカロリーには全然足りていませんが、そこは「何も食べないよりはいい」と開き直り、「頑張ったねー。たくさん食べたねー」とひたすらほめています。
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猫さん、今はまたキャリーで眠っています。
まだまだ気は抜けませんが、昨日よりは苦しくなさそうで、それがほんとうにうれしい…。
明日も明後日も、朝日を見せてやりたいです。
まだまだここにいさせてください。
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追伸 なかなか返信ができなくてすみません。
ですが、いただいたコメントに力をもらっています。ありがとうございます!
コメントにあった強制給餌用の油さし、ほしいなー。どこで売ってるんだろう…
――【リンパ腫】レスキュー2回目(11/26)・つづく――
文:miyakonokaori
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この記事は、下記の週刊Withdog&Withcatに掲載されています。
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――この章の1話目です――
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※本記事は著作者の許可を得て、下記のブログを元に再構成されたものです。