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【実話エッセイ】ボンビーな一人暮らしと、不思議なアパート ~私の空、マナ!|二人の出会いは突然に(1/10)~

私の空、マナ!
f:id:masami_takasu:20190221013428j:plain撮影&文:あおい空 

初めまして。あおい空と申します。
これから私と、私の同居人である、愛猫のマナのお話をしたいと思います。

私と愛猫マナの出会いは、偶然でした。
でも偶然という言葉は、時に運命と言い換えられたりもしますよね。

私とマナはあの日、偶然に出会っただけなのかな?
それともあれは、運命が引き合わせてくれたのかな?
まだ私にはそれが分からないのですが、このお話が終わるころには、もう少し自分でも分かっているかもしれません。

それではお話を進めていきます。
ますは、主役のネコさんがいない時から――

生まれて初めて一人暮らしをすることになった私。 
まずは物件探しから始まりました。
不動産屋に座ると「家賃はこのくらいで探して下さい」と条件は家賃のみ。
事務員として働いている給与では、高い家賃のアパートには住めません。
相手をしてくれたのは、二十代の女性でした。
パソコンをポンポンポンと弾き、いくつか物件を提示してくれました。

提示した金額では、なかなか探すのが大変だろうなと頼んだ張本人が思うくらいなのですが、嫌な顔一つせずに明るく応対してくれました。
何件かの物件を見ながら、かれこれ一時間が経過した時に「ここどうですか?」と見せてくれたのが、今のアパートです。

「実はうちの会社の物件ではないのですが、ご紹介出来ます」との事。
すごい!家賃は条件どおりです。

ここ見に行きましょうかと言われ、車で連れて行ってくれました。
中に入ると、ユニットバスもあり使い勝手も良さそうです。
しかし!難点が一つだけありました。駐車場です。

アパートの駐車場は満車で、たった一つ空いているスペースは、ここに車を停めて出られるの? という場所が一台分だけ。うーん、やはり駐車場は絶対必要です。

という事で、アパートの回りの駐車場を一緒に探しに行きました。
近くで借りれるものが見つかりましたが、下がコンクリートではない砂利で雪の不安も大です。こんな難点はあるものの、これ以上の物件は見つからないだろうなということで、めでたくアパートは契約の運びとなり、現在に至っているわけなのであります。

引越して六ヶ月間は、テレビと洗濯機がありませんでした。
浴槽で洗濯をして、音のない生活です。

初めての一人暮らしは、このようにかくも楽しいこともなく始まったわけです。
さて!どうなる?ボンビー生活〜。

 

f:id:masami_takasu:20190204002124j:plain

住んでみて少しずつ辺りを見ると、立地条件が最高であることに気がつきました。
近くにスーパーがあり、静かな住宅街です。
特に気に入ったのは、チョンマゲ時代の長屋風で開放的なことでした。
今どき、こんなみっけものはありません。

浴槽で足で踏んづけて洗濯するなんて…いつの時代にタイムスリップしたのか〜!
ですよね。

テレビもなく、話し相手もいない。そんな音のない生活で唯一の音といえば、隣りのベランダから聞こえる洗濯機の音と、ベランダ越しのお向いの2階窓で、何をそんなに叩くものがあるのかと思うほどの勢いで、上半身裸でパタパタと洋服か何かを叩き続けているおじさん。

この音がありがたく感じる毎日でした。

少し慣れてきた頃、お隣さんになぜ洗濯機がベランダにあるのかを尋ねました。
その答えは、長く住んでいるため、大家さんが洗濯機置き場を作る時に工事ができなかったそうです。かなり後には、部屋がフローリングではなく畳だと言う三軒先の方の話しも聞きました。その方も同じ理由。
もうこれだけでも珍事ですよね!

こんな世にも不思議なアパートが、私は「何となく好きだなあ」と感じていて、そんな風に考える私は、もしや住人の方たちよりもっと変わっているのかしらと思っていたのですが、実はそれは私だけではなかったようです。

ある日、近くのクリーニング店に行った際、ここの住民の方々はみんなこのアパートが大好きで感謝しながら喜んで住んでいる、と聞いて、ホッとしたのでした。

それから二年の月日が流れます。
洗濯機もテレビも揃いましたが、初めての一人暮らしは淋しくて、限界にきていました。一人で食べる食事の美味しくないことといったら!

そんな夏の終わりのある日――
私は夕方アパートに帰るのが辛くて、ボケーッと公園のベンチに座って、カラスが群れをなして頭の上を飛んで行くのを見送りながら、何時間もベンチに座っていたのです。

その日から、わずか数日後のことです。
私がこのお話の主人公である、ネコさんと出会ってしまったのは。

 

――二人の出会いは突然に(1/10)つづく――

作:あおい空
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構成:高栖匡躬、樫村慧

――次話――

週刊Withdog&Withcat
この記事は、下記の週刊Withdog&Withcatに掲載されています。

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