「その日」がくるまで生きようず!
文:miyakonokaori (本記事は2014年に執筆されたものです)
猫さん、かれこれ一週間、うんちがでておらず、そして昨日はとうとうおしっこもでなくなりました。
そんなとき、右の下腹のひどい腫れに気づき、「これはまずい!」と、大慌てで近隣区で緊急対応してくれる病院を調べたところ、たまたまかかりつけのEペットクリニックの分院がヒット。
いろいろ相談した結果、緊急性はないということで、翌朝、そちらの分院Mペットクリニックへ行くことになりました。
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そして日付が変わり、本日――
猫さんの移動の負担を考えると、ほんとはかかりつけの病院がいいんだがなあとHPを見ると、なんと今日は院長先生が診療にあたる日ではないですか!
院長先生には、前にも何回か猫さんを診ていただいたし、できれば院長先生にお願いしたい!
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というわけで朝イチに電話をし、院長先生の予約をとり、夜間に対応していただいた分院ではなく、いつもの病院へ。
院長先生、猫さんを出して触診。
そして「厳しい段階にきたと言わざるをえません」と言いました。
私が涙目で「やはり…腸閉塞ですか」と訊くと、「いや、それはないでしょう」。
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え?
そうなの??
先のない腸閉塞のことばかり考えていたので、このときは全身の力が抜けるのを感じました。
が、レントゲンの結果を見るまでは、信用するものか!と、もう一度、気を引き締めたんですけどね。
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そのレントゲンの結果が、これ
真っ白!!!
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「ギャー! 全部がんだ、これ!!!」と叫んだ飼い主に対し、院長先生は冷静に、「いえ、これはガスなんです」
――ガス?
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院長先生によると、猫さんは胃腸の動きが極端に悪くなってしまっていて、特に胃はほとんど動いていない状態。
それでガスがたまって、さらに腸も圧迫し、こちらの動きも止めてしまっていたのだろうということ。
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今日はとりあえず苦しいのを和らげるために、胃のガスと、消化しきれずとどまっている内容物を抜いてもらいました。
猫さんが吐いていたものと同じ色の液体が、100ccぐらいかな……残っていました。
あれはやっぱり強制給餌の流動食が消化しきれていなかったものだったんだね。ごめんね。
胃腸が動かないと、飲み薬もサプリも、そもそも食べものの栄養も吸収できないので、
ここからの最優先事項は「胃腸を動かす」ことになりました。
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これから毎日、静脈注射での点滴で胃腸を動かす薬を入れるため、通院が決定。
同時に、闘病飼い主さんから教えていただいた「オゾン療法」をやることになったので、結局、その機械がある分院へ通うことになったのでした。
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ちなみに「オゾン療法」とは――
う、説明大変だな……。
オゾンを体内に入れることで、自己免疫力を高めることができるという最新医療です。
(↑ 全然大変じゃないじゃないか!!)
おしりからカテーテルでオゾンを入れるので、体調が悪い子でも負担なくできるそうです。
これからの主治医はI先生ではなくなりました。
やさしくていい先生だったな。分院の先生も動物好きな、いい人だといいな。
腸閉塞じゃなくて、とりあえずは安心したものの、胃腸が動かなかったら、猫さん、ずっと栄養を摂れないわけで、この状況はかなり深刻です。
つまり、胃腸が動くまで水も飲めないので、体力がもってくれるかも心配。
ただ、外科手術の必要がないことだけは良かった、といえるかな…。
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4日前に血液検査をしたばかりですし、もういいんじゃないかと思いましたが、院長先生が「つらい部分をしっかり把握して楽にしてあげましょう」と、血液検査もやることに。
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(カッコ)内は猫の基準値です。
WBC【白血球数】 178 (55~195)
RBC【赤血球数】 263 (550~1000)
ヘモグロビン 3.8 (8~14)
血小板数 62.4 (30~80)
総蛋白 5.0 (5.4~7.8)
BUN 48.1 (17~30)
CRE 0.5 (0.6~1.6)
GPT 7←!! (29~89)
厳しすぎる……。
4日でここまで貧血が進んでしまったとは……。
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院長先生曰く「これは明日にも、PCVがひとけたになると思います」とのこと。
あと、BUNが高いのは、極度の脱水のため。
肝臓は……うん、強いね。
脱水を緩和するために、補液を入れると、今度は血が薄くなってしまうのです。
貧血になると、常に酸欠状態で苦しく、また内臓の動きも悪くなるそうで、
猫さん、なんとしても貧血を改善してやる必要が。
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というわけで、輸血が決定しました。
今日、猫さんの体力を少しでもあげて、明日輸血することに。
13時半現在、半日入院し、病院の酸素室でゆっくり点滴をしてもらっています。
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明日から、毎日、半日入院して、胃腸を動かす薬の皮下注射と点滴、オゾン療法です。
夕方に迎えに行き、夜はおうちで過ごします。
治療の中で、亡くなってしまう可能性があるという話もありました。
(だから夜はおうちに帰るサイクルでいくので)
が、今の苦しいままでなにもしないよりは、なにかをしたことで楽になる可能性があるなら、そちらにかけたいのです。
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これから、「積極的な緩和治療」をしていきます。
幸い、うちの猫さんは、病院がそこまで嫌いではないので、
新しい分院の環境に慣れてくれれば、頑張ってくれるのではないかな、と。
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頑張るしかないでしょ
うん、頼んだよ
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仕事でしばらく不在になっているAちゃんに、顛末をメールで伝えると、「金に糸目はつけん!!」というカッコイイ返信が(笑)
Aちゃんの仕事が一段落して、家で猫さんとゆっくり過ごせるようになるまで、
猫さんを守ってやらにゃな……。
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よし、まずはごはん食べなきゃな!
これからますます体力を使うからね、飼い主がへばったら猫さん守れんからね!!
――【リンパ腫】レスキュー2回目(26/26)・おわり――
――次章、緩和に続きます――
文:miyakonokaori
――次話――
次話より、最終章、緩和が始まります。
その日がくるまで生きようず!97話
この日、転院して緩和治療が始まります。
別れが近い事は分かっても、まだ明確なイメージは有りません。
何度も決めた覚悟も、今はそれがあるのかどうか分かりません。
「3月7日の朝だよ」
猫さんはしゃんと首を伸ばして、空を見ました。
――前話――
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この記事は、下記のまとめ読みでもご覧になれます。
この記事は、下記の週刊Withdog&Withcatに掲載されています。
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――この章の1話目です――
――この連載の1話目です――
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――出典――
※本記事は著作者の許可を得て、下記のブログを元に再構成されたものです。