猫の話をしようか

Withcat 猫と飼い主の絆について

まろの出産と、戻ってきた彼女 ~猫宅のお話をしましょう(その10)まろ、彼女、四月~

猫宅・44の物語 10話
今回のお話は:家猫の『まろ』と、戻ってきた
彼女
マロと子供たち

撮影&文|女神
 

彼女が残していった2匹の子、キキ、ララ、ムーが加わって、更に大所帯となった猫宅。ここまでの仲間たちを整理しておきます。

とら、茶々、華、雪、天、月、あずき、陸、空、みっけ、てっぺい、真白、ぱんだ、麦、小麦、風子、そしてキキ、ララ、ムー 

これで合計で19匹です。

一方我が家は猫宅だけでなく、本宅でも猫を飼っています。そのころは、自宅のまろも出産しました。

はち切れんばかりの大きなお腹をしたまろは。もういつ生まれてもおかしくないように思われました。ある日、ちょうど私が家にいたときのことです。いつものようにベッドの上で寝ていたまろが、急に破水しました。

私は慌てて、用意してあった産箱にまろを移すと、まろが安心できるように、いつもいる寝室の一角にその箱を置きました。時々様子を見ながら、時間をかけてその時を待ちました。

やがて、ゆっくりと生まれてくる子猫たち。
子供の頃から家には猫が居たのですが、出産の場面に立ち会うのは初めてです。

 

「終わり?」「えっ、まだ?」

そんな風に思っているうちに、まろは4匹のお母さんになりました。
でもその中の1匹は、どうも様子がおかしい。何度も何度もまろの近くに行くのですが、お乳を吸う力もありません。不運なことにその子は、お星様になってしまいました。人間の子ならば、未熟児の赤ん坊も医療の進歩で救う手立てがありますが、猫は厳しいですね。猫は死産や、未熟児で死んでしまう子が意外に多いのだそうです。

扉の写真と上写真が、授乳中のまろ。

さて、このまろの子供3匹ですが、みるみる大きくなっていきました。

どの子もとても可愛かったし、何しろ私は出産にまで立ち会っています。そのまま家に置いておきたかったのですが、主人が首を縦には降ってくれませんでした。

猫宅に連れていくかどうか迷った末、学生時代からの友人の所に2匹、お世話になっている獣医さんの紹介で1匹と、3匹全てを里子に出しました。

賑やかだった我が家も元の3匹に戻りました。
そして、猫宅と共に暫くは平和な毎日が続いたのでした。

暫くは……、ですが……

 

2015年になってからのことです。
なんと外猫となっていた彼女が、再び大きなお腹をして舞い戻って来ました。
自分で玄関先に来て、私を待っていたのです。

私は驚きました。彼女がもう戻ってくることはあるまいと覚悟をして、外に出してあげたのですからね。彼女も覚悟を決めて出ていったはずです。その証拠にそれまでの間、私は一度たりとも、彼女の姿を見たことがありませんでした。

あの時彼女は、自分の力で帰ってきたのか? それとも誰か、例えばポリスに連れられて戻って来たのか? 

ただ一つ確かなのは、彼女が猫宅を思い出し、そこでの生活に戻ると決めたということです。彼女にとって安心して子供を産める場所は、猫宅以外にはなかったということでなのだと思います。

本当に不思議で仕方がありません。あれは動物の本能なのでしょうかね?
いずれにせよ、ここからまた、猫宅は動き始めます。

私たちは彼女を、女の子部屋に戻すことなく台所で過ごしてもらうようにしました。なぜかというと、彼女は以前と変わらず、誰とも打ち解けなかったからです。彼女の警戒心は相当なもので、私たちにも体を触らせることはありませんでした。

そんな風にして日々は過ぎていきました。

そして日に日に、彼女のお腹は大きくなっていきました。
誰の目にも、出産はもう間近なように思われました。

 

 

それはいつもと変わらぬ朝でした。

猫宅に行った私は、いつもと同じように、玄関を開けてキッチンに入りました。彼女の様子を見るためです。
――そこで、私は目を疑いました。

キッチンには、彼女が出産できるように段ボールハウスを置いていたのですが、その近くが血まみれになっているのです。

「何事?」
その血だまりに目をやると、そこには産まれたばかりの子が横たわっていました。
しかもその子は五体満足な体ではなく・・・

私は彼女に問いかけました。
「なに?なにがあったの?」
「どうしてこうなったの?」
「何が気に入らなかったの?」
――半分泣きなから、何度も何度も。

私には、彼女が何でこんなことするか、理解が出来ませんでした。
でも、よく見るとその子は、産まれたばかりの仔猫にしてはかなり大きくなっていました。良くこんな大きな子を一人で産んだものだと、そちらの方が不思議なくらいで。
私は泣きながら、その亡くなった子を抱き上げました。そこでまた驚きました。
何と、もう一匹同じような子がいたのです。

 

猫は自分の産んだ子を、跡形もなく食べてしまうことがあると聞いたことがあります。
足手まといになる虚弱児を減らして、自分と健康な子を守るためだとか、子猫の亡骸を他の動物に見つからないよう、隠すのが目的とかいいます。

多分彼女もそうしたかったのでしょう。でもそれをするには、その子はあまりにお腹の中で成長しすぎたのです。きっと。

私は、死産で産まれてきたことだから仕方がないないだと、自分にいいきかせました。

彼女の子は2匹はお星様になり、強運の持ち主の1匹が残りました。
4月に産まれたことから、その子は四月と書いてしずくと名付けました。

上の3つの写真が、4月です。
すぐ上の写真は、最近撮影したものです。

そう言えば私は、外猫のちゃーが産まれたばかりの仔猫を咥えてきて、まるでキャッチボールでもして、遊んでいるような光景を目にしたことがあります。最初は虫でも捕まえてきたのか? と思って見ていたら、間違いなく猫の赤ちゃんだったのです。

直ぐ取り上げ土に埋めた記憶がありますが、猫は時に人間に理解できない行動をすることがあるのですね。

最後にもう一度、猫の整理をしておきますね。

とら、茶々、華、雪、天、月、あずき、陸、空、みっけ、てっぺい、真白、ぱんだ、麦、小麦、風子、キキ、ララ、ムー 、それから彼女と4月

合計21匹です。

これは最近の女の子部屋です
女の子部屋1

女の子部屋2

女の子部屋3

 

――今回の写真のご説明――
扉:まろと子供たち
1枚目:まろと子供たち
2枚目:4月(彼女の子)
3枚目:4月(彼女の子)
4枚目:4月(彼女の子)
最後の3枚:最近の猫宅、女の子部屋

 

作:女神
 ▶女神:全作品のご案内
  

――次話――

猫宅に、思いもよらぬ事件が起きます。さて、それは?

――前話――

週刊Withdog&Withcat
この記事は、下記の週刊Withdog&Withcatに掲載されています。

――この連載の1話目です――

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