猫を拾うということ (1話~3話)
本エッセイは2017年12月9日に第1回目の記事を公開し、現在は不定期で3回まで連載が続いています。
カテゴリー:エッセイ
作者:はくたく
猫を拾うという行為をモチーフとした連作のエッセイ。
猫好きの書いた作品と少々趣が異なり、読むと不思議な感覚を覚える。
猫を拾うという行為は、小さきものを保護する博愛の精神と言って良いだろう。しかし作者の視線は一歩も二歩も引いていて、時には冷徹ささえも感じる。
しかし、愛情がないのかというとそうではない。むしろ愛情に溢れている。
作者の視点の違いは、恐らくは作者が生物全般に深い知識を持つが故の、思慮の深さの違いだろう
我々は『猫』と言えば、文字通りあの毛の生えた、体の柔らかい、「ニャー」と鳴く生き物を唯一想像するが、作者に見ているのは生物の系統図の一角を占める、猫と名付けられた作者は生物なのだろうと思う。
獣医師や生物学者のような視点で、猫を愛でるとこうなるのだろうか?
第1話:縁があればまた会える第2話:とりまと俺。そして無責任の終わり
第3話:愛を求めて旅立った猫
【目次】
1話~3話
1話|縁があれば、また会える
猫を拾うという行為は、人それぞれ違う意味を持っているのかもしれません。
私も作者と同じで、はじめてのときは、残念ながら苦い思い出。
子猫の飼い方、育て方を何も知らない、小さな子供の頃の話。
雨の中で拾った子猫を、納屋に連れて行って、ミルクをあげて……
あの子はどうなったのかな?
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2話|とりまと俺。そして無責任の終わり
過去を振り返ると、幾つも苦い思い出がある。
犬猫の飼い方、付き合い方も然りだ。
子供の頃、犬の平均寿命は3年程だった。
当時はどの家も、酷い飼い方をしていた。捨て猫の扱い方も酷かった。
今、当時を思う。
これから出会う子たちは、あの子たちの分まで、幸せにしてあげたいなあ。
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3話|愛を求めて旅立った猫
シリーズ3作目は少し趣向を変えて。
生物に造詣の深い作者の描く猫は、客観的で、まるで観察記のように見える。
かといって、無味乾燥かというとそうではない。 愛情があって、面白みに溢れている。 ああ、こんな猫の見方があるのか――
シートン動物記を思いだした。
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ここまでで一言
本作は3作で完結している訳ではなく、3作までしか書かれていません。
それはひとえに作者の多忙によりものです。
どうかまた続きが読めますように。
高栖匡躬
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作:はくたく
解説:高栖匡躬
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