猫の話をしようか

Withcat 猫と飼い主の絆について

【保護猫|多頭飼い】来る猫あり、去る猫あり ~猫宅のお話をしましょう(その13)~

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猫宅・44の物語 13話
今回のお話は:さよなら、チャー。さよなら、風

保護した直後のポッキー

撮影&文|女神 写真は、本話で登場するポッキー
 

さて、キングが猫宅の子になったのが5月。
続くときには続くもので、翌6月にはまた猫宅に住人が増えます。

その猫はある日、ポリスに連れられてやってきた、白黒ハチワレの子猫でした。
ポリスはいつも夜になると、私達が猫宅に行く頃を狙ってやって来ては、玄関先でごはんをもらおうと待っているのですが、その猫はどうやら、ポリスの後について猫宅に来たようです。

ポリスにご飯をあげようとした時、その子猫の姿が私の目に映りました。

 

六月(ムック)

手前にいるのが六月(ムック)
 

ポリスはご飯をあげると、さっさとそれを食べて立ち去るのですが、その子猫は違いました。私がキッチンで、猫宅のにゃんずのご飯を用意しているときに、何処かから鳴き声が聞こえてくるのです。それは、そのハチワレの子猫の声でした。

その子は私が玄関を開けると、なんの迷いもなく、すんなり猫宅の中に入ってきました。どこかでご飯を貰っていたのかもしれません。それほど痩せてはおらず、人懐っこい性格でした。

あまりにもすんなりだったので、そのまますんなり猫宅の子になりました。

「この子の名前は?」
6月に来た子。6月、6月・・・
――あっ!!、そうだ!!
六月と書いてムックと呼ぼう。

名前もすんなりと決まりました。

 

平成最期の晩餐

これは最近の猫宅の様子(平成最後の晩餐)
 

来るものもいれば、去るものもいます。

キングと六月(ムック)が猫宅に加わったのと同じ頃の事でした。
陸が猫宅を飛び出して行ってしまったのです。
陸は外猫ちゃー(本名:ちび茶)の子で、あずき、陸、空(くう)の3兄妹の内の一匹です。

それは、玄関の扉を開いた瞬間でした。
もしかすると陸は、外に出たくて、玄関で待ち構えていたのかもしれません。

慌てて捕まえようと、玄関を飛び出したのですが、運悪くポリスと鉢合わせに――
一瞬そちらに気を取られた隙に、陸はそのまま走り去り、帰って来なくなりました。

猫宅は来るときも続くのですが、去るときも、続くときには続きます。

本連載のその8で、外猫の風(ふう)が姿を消したことを書きましたが、それは陸の失踪の、たった3か月前のことでした。念のために復習すると、風はちゃーの子供で、華と雪の兄妹猫。そして麦、小麦、風子の母猫です。

雄猫に追いかけられ、逃げ回りながらもご飯を食べに来ていた風。
警戒心が強かったのですが、ようやく少しだけ触れるようになった矢先のことでした。その後、風は何日待っても戻って来ることはありませんでした。

この頃にはもう一つ、別れがありました。。
風が居なくなった頃 、風の母猫のちゃーがまた出産をしたのですが、それから1ヶ月が経った頃に、そのちゃーが、子猫と共に姿を消してしまったのです。

私はちゃーが心配になりました。
無事だろうか? 無事であれば、1ヶ月の子猫と一緒に居るはず。
実は私は以前に、ちゃーが出産した時、そおーっと後をつけてちゃーの秘密基地を探し当てたことがありました。そこは我が家の近くの、誰も使っていないようなコンクリートの壁でできた納屋でした。ちゃーは屋上に、後ろを気にしながら登って行ったのです。

当時はその納屋の中までは、確認していませんでした。
しかし私は、今回もきっとちゃーは、そこで子育てをしているに違いないと思いました。そこで一日に何度もそこに足を運んでは、「ちゃー、ちゃー」と呼びながら探しました。

けれどちゃーの姿も、子猫の鳴き声も聞こえてはきませんでした。

同じ時期に、猫宅の人数が増え始めるきっかけを作った、思い出深い外猫ちゃーがいなくなり、そのちゃーの子で、猫宅に子供を残した風もいなくなり、風の子のうちの一匹、陸もいなくなりました。

 

手当を受けたポッキー

きれいな体になったポッキー
 

その年の11月、私は家の周りで真っ白の子猫を見つけました。
しかしその子は、すぐに姿を消しました。

数日後の朝のことです。猫宅でご飯の用意をしていると、どこからか猫の鳴き声が聞こえてきました。

気になった私は、声のする方へ――
その声は2階の窓の向こうから響いていました。ベランダに出てみると、何とそこにはみすぼらしい猫が一匹座って居ました。ごみやら段ボールの切れ端やらを、身にまとっています。

よく見るとその子は、数日前に見かけた真っ白な子猫でした。体中がねばねばで、そこにゴミと段ボールが張り付いているのです。ネバネバと言えば、2匹目に保護した茶々を思い出しますが、その時より酷い状態でした。私の手では無理だと判断し、すぐに病院へ。

この子の当時の写真が、扉の1枚です。ネバネバでした。

夕方にお迎えに行くと、その子はキレイな身体になっていました。
男前の、イケにゃんです。帰ってきたときの写真が、上の写真です。

ライングループのみんなに紹介し、里親を探そうとしましたが、駄目でした。
何故なら私の周囲では、猫の好きなお宅には必ずと言って良いほど、3匹〜5匹、いやそれ以上に猫様が居るからです。

猫宅に残ることになったその子は、11月なのでポッキーと名付けました。

2匹が増えて、陸が減った猫宅。

とら、茶々、華、雪、天、月、あずき、空、みっけ、てっぺい、真白、ぱんだ、麦、小麦、風子、キキ、ララ、ムー 、彼女、四月、ミント、 オレオ、ラテ、モカ、ココア、チョコ、いちご、五月、キング、こぱん、バニラ、うさぎ、空(そら)。
そして、六月(ムック)、ポッキー

合計35匹です。
こうして、出産ラッシュだった2015年が終わろうとしていました。

 

今のミント

最近のミント
 

最後に、口内炎になったミントのその後を、お知らせしておきます。

ミントは1度注射を打ってもらうと、1ヶ月は順調よくご飯を食べてくれます。
でも、それからは食べたり食べなかったり。注射は最低2ヶ月は開けなくてはなりません。なのでその間はお薬で痛みを取りご飯を食べる。その繰り返しです。

猫は前後に動く事も大切だけど、上下の屈伸運動が必要であると知り、二段式のケージを購入し引っ越しをしてもらいました。

上から目線でみんなを見下ろすと言う立場になったミント。
今も病院通いとお薬で痛みを取りながら生活しています。口内炎は1度かかってしまうと完治が難しいようです。

現在のミントは、口内炎が治まって体調が良い時は、ケージの出入り口に身体をすり付けて外に出たそうにします。だけどもう一歩が踏み出せずです。時々みんながご飯を食べて自分に興味がない時に、勇気を出して外に出てきます。

そう言えば最近、ミントのことでちょっとしたハプニングがありました。

私が猫宅で、朝のご飯を皆にあげてからのことです。私はミントがケージの中に入っているものだと思い、いつものようにケージに鍵をかけて帰宅しました。しかし、その夜猫宅を訪れてみると、ミントがケージの中にいないのです。

何とミントは朝、ケージの外に出ていたようです。そして私はそれに気づかず、うっかりミントをケージから、締め出してしまったのです。

捕まえようにも、ミントは怖がって触らせてもくれません。
でも、暫くケージを開け放していたら、ミントは自分からケージに戻っていました。

ごめんね、ミント。

 

――今回の写真のご説明――
1枚目(扉):ネバネバでうちにきたポッキー
2枚目:自分から猫宅に加わった六月(ムック)
3枚目:最近の猫宅の1枚(平成最後の晩餐)
4枚目:ネバネバを取ってもらった六月
5枚目:最近のミント

● ● ●

猫宅の様子もどうぞ。

 

 ――つづく――

作:女神
 ▶女神:全作品のご案内
  

――次話――

44の物語、今回は一気に住人が増えたお話。
ふらりと猫宅を訪れるようになった、三毛猫がいました。
最初はご飯をもらいにくるだけだったのに――
上がり込むようになり――
帰らなくなり――
やがて、台所を占拠してしまいました。
その子の名はカール。
妊娠していました。 

――前話――

44の物語、今回も猫宅には波乱が――
まずは具合の悪くなったミントの続報。
それから、新しく加わったキングのお話。
そして――、何と!
出産ラッシュで子猫を産んだばかりの風子が、再び妊娠し出産。
何故? 
『女の子部屋』には鍵がかかっていたのに。  

まとめ読み|猫宅・44の物語 ③
この記事は、下記のまとめ読みでもご覧になれます。

週刊Withdog&Withcat
この記事は、下記の週刊Withdog&Withcatに掲載されています。

――この連載の1話目です――

44匹の猫が住む家、その名も『猫宅』
今日は保護した猫たちのために、専用の家『猫宅』を借りた飼い主さんのお話です。
1匹ずつに物語があって、今日はその猫宅住まいの最初の1匹目を保護した時のお話。
さて、44の物語、完成するでしょうか?

 猫宅のまとめ読みです

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