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雨の船出と、渡し船から見えたもの ~第1章・銀の鈴(3/7)/虹の橋の猫~【猫の絵本】

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虹の橋の猫 ―愛と絆と永遠の物語―
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イラスト&文:水玉猫
 

虹の橋の猫 ―愛と絆と永遠の物語―

虹の橋の猫 ―愛と絆と永遠の物語―
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イラスト&文:水玉猫
 
イラスト&文:水玉猫
 

降りしきる雨の中を、猫の乗った渡し船は、虹の橋へと出発しました。

船は、猫がこれまで地上で住んでいた家の上に、差し掛かりました。

猫が船から身を乗り出して見下ろすと、台所の窓に明かりが灯り、人の影が動いています。

「おかあさんだ!おかあさんが、ごはんのしたくをしているんだ」

猫は恋しさのあまり、渡し舟から飛び降りて、住み慣れた地上の家に戻ろうとしました。

でも、渡し守が猫を船の中に引き戻し、静かに首を横にふりました。

猫は、船の床に突っ伏して、わっと泣き出してしまいました。

猫の耳の奥で、地上のみんなの声が聞こえてきました。

みんなが話す声。

みんなが笑う声。

おかあさんが、猫が大好きだった歌を歌っている声も聞こえてきました。

猫はハッとして、顔を上げました。
でも、歌っていたのは、渡し守でした。

船は空高く上がり、猫のいた地上の家は、もう、どんなに目を凝らしても見えませんでした。
 
――銀の鈴/虹の橋の猫(第3話)・つづく――

作:水玉猫
 ▶水玉猫:猫の作品
 

――次話――

――前話――

まとめ読み|虹の橋の猫 ①
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週刊Withdog&Withcat
この記事は、下記の週刊Withdog&Withcatに掲載されています。

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