猫の話をしようか

Withcat 猫と飼い主の絆について

【無口な猫】猫は鳴くものだと思ってました ~二人に舞い降りたものは何?(8/11)~

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私の空、マナ 18話
私の空、マナ_爪切りと甘噛み

撮影&文|あおい空
 

このお話を読んでくださっている方は、私の人間像をどうお考えでしょうか?
自己分析をするならば、私は恐らく、とても外ヅラが悪い人間であります。
無口で……

私は堅い会社に勤めていて、しかもその中でも顧客情報を扱うとりわけ堅い部門にいます。職場は外ヅラ云々以前に、誰かと話しができる環境ではない。
そんな所に何年も勤めていると、無口にもならざるを得ないのではあります……

そんな反動もあって、私はアパートに帰ると「マナ~!マナにゃ~ん!マにゃ~!」と、かなり内ヅラが良い人間に変身します。

さて、ネコさんは鳴くものと思っていた若葉マークの同居人でしたが、飼い主のテンションに対して、マナは小さく高い声で「ふにゃん」と一言で終わり。
とにかく声を出しません。

ご飯の催促で鳴き声もなし、トイレしたのお知らせの鳴き声もありません。
アパート住まいだとそれは良い事なのですが、ちょっと寂しすぎます。

人間対人間の場合ですと、相手が自己主張してくれた方が、気を遣わないですむこともありますよね。無口な人といると、相手が何したいのか全然わからずに、勝手にこちらが気を遣って、一方的に話したりして。

私の家系の男性陣などは無口な人が多いらしくて、母はいつも「黙っとると、何を考えてるかわからない」と私に言っていたことを思い出します。

そんな感じで、いつも私はマナに気を遣っているわけです。

以前に、保護ネコのサラリーマンさんのお話を書きましたが、そのサラリーマンさんは、ネコさんが名前を呼んでも、返事をしてくれないことが多いようで、淋しい顔で「○○と呼んだら、返事してほしいんですよね」とおっしゃいます。

それを聞いた私は『ネコさんが名前を呼んだら返事をしてほしい?』『そんなに難しいことなの?』と思いました。

マナはそうではありません。呼ぶと毎回ではありませんが「ふにゃん」と鳴いてくれることの方が多いです。ならばマナは、まだ良いほうかもしれません。

私の家は犬派だったので、昔から犬は家にいたのですが、私にとってネコというのは未知の存在でして、いわば宇宙人に近い感覚でした。

『ネコの要求や気持ちは、鳴き声だけでわかるのてはない』
そんなことが分かるようになったのは、最近のことです。

 

ポシェットの中のマナ

犬の話をしたので、思い出したことがあります。

まだ私が小学生だった頃、チビという名前のネコがいたことがあります。
チビは雄の白黒のネコでした。庭の木に上ったり、ピピピっと尻尾を上げてオシッコをかけてマーキングをしていました。今は家ネコという言葉があるとおり、室内飼いをしている方が多くなりましたね。でも当時は今と違っていて、チビは家と外を自由気ままに出たり入ったりしていました。

ある日、学校から帰ると母が下顎を糸でグルグル巻きになっているチビを抱っこして、何か食べさせていました。

チビが車に跳ねられたことを近所の人が知らせてくれ、病院につれて行ったところ、下顎の骨が砕けていると診断されたということでした。糸がグルグル巻きになっているように見えたのは、ケガをした下顎を縫合した跡だったのです。

口がほんの少ししか開けらず、自力でものが食べられなくなったチビに、母はどのようにしてごはんを食べさせたのでしょうか?

恐る恐るチビを抱いている母に近づいて見てみると、茶碗から卵黄をスプーンですくってチビの口に流し入れていました。

その後、幸いにもチビは全快しました。傷痕もわからなくなったし、食事も普通に食べられるようになりました。交通事故に会う猫は以前から多いと聞いていましたが、まさかチビがと思いました。

猫は車のライトが見えても、絶対に引き返さずに猪突猛進の如く、ただ前に走るので車も避けようがないという事は聞いていましたが、実際はどうなのでしょうか?
検索してみましたが、驚いて立ち止まってしまうという説が多いように思えます。

また、マナと暮らし始めて、もしかすると猫は案外視野が狭いのではないかと感じたことがあります。

調べてみるとそれは、どうやらそれも違うらしいのですが、その時に『猫が光を見ると、どのように見えるのか?』という記事も見つけました。そこには『私たちの目には連続した光として見える蛍光灯やテレビ画面も、猫の目にはチカチカした点滅に見えていると考えられます』と書かれていました。

それから私は、マナには絶対にフラッシュをたいて写真を撮ることはしないでおこうと思いました。人間でもフラッシュを見たり、太陽を見るならば、その後しばらく見えにくくなります。記事に書かれているように、猫がチカチカした点滅に見えるのならば、光を直接見ることは耐え難い苦痛を与えると思いました。

芸能人がインタビューなどでフラッシュか一斉にたかれる映像を何度かテレビで見ましたが、そんな感じでしょうか。

交通事故に話しを戻しましょう。ネコさんにとっては自動車は危険過ぎます。
親は学校に行く時、子供に「いってらっしゃい、車に気をつけてね」と言いますが、
車に気をつけてという言葉が私の口からマナに言うようになるのですが、その事は次のお話で。

マナと暮らし始めた9月から、記録的大雪になった冬の季節もそろそろ春へと近づいてきました。

 

――二人に舞い降りたものは何?(8/10)つづく――

作:あおい空
 ▶あおい空:記事のご紹介
構成:高栖匡躬、樫村慧

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週刊Withdog&Withcat
この記事は、下記の週刊Withdog&Withcatに掲載されています。

――この章の1話目です――

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