虹の橋の猫 ―エピローグ―
虹の橋へと旅立った雉白(きじしろ)もようの猫から、地上への道の途中、たくさんの思い出を引き継いだ仔猫――
今は、どうしているのでしょう。
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あの子は、地上に生まれて間もなく、母猫から引き離され、捨て猫になってしまいました。
でも、すぐに、雉白もようの猫の飼い主だった人に出会うことができました。
雉白もようの猫のおかあさんだった人が、仔猫のおかあさんになってくれたのです。
仔猫は、今ではすっかり大きくなり、虹の橋に行った猫の弟として、幸せに暮らしています。
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窓の外には、雨上がりの虹が架かっていました。
隣の部屋では、おかあさんが歌っています。
「ニャア」
弟猫は窓から離れ、急いで、おかあさんのところに行きました。
おかあさんは走ってきた猫を見て、笑いました。
「プーちゃんも、おにいちゃんとおんなじ、この歌が、本当に好きなのね」
おかあさんがまた歌いだすと、弟猫も尻尾で拍子をとりながら、ミーミーと歌いはじめました。
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弟猫は歌いながら、いつか自分も虹の橋へ旅立つ時が来たら、この幸せな思い出を誰かに渡そうと、思うのです。
そして、虹の橋に着いたら、兄さん猫といっしょに、この歌を歌おうと思うのでした。
――虹の橋の猫(エピローグ)・おしまい――
作:水玉猫
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――前話――
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この記事は、下記のまとめ読みでも読むことが出来ます。
この記事は、下記の週刊Withdog&Withcatに掲載されています。
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――第2章のはじまり(第8話)です――
――この物語の第1話です――
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保護猫のお話です
活動家に保護された猫、夕(ユウ)。
幸せに暮らしていた夕は、ある日リンパ腫の診断をうけてしまいました。
家族の引っ越しで置き去りにされたクララは、野良猫の茶太郎と出会います。
やがて一緒に保護された2匹ですが――
虹の橋の記事です
良く知られた虹の橋。しかし意外に知られていないことがあります。
出典:
本作品は、下記のオリジナル版を作者の水玉猫さんと共に改稿したものです。