猫の話をしようか

Withcat 猫と飼い主の絆について

【リンパ腫|闘病記】乳腺種? 手に触れたのは、いくつもの小さな塊でした ~リンパ腫と判明するまで(1/4)~

【関連コンテンツ】

「その日」がくるまで生きようず!
f:id:masami_takasu:20171211170657j:plain文:miyakonokaori (本記事は2013年に執筆されたものです)

2013年の夏は、まさに酷暑と呼べるもの。

これまでも猫さんは、夏になると家の中で最も涼しいところを探しあて、そこでごろりと寝転がっていました。

今年もお気に入りは寝室のベッドと窓辺の隙間。
クーラーは嫌いなので、風には当たりたくないのです。

いつもと変わらない夏の猫さんでした。
と言っても、私はしばらく実家にいましたので、その間、猫さんといっしょにいてくれたのは、同居人・Aちゃんでした。

私もAちゃんも、家での仕事をしています。
つまり、どちらかは必ず猫さんのそばにいるという状態でしたが、
そんな私たちでさえ、この夏の猫さんの変化については
「毛玉を吐く回数が増えたかな」「食欲も少し落ちているかな」程度にしか考えていませんでした。

9月末、猫さんは朝方に一度、吐きました。
そのときは毛玉が混じっていましたし、抜け毛もあったので、
「やっぱり毛玉がたまっていたのか。ブラッシングさぼったな、Aちゃんめ」
と思いつつ、ブラッシングをしました。
が、その翌日も嘔吐。そのときは胃液のような泡だけ。
これまでも何回か吐いたことはあったので、今回もそれほどのこととはとらえていなかったのですが、
一日に一度だったのが、二度、三度と吐くようになりました。

「これはちょっと様子がおかしいな」
そう思って、ネットで調べてみましたが、このときも私は夏バテ程度にしか考えておらず、何を食べさせるべきかを検索していました。

そんなとき、猫さんがひょいと膝に乗ってきました。
私がパソコンに向かっていると、たいがいこうやってひょいと乗ってきます。
「よしよし、かわいいねぇー」
いつものように撫でていると、猫さんも満足そうにくるんとひっくり返り、おなかをあらわにしました。

そのおなかを撫でていた時でした。
ポコポコと、小さな塊がいくつも手のひらに触れるのがわかりました。

「え…うそ…なにこれ…」

その瞬間、スッと背筋が凍ったのを、今もはっきりと覚えています。

そのときの私は、「乳腺腫瘍」を疑っていました。

 

f:id:masami_takasu:20171212084524j:plain

「避妊手術の麻酔から目覚めなかった」という話をいくつか聞いたこともあり、
避妊手術をさせたいと思いつつ、延び延びになってしまったことで、
こうなってしまったんだろうか、と悔やみました。
まだ病院に行く前から、不安と後悔とで眠れず、その日は朝を迎えました。

動物病院が開いたら、すぐに電話して連れて行こうと決めたものの、
さて、どの病院へ行こうか…。

そろそろ避妊手術をと考えて、いくつか近くの病院を候補に入れていましたが、
まさかこんな形で、と思いつつ、ブックマークしていた第一候補のS動物病院のHPを開きました。
口コミなども調べて「ここなら任せたい」と思い、
以前にも避妊手術の相談の電話をいれた病院です。

ですが、その日は定休日でした。

翌日に延ばすか、それとも、今日どこかに連れて行くか。
Aちゃんとも話し合い、
「とにかく今日、連れて行こう。信用できないと思ったら、明日S動物病院へ行けばいい」
とまとまり、再度検索開始。

どこもピンとこない中、まだできたばかりでほとんど情報のない動物病院・EペットクリニックのHPがヒットしました。
ただ、できたばかりとはいえ、以前からやっている病院の分院とのことで、
そちらのHPも併せて見てみると、設備もちゃんとしているし、先生たちの評判もとても良かった。

「ここにしよう」

迷っている時間はなかったので、即・電話をしました。
出たのは看護師の女性でした。
動揺して要領を得ない私の説明を、根気よく聞いてくださり
「今日、連れてこられそうですか? 猫ちゃんが落ち着いたらいらしてください。お待ちしています」
と優しい声で言って、猫…ではなく私のほうを落ち着かせてくれました。
「あ、ではすぐに行きます。たぶん15分ぐらいで着くと思います」
と言うと、看護師さんは、引き続き優しい声で、
「わかりました。ではお待ちしています。お名前、よろしいでしょうか?」
と尋ねました。
「猫のですか?」と私が訊くと、若干の当惑をにじませて「あ、いえ…お母さまの」。

そりゃそうだ!なんで猫の名前だと思ったんだろう、私は!

「ここに決めた。行くよ」

Aちゃんにそう宣言して、振り返ると、Aちゃんはすでに臨戦態勢。
猫のキャリーも用意してありました。

バクバクと音を立てる心臓を抑えつつ、猫さんをキャリーに入れ、
Aちゃんと二人で大急ぎで通りに出てタクシーを拾い、病院へ。
車内では「乳腺腫瘍かも」という話をしたような気がしますが、
動転していてほとんど覚えていません。

とにかく、大きな病気ではありませんように…
そう祈りながら、病院の扉を開けたのでした。


これが、2013年9月25日のことです。

 

――【リンパ腫】リンパ腫と判明するまで(1/4)・つづく――

文:miyakonokaori

――次話――

――前話――
(この連載の1話目です)

――リンパ腫に関して(犬猫共通記事)――

リンパ腫は飼い主さんが気付くことが多いのです。
時々体を触ってあげてください。

まとめ読み|抗がん剤治療 - 病院の扉を開けたとき
この記事は、まとめ読みでも読むことが出来ます。

週刊Withdog&Withcat
この記事は、週刊Withdog&Withcat【2018.2.18版】に掲載されています。

――他の闘病記です――

※本記事は著作者の許可を得て、下記のブログを元に再構成されたものです。

© 2017 Peachy All rights reserved.