文:miyakonokaori (本記事は2013年に執筆されたものです)
翌日、Eペットクリニックの担当のI先生から電話があり、
病理検査が早ければ月末には出る、遅くとも10月1日には判明するはず、とのこと。
とにかく診てみましょう、となり、猫さんを連れていった。
そのときの猫さんの様子は、前日のぐったりぶりとは打って変わって、ニャーニャー鳴いているし、
隙あらば診察台から降りようとするやんちゃぶり。
先生も「いい目をしていますね」と微苦笑していました。
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私もAちゃんも、ここへきて迷いはじめました。
「ひとつレスキューが減る」というのは、かなり大きな代償です。
早ければあと2日で出る診断を待たずに、見切り発車することが
はたして猫にとって最善なんだろうか…。
幸い、猫は今日になって随分と気力を取り戻してくれているし、
うーん、どうするべきなんだろう――
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I先生からリンパ腫と確定したあとの、プロトコールの説明をうけました。
選択肢は二つあって、ひとつは「UW25」という、25週にわたるスケジュール。
もうひとつは「COP」という、もう少し短いもの。
効果は、薬剤が強い分、前者のほうが高いという。そして、治療費もかかるそうだ。
先生に「うちの猫はどちらが適切だとお考えですか」と訊くと、
まだ若く、体力も気力もある猫なので、「UW25」をお勧めする、ということ。
「少しでも長くいっしょにいたい」という気持ちが強かった私たちは、
「UW25」を選択する方向でまとまりましたが、
今日、見切り発車の弱い抗がん剤を打つと、
このプロトコールの開始が一週遅れる、ということになります。
もし診断で別の病気だとわかった場合の負担を考えると、
プロトコール通りの抗がん剤を今打つことはおすすめできない、とのことで、
どちらかを選ばなくてはならなくなりました。
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診断の結果を見て、それから適切なプロトコールを組んだほうが、
今慌ててひとつレスキューを失うより良いのではないか、
私とAちゃんはロビーでそんな話をしました。
私はキャリーのふたを開け、猫さんの顔を見ました。
病気になる前と同じ、力強い目をしています。
これなら待てるかな…
そう思ったものの、最後の決断ができなかった私は、
先生に「待てそうでしょうか」と、訊いてみました。
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先生は「いい目をしていますし、気力もあります。待てると思います」と、
背中を押してくれました。
とにかく診断の結果が届いたらすぐにご連絡します、治療についてはそれから話し合いましょう、と言われ、
私たちは病院をあとにしました。
――【リンパ腫】リンパ腫と判明するまで(4/4)・おわり――
――次回より、第1クールの話です――
文:miyakonokaori
――次話――
(1クール目)
――前話――
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この記事は、まとめ読みでも読むことが出来ます。
この記事は、週刊Withdog&Withcat【2018.2.25版】に掲載されています。
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――この章の1話目です――
――この連載の1話目です――
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――出典――
※本記事は著作者の許可を得て、下記のブログを元に再構成されたものです。