猫の話をしようか

なかなか聞けない猫の話。こっそりおしえる猫の話。

【子宮蓄膿症】【ホルモン剤(発情抑制)】猫の場合は、なかなか気が付かないことも ~妊娠と間違われた例~

ここは『ハナちゃんの動物病院』です。

今日は子宮蓄膿症のお話です。犬と違って、猫の場合はなかなか気が付かない事もあるんですよ。ホルモン剤(発情抑制)のメリット、デメリットを交えて説明します。
(注:手術の写真が含まれます)

f:id:masami_takasu:20171105145158g:plain撮影&文:ハナちゃんママ

今回の猫ちゃんは、飼い主さんが避妊手術を希望されて来院されました。
しかし、お話をお聞きするとその猫ちゃん、数年前に他院で首の部分にホルモン剤を埋め込んでいます。

これは避妊手術をやらず、発情・妊娠を避けるという方法です。
普通はこれで、2~3年は妊娠が避けられるはずです。

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これがホルモン剤

 

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皮下にある白い棒状の物体わかるかな~

飼い主さんによれば、今回その猫ちゃんは、妊娠してしまったかもしれないとのこと。
おなかが大きくなったからということでの来院でした。

ホルモン剤の効果が切れて妊娠しちゃったのかどうか?
お腹はパンパンに大きくて、もしも妊娠ならば、すぐにでも産まれそうな様子――

しかし、陰部のあたりが汚れていて分泌物があります。

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お腹を触診すると、子宮の中には赤ちゃんらしきものはなく、柔らかく液体が溜まっている様子です。

結局、子宮の中に膿が溜まる子宮蓄膿症でした。

この病気には良く出会いますが、なぜか猫ちゃんたちは、この病気でも元気も食欲もあって、飼い主さんも気が付いていないことが多いんです。
ワンちゃんなら、食欲も元気も落ちて吐き気もでちゃうのにね。

今回は、陰部から膿がでていたので、飼い主さんもおかしいと思ったのかもしれません。

さらに、猫ちゃんの血液検査をしてびっくり!!

白血球が82200/ml

すごい高い値がでました。
猫ちゃんの正常値は、6000~13000/mlくらいです。

※以下、手術の写真が載っています。苦手な方は、閲覧にご注意を。

手術で、膿の溜まった子宮と卵巣を摘出しました。

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子宮は膿が溜まり、パンパンに膨れています。

子宮がきちんと摘出できれば大丈夫。

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こんなにお腹もぺったんこになりました。

体調が回復するまでしばらく入院治療になりそうです。

ホルモン剤(発情抑制)
注射のタイプと、体に埋め込むタイプがあります。
両者とも、黄体ホルモンの作用で偽妊娠状態にし、発情を抑制します。
副作用として子宮内膜炎、子宮蓄膿症、乳腺腫瘍になる確率が高くなります。

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ハナちゃんママからアドバイス

私は、避妊手術の代替えとしてホルモン剤を使用することは、お薦めしたくありません。将来は出産させたいが今は産ませたくない、そんな時に一時的に行うものだと思っています。

そして一時的使用の場合は、出産させる事が可能になった時には、ホルモン剤を摘出し て下さい。

ホルモン剤の使用は両刃の剣で、メリット・デメリットがあります。
繰り返しになりますが、避妊手術の代替えとして、安易に考える選択肢ではないと考えています。

――編集部より――
ここでご紹介したものは、病気を疑ってみる初歩的な知識です。もしもご家庭のワンちゃん、ネコちゃんに該当する症状があったら、すぐに動物病院を受診なさってください。

皆様の愛犬、愛猫の健康を祈って
――いつもやさしい、ハナちゃんママの動物病院はこちら――
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まとめ読み|ハナちゃんの動物病院 ①
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週刊Withdog&Withcat
この記事は、下記の週刊Withdog&Withcatに掲載されています。

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――出典――

※本記事は著作者の許可を得て、下記のブログを元に再構成されたものです。