撮影&文:三毛ランジェロ
我々、保護活動をしている者の多くは、猫の完全室内飼いと同時に避妊去勢をお勧めしています。
もちろん、「そんなことをして可愛そう」とか、「家の中から出さないから大丈夫」という方もおられると思います。
しかし、避妊去勢をしない場合、以下のようなリスクがあることを知っていて欲しいと思います。
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メスの場合
1.メス特有の病気を予防できる
乳腺腫瘍(乳がん)、子宮内膜炎や子宮蓄膿症など病気の発生率を下げることができます。
また、卵巣そのものを取り除くため、卵胞嚢腫(らんぽうのうしゅ:卵巣に液状のものが溜まり腫れてしまう疾患)などのような卵巣におきる疾患を予防することができます。
2.望まない妊娠を避けられる
避妊手術していないメス猫は、大量の子猫を出産する可能性があります。手術をしないまま屋外に出したりすると、飼い主さんが知らないうちに妊娠して、知らないうちに子どもを産んでしまうことが良くあります。
飼い主さんの知らないところで生まれてしまった子猫は、保健所へ連れて行かれ、そのほとんどが殺処分されてしまう運命です。
避妊手術をすることは、殺処分を減らすことにも繋がるのです。
3.発情期のストレスを軽減できる
発情期がなくなるため、性的なストレスが軽減されます。
また、発情期に伴っておきる問題行動(独特の大きな声で鳴くなど)を抑制することもできます。
オスの場合
1.オス独特の行動を抑えることができる
猫はなわばり意識が非常に強い動物です。
オスの場合、なわばりをめぐって他のオスと喧嘩をすることも多いのですが、去勢手術をしたオスは、攻撃性が比較的なくなり、喧嘩をあまりしなくなります。
また、猫の本能である放浪癖やスプレー行為(尿マーキング)などの改善も期待できます。
メスと一緒に飼われている場合は、マウント行為も軽減されます。
ただし、これらの行動については、かなりの割合で抑えられると言われているものの、猫によっては効果が少ない(ない)場合もあります。
2.オス特有の病気を予防できる
精巣を取り除くため、精巣腫瘍を予防することができるだけでなく、前立腺肥大などの前立腺疾患の発生率を下げることもできます。
また、オス同士のケンカが少なくなることで、猫免疫不全ウィルス感染症(猫エイズ)や猫白血病ウィルス感染症などの感染症リスクを下げることができます。
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避妊・去勢のデメリット 生殖機能を取り除くため、もちろん子どもを産むことは術後できなくなります。
また、全身麻酔をかけて手術をしなければならないため、麻酔のリスクがあることも頭に置いておかなければなりません。
尚、エネルギーの消費量が低下するため、太りやすくなる傾向があります。
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手術に適した時期には、 避妊手術の適切な実施時期については諸説ありますが、はじめての発情を迎える前に手術を受けさせることが望ましいと言われることが多く、一般に生後5~8ヶ月齢が目安とされています。
オスの場合は生後6~10ヶ月齢くらいが目安となります。
――了――
文:三毛ランジェロ
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この記事は、まとめ読みでも読むことが出来ます。
この記事は、下記の週刊Withdog&Withcatに掲載されています。
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