「その日」がくるまで生きようず!
文:miyakonokaori (本記事は2013年に執筆されたものです)
さて、火曜日がやってまいりました。通院日です。
朝、猫さんをキャリーに入れて、タクシー待ちをしていると、吐く息が白い…
秋は短いなあ。
おしっこの回数が少ないことや、トイレに行っても戻ってきてしまうことがあることなど、いつものように、先生に機関銃のように話す飼い主。
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血液検査の結果、BUNが少々高め。
でも、クレアチニンのほうは正常値。
先生は、猫さんの首のうしろをつまんで、パッと離す。
猫さんの皮膚はのろーっと戻っていきます。
「脱水ですね」
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ああ、やっぱり…
こまめにシリンジで水分を与えないとダメかー。
スープタイプのごはんをよく食べているのと、朝晩のキラキラ水素を溶かした水を与えていたので、ちょっと油断しちゃったなぁー。
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そして先生がこのとき言った言葉が、今の私の支えになっています。
「ただ、この子は、とても肝臓が強いんですよね。それで随分助けられていると思います。」
そうなのです。
猫の抗がん剤治療プロトコールは、抗がん剤といっしょにステロイドも服用します。
このステロイドはかなり効果があるのですが、その分、肝臓にダメージを与えるそうで。
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そして、このステロイドの副作用に「多飲・多尿」というのがあるんですが、
うちの猫さん、まったくそれはナシ。
だって、それどころか、飲まなさすぎて「脱水」ですよ…。
下記がいつもの血液検査の結果です。
(カッコ)内は猫の基準値です。
PCV【赤血球率】 25 (32~45)
WBC【白血球数】 120 (55~195)
RBC【赤血球数】 503 (550~1000)
ヘモグロビン 7.6 (8~14)
血小板数 63.8 (30~80)
総蛋白 5.0 (5.4~7.8)
リンパ球 9360 (1500~7000)
やっちまったーーーーー!! と思いましたね…
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抗がん剤を打つのに必要なのは「分葉核好中球」。
これが、こんなに少なくってしまったのは、「骨髄抑制」がかかったと考えるべきだろう。
好中球
好中球は5種類ある白血球の1種類で、3種ある顆粒球の1つ。中性色素に染まる殺菌性特殊顆粒を持つ顆粒球である。盛んな遊走運動(アメーバ様運動)を行い、主に生体内に侵入してきた細菌や真菌類を貪食(飲み込む事)殺菌を行うことで、感染を防ぐ役割を果たす。
出典:Wikipedia
骨髄抑制:白血球減少
がん治療の副作用によって骨髄の働きが低下している状態をいいます。血液は、骨の中にある骨髄でつくられていますが、この骨髄が抗がん剤の影響を受けると、血液細胞をつくる機能が低下し白血球・赤血球・血小板が減少し、貧血などが起こります。
この白血球減少は、ほとんどの抗がん剤で出現する副作用です。
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ただ、ギリギリ打てる数値なので、今回も投与決定。
「シクロフォスファミド」は、膀胱に影響がでやすくなる抗がん剤です。
なので、今回も脱水の点滴と抗生剤の点滴をお願いすることにしました。
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「やっちまったー」ってこんな感じ?
うん、ほんとそんな感じだYo…
でも頑張ろう。
――【リンパ腫】2クール目(2/7)・つづく――
文:miyakonokaori
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この記事は、下記の週刊Withdog&Withcatに掲載されています。
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――出典――
※本記事は著作者の許可を得て、下記のブログを元に再構成されたものです。