インタビュー:画家|呑山政子 (聞き手)樫村慧
撮影:呑山政子
前回に引き続き、居酒屋『魚三』からお届けします。
皆さん、お気づきかもしれませんが、折角、有名な『魚三』に行ったというのに、料理の写真がありません。
どうしてか?――
撮り忘れただけです。お話と料理に夢中になっていて、すっかり撮影を忘れていました。でも、食レポの記事じゃないんだし、まあいいかってことで。
さて、インタビューの続きです。
これがピッピちゃんの相棒? のミントちゃん。
ジャックラッセル・テリアのこと知っていました?
”飼いにくい犬”の代表選手なんですよ。
――以下、インタビュー――
Q.ミントちゃんのことも教えてください。
糸井重里さんの『ほぼ日』を読んでいて、サイトにブイヨンちゃんのコーナーがあって、それを読んでいて、ジャックラッセルを飼いたくなった。
その前から、犬を飼おうと思って探していて、色々と犬種の候補がいたんだけれど、段々と絞られてきた。
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JRTをどうやったら飼えるかと思って、色々なサイトを覗いていたら、ブリーダーでなく個人で飼ている人が、自分の家で生まれた子を紹介していて、この子が良いと思ったの。
他のところは20万くらいなのに、ミントのところだけは10万を切って9万円だった。何でそんなに安いんだろうと思ったら、そこのお父さんが血統書を無くしてしまっていて、無いっていわれて。うちは血統で飼うわけでは無いから、ここでいいやと思って、そこの家を探して会いにいった。
ミントちゃんは、いつも元気一杯。
あ、女の子です。
Q.血統書を無くしたって、本当にブリーダーさんじゃないんですね。それが本業だったら、商売道具みたいなものなのに(笑)。大らかでいいですね。
その家は、バレエ教室をやっていてね、広い敷地に小さい子犬が、ワラワラいっぱいいた。その家は、古い家を、犬専用にしたようなところだった。
で行ってみたら、どの子も皆飼い主が決まっていたんだけれど、一匹だけ決まっていなくて、その子が何と、私の膝に乗りに来たのよ。
それで、運命かなって。
犬の飼い主って、運命好きよね。
私、運命と思って、すぐその場で、「この子にします」って。
それがミントだった。
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そこの家には、お母さんのマーシャがいて、お父さんもいて、お父さんの弟もいたし、子犬もワラワラいたし。
子犬って、飼い主が決まっても、しばらくは引き渡さないでしょ?
きちんとそれを守っているところだから、信頼できた。
ミントのお父さんは10kg、お母さんは6kg。
壁一面のCD。
前編のお話にあったやつですね。
Q.犬の方は、ミントちゃんが初めてなんですか?
ううん、犬の方もそうではないの。子供の頃に飼ったことがあった。
私にはやっておきたいことが幾つかあって、その1つが犬を飼うこと。
何故かと言うと、子供の頃に親にねだって、雑種の子を飼ったのだけれど、すぐに飽きてしまって、自分で面倒をみなくなってしまってね。
ずっとそれが心残りで、いつか自分で子犬から迎えて、看取るまで面倒を見ようと決めていたのよ。
さっきも言ったけど、犬種は色々候補があって、ブルテリアもゴールデンも興味があった。でもお座敷犬はいやだった。
JRTは飼いにくいので評判で、皆から反対されたけど、飼いにくい方がかわいいじゃない。で、今に至る。
いたいた、ピッピちゃん。
Q.ピッピちゃんは、最初からミントちゃんが苦手だったのですか?
そうなのよ。もう怖がってねえ。
ミントが来る前に、リビングにケージを用意して、ミント用のベッドも用意していたら、ピッピは興味津々でそこに入って寝たりしていたんだけれどねえ。
ミントが来てみたら、ミントが吠えるでしょ?
吠えられるのが我慢できなかったみたい。それを乗り越える事ができなかった。
最初はピッピをリビングに連れて来て、なるべくミントと一緒にいれる機会を作ったんだけど、でもピッピは必死でそこから逃げるから。
うちは、外(庭)に逃げ場があるしねえ。
もう仕方がないと思った。
大作は、こんな風に立てかけて保管。
Q.ピッピちゃんにお話を戻しますね。今はピッピちゃんは健康ですか?
健康なのかなあ? まあ、病気はしませんね。
子供のころは虚弱で、一度に多くは食べられなかったのにね。体重は計っていないけれど、4キロには行っていない気がする。ずっとそれをキープ。
うちの歴代の猫たちの中で、長生きしたのは、ミーとピッピ。
ピッピは虚弱な猫だったのに、一番長生きをしている。
臆病なのがいいのかもね。
こういうのは、画家っぽいって言うんです。
乱雑と言ってはいけません。
呑山さんは、どこに何があるか、把握していると……
Q.最後にもう一つ質問をさせてください。ピッピちゃんとミントちゃんへの、呑山さんの想いを聞かせてください。
ピッピとミントか~
どちらも、大切な愛する家族の1員ですけどね。
――でも、ほんのちょっと違うかな。
まずミントはね、やんちゃな孫って感じです。
「遊んで欲しい」
「どこにでも一緒についていきたい」
「いつでも家族の温もりに包まれていたい」
ミントは自分のしたいことや、嫌なことを、なんでもワンワン主張する。
わたしと夫は、可愛い孫の相手をするような気持ちで、ミントと過ごす日常を楽しんでいます。
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で、ピッピはね――
ピッピの見つめる目は、「お母ちゃん好き」って語っているようです。
猫はあまり、人の目を見つめないと思うんだけれどね。ピッピはま~っすぐな愛情で、じ〜っと私を見つめるんだよね。
その眼差しに、わたしは いつもちょっと切なくなるんです。
ピッピの愛に、充分応えてあげてないなあってね。
ミントを家に迎えた時から、ピッピはリビングで寛げなくなってしまってね。
ソファーに座る私の膝の上で、丸くなって眠ることができくなっちゃったなあ……
なんていった思いがね〜 色々浮かんじゃうわけです。
でも、今できることの最善を尽くして、ピッピとミントの愛に応えていきたい!
そう思っています。
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今日はインタビューにお付き合いいただき、ありがとうございました。
初めて呑山さんにお会いしたのは、犬繋がりのオフ会でした。それ以来、何度も美味しいお食事とお酒をご一緒させていただいています。
お会いする度に、柔らかい雰囲気と朗らかな心で私を包み込んで『カッシーなら大丈夫』と言って下さる呑山さん。画家さんとしてはもちろん、ひとりの女性として、私のお手本となる素敵な方です。また近いうちに、大好きなビールで盛り上がりたいなぁ。
『猫のいるアトリエ』なんて、絵の下手な私でも憧れる夢の空間です。その夢の空間で作品と向き合う呑山さんは、やっぱりカッコイイですよねぇ。
じゃあ、またねピッピちゃん。
――猫のいるアトリエ(後編)・おわり――
インタビュー:樫村 慧
――呑山政子さんのブログはこちら――
――前話です――
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この記事は、下記の週刊Withdog&Withcatに掲載されています。
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