「その日」がくるまで生きようず!
文:miyakonokaori (本記事は2013年に執筆されたものです)
そんなこんなで、火曜日がやってまいりました。
今日は血液検査が大丈夫なら「ドキソルビシン」投入の予定です。
それにしても、前日まで元気いっぱいな様子だったのに、
火曜の朝になると、いつもぐったりとなる、うちの猫さん。
キャリーに入れると「あ…行ってくれるのね…ゲホッゲホッ」とでも言っているような、
それはそれは、はかなげな様子になります。
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まあ、たぶん、ただ単に眠いだけなんでしょうけどね。
朝の9時なんていったら、いつも猫さん的には真夜中といっていい時間ですから(飼い主もな)。
案の定、病院へ着いたら、それなりに暴れなさった。
血液検査のための採血の注射も、一度ではうまく採れませんでした。
脚を替えて、ようやく採れましたが、猫さん、やや興奮気味。
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そんな猫さんをキャリーへ戻して、ご機嫌をとりつつも、
なんとなく「血管が細くなっているのかな」と不安になりました。
そして今日の血液検査の結果が出ました。
(カッコ)内は猫の基準値です。
PCV【赤血球率】 25 (32~45)
WBC【白血球数】 61 (55~195)
RBC【赤血球数】 506 (550~1000)
ヘモグロビン 7.0 (8~14)
血小板数 47.2 (30~80)
総蛋白 5.4 (5.4~7.8)
リンパ球 3212 (1500~7000)
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正直、「なんで!?」と思いましたね…。
元気そうに見えるのに。
いつもより食べていたのに。
おしっこもうんちも順調になっていたのに。
好中球の数値が、特に厳しい…。
抗がん剤を入れるのには、ギリギリといっていいレベルだ。
そんな日もあらぁーな
うん、そうだね…
でもたぶん今回は数値も良くなっているだろうと思っていた飼い主は、やっぱり凹むよ…
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猫さんを預けて、帰宅の道、まっすぐ帰れなかったもんなぁ。
病院の最寄りの駅のほうまで、「なんでかなぁ」と考えながら歩いた。
頭の中は不安でいっぱい。
今日のドキソルビシン、耐えられないんじゃないか――
そんなことまで考え始め、いつ緊急の連絡が入るかと何度も携帯を見てしまう。
不安だらけの午後を過ごし、猫さんをお迎えにいく時間に。
今日はI先生が午後はセミナー出席のため不在になり、代わりに院長先生が引き渡しに。
「さっき点滴外したばかりですので、まだテーピングしてます。30分後に外してください」
と言われ、キャリーを覗くと、猫さんが生気のある大きな目でこっちを見ていました。
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その目を見た時、
「あー、私は何をくよくよ考えていたんだろう」
と思えて、モヤモヤはすべて吹っ切れました。
生きようとしている命を前に、マイナスの心配ばかりしたところで前進はない。
できることをやるしかないんだ。
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院長先生には、ひと月ほど前にも一度引き渡しをしてもらったことがあるのですが、
そのときはAちゃんがひとりでお迎えに行ったため、私は初対面です。
が、院長先生は、
「以前、診たときより随分腫瘍が小さくなりましたね。特に後ろ脚が。効いていますよ、大丈夫」
と、しっかりうちの猫のことを覚えていてくださいました。
そして「小さくなっている」という、うれしい言葉。
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午前・午後はべこべこに凹んでいた飼い主ですが、調子に乗りやすく切り替えの早い魚座・B型です。
とにかく「腫瘍は小さくなっている」「抗がん剤は効いている」、これを喜ぼう。
明日から、しっかり水分とサプリを摂らせ、来週こそいい結果を!と決めました。
まあ、しっかり頼むぞ!
なんか上から目線な気がするけど、頼まれたからには頑張りますぜ!
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本日のお会計
あわせて、¥27,513円
飼い主はフリーランスの身、いつまでこれができるかな、という経済面の不安もありますが、まあ、あれだ、
「なるようになれ」だ。
明日は明日の風が吹く。
人生楽ありゃ苦もあるさ。
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もしこの先、続けていくのが厳しいなーとなったときには、
生まれが私と同じ誕生日であり、『日本一いいかげんな男』という異名をとった、
かの植木等師匠の言葉を思い出そう。
そのうち何とか、な~るだろう~♪
――【リンパ腫】2クール目(7/7)・おわり――
※3クール目に続きます。
文:miyakonokaori
――次話――
――前話――
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この記事は、下記の週刊Withdog&Withcatに掲載されています。
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――この章の1話目です――
――この連載の1話目です――
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――出典――
※本記事は著作者の許可を得て、下記のブログを元に再構成されたものです。