撮影&文:ボスのかあちゃん
~うちの子がうちにくるまで No.4~
愛猫を家に迎えるまでの葛藤を、飼い主自身が、自分の言葉で綴ったエッセイのシリーズです。
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私、実は猫アレルギーなんです。
でも小さな頃から動物が大好きで、捨て猫を拾っては鼻水を滴し、引っかかれてはみみずばれを作っていました。
そんな私と、愛猫ボスの出会いは、H8年4月08日のこと。
ボスは、実家で飼っていた『萌』が産んだ子でした。
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当時私は仕事を辞めて、東京から実家に戻っていました。
そろそろ生まれるという頃になって、私は家族から、衝撃的なことを告げられます。聞けば実家ではこれまで、仔猫が産まれるたびに…川に流していたというではありませんか。
それを聞いた私は、激怒!
急遽、里親探しをすることになったのです。
実はその時、『萌』の娘猫も同時に身ごもっていました。
私は、出産前の親猫達にこう言いました。
『今回は仔猫は取り上げないから、安心して産んでいいからね。約束するから』
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私の言葉は通じたのでしょうか?
それから不思議な事がおきました。
親猫達が私に、仔猫が産まれるところを見せてくれたのです。
娘猫にいたっては、産まれると私を呼びにきて――
ツンデレな子だったので、びっくりしました。
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こうして4月8日に4匹、4月13日に4匹が誕生したんです。
感動でした。今でもはっきり覚えてます
――でも、
さすがに、サンバさんするとは思ってもいませんでした。
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さて、里親探しですが――
8匹ともなると、大変でした。
最初に捨てたらダメと言い出したのは私。その手前、私が1匹引き受けるのは当然の流れ。
そしてその1匹が、私のボスというわけです。
他の子たちはどうしたかというと――
当時は妹が、書店で仕事をしていたので、そこに張って里親さんを募ったんです。
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これがお母さんの『萌』
2匹の子育て風景💛
これが産まれたてのボス💛
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あなたは人一倍大きかったよね、ボス!
ボスの名前の由来はもちろん、兄弟の中で一番大きかったからです。
産まれたその日に名づけました。
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こうして3ヶ月の子育て後、ボスは私の元へ。
幸いにも、残りの仔猫も里親さんがみつかりました。
そして――
ここから、私の猫アレルギーとの戦いが始まったのでした。
さて、それからのこと――
一緒に暮らしていた妹も、一匹飼う事になったので、私と妹とボスとロイの4人の生活が初まりました。
ボス覚えてる? ロイと一緒に海に行ったこと。
二人ともビビって、しがみついて砂浜に降りられなかったね。
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そういえば、こんなことも――
仕事から帰ってくると、鳴き声は聞こえるのにどこにも姿がない‼
――と思ったら、二人してカーテンレールの上で、降りられなくて待っていたり。
「いないなあ」と思ったら、二人して隠れていて、私に向かって飛びかかったり。
あの頃は、ボス――
あなたがかあちゃんの左脇、ロイが右脇に顔埋めて3人で寝たね。
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そして私は、ボスと暮らすためにアレルギー対策で病院に通いました。
子供のころみたいに、鼻水とくしゃみと涙がひどくって、ボスに引っかかれては、みみず腫れでしたから。
薬をもらったり注射をしてもらったり。
半年ほどかかったったでしょうか。
でも、慣れるものなんですね、人間って。
――それから1年後、私はボスを連れ札幌へ。
置いてきたロイには、かわいそうなことをしたと、今でも後悔です。
ここから、ボスとの2人暮らしが始まりました。
2人暮らしになってから、あなたは一層甘えん坊になったねボス💛
かあちゃんが仕事から帰ると、毎日ストーカーさん。
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ボスが構ってほしくてつきまとうのに、私はいつも「ちょっと待ってね、ちょっと待ってね」って言いながら、パタパタしてた。
そうしたら、ボスはいじけてしまって、ご飯の前でオシッコを。
流石にあれは、怒れなかった。
ボス、待たせちゃって、ゴメンね。
4年後には、ボスにとうちゃんができました。ボスが5歳のとき――
男の人が大嫌いだったのに、1週間で仲良しに。
これには、私もビックリしました。
初日はとうちゃんに、『シャアー!!』していたのに。
ボスはそれまでも、かあちゃんちの子だったけれど、ここからは、かあちゃんと、とうちゃんちの子になったんだよね。
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それからボスは、大きな病気もなく、平穏な平和な毎日が16年続きました。
かあちゃんはね、ボス――
それがこれからも続くと、当たり前のように思っていたんだよ。
――ボスがうちの子になったのは・おわり――
~うちの子がうちにくるまで No.4~
猫の名前:ボス
猫種:雑種
飼主:ボスのかあちゃん
▶ 作者の一言
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~犬や猫と暮らすあなたへ~
『うちで飼えるかな?』
『きちんと面倒を見られるかな?』
犬や猫を、”はじめて”飼う時、ほとんどの方はこう思ったことでしょう。平均年齢でいえば15年も生きる小さな命を預かるのだから当然ですね。その葛藤を乗り越えて、我々は犬や猫と暮らします。
毎日が楽しいですか?
――きっと楽しいですよね。
だって、犬を飼うこと、猫を飼うことは、喜びに満ちていることだから。
どうか忘れないでほしいのです。その楽しさを手に入れる前に、我々はものすごく大きな決心をしたのだということを。
そして、どうか自信を持ってほしいのです。
その決心が、ずっと我々を支え続けてくれるのだと。
いつか、その子を送るときが来たとしても。
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――うちの子がうちにくるまで・次話――
猫-5|おいで
毎日、仕事帰りに、ニャーニャー鳴きながらついて来た子猫がいました。
ある雨の日、私は濡れたその子猫を拾い上げました。
『おいで』と名付けたその子は、賢くて、生きる事を楽しんでいるようでした。
しかし……
――うちの子がうちにくるまで・No.3の前編です――
猫-3-1|ボンちゃん
思わず笑ってしまうほど個性的な猫、ボンちゃん。
そのボンちゃんが、ゆきねーさんのお宅に来た理由もまた個性的。
まずは出会いの話から。
どうやってうちに来たの? ボンちゃんの名前の由来は?
――とても笑えるお話です。
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この記事は、下記のまとめ読みでも読むことが出来ます。
この記事は、下記の週刊Withdog&Withcatに掲載されています。
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――出典――
※本記事は著作者の許可を得て、下記のブログを元に再構成されたものです。