ボスの旅立ち
~ボスを残しての入院~
具合の悪いボスを置いて、入院をしなければならなかった私――
予定は3週間――
その間は、主人が頑張ってくれました。毎日ラインで、ボスの様子を報告してくれて、今日はこれを食べた、あれを食べた。うんちもしたぞと。
時には動画も送ってくれたりしました。まるで我が子のように。
――いえ、我が子のようではなくて、我が子ですね。
毎日仕事をしながら週2回の点滴に通い、食べそうなご飯を買い、急いで家に帰る。
家では何種類ものご飯を準備し、ボスが食べてから自分のご飯。
それから急いでお風呂に入って、高濃度のミルクと腎臓のサプリをあげる。
その後も、2時間おいて吸着剤。
私が入院中は、全てを主人が一人でやってくれました。
すると、それに応えるように、
ボスも日に日に元気を取り戻していったそうです。
●
でも、主人が家に帰って来るたびに、ボスは主人の後ろを覗き、『かあちゃんは?』っという顔をしたのだそうです。
それを聞かされ私は大泣き。
「ボス、ボス、ボス……」
頭がの中は、毎日ボスのことでいっぱいでした。
当初医師から3週間と告げられた入院ですが、リハビリ期間が延びて、1週間から10日は必要ということになってしまいました。。
しかし、私はボスの事が心配でたまりません。
「もう離れているのは無理!」
看護師さんに根回しをしてもらい、先生と掛けあって、毎日リハビリに通う条件で、予定通り3週間で退院させてもらいました。
●
退院当日は、早くボスに会いたい一心で、早くから準備をして、主人が来るとすぐに荷物を持って病院を後にしました。
「ボス、ボス、ボス!」
「待っててね、かあちゃんすぐ帰るからね」
そう、ぶつぶつ言いながら。
●
家に着きくと、第一声はもちろんこれ。
「ボス ただいま! 母ちゃん帰ってきたよ!」
「寂しい思いさせてごめんね。 母ちゃん帰ってきたよ」
ボスは嬉しそうに、私に体を寄せてきました。
そして弱々しい声で「おかえりおかえり母ちゃん」と言うと、何度も何度も擦り寄ってくれました。
こんなに甘えたボスを見るのは、初めてだった かもしれません。
私は泣きながら、「ごめんね ボス」と言いました。
ごめんね――
母ちゃんいてあげられなくてごめんね――
帰ってきたからね――
もう大丈夫だよ ボス――
「ただいま」
「ただいま」
何度も、そう言いました。
ボスはかすれた弱々しい声で、一生懸命お迎えしてくれました。
――ボスの旅立ち(2/10)つづく――
文:ボスのかあちゃん
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※本記事は著作者の許可を得て、下記のブログを元に再構成されたものです。