ボスの旅立ち
~いつもと一緒がいいんだよね?~
9月 23日~10月2日|いつも通りに
9月 23日から私と主人は、いつも通り仕事に行きました。
そして帰ってくると、ボスに元気に話し掛けました。
『ボスただいまぁ~、今日はお利口にしてた?!』
先生に言われた通りに いつも通りの声で。
そして、 少しでも水を飲むと、
『 ボス偉いね、お水飲んで』 と
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ですが――、心の中は、言葉とは裏腹です。
今日一日は頑張ってくれたけれど、明日はどうだろうかと思うのです。
でも、不安な顔を見せちゃいけない。泣き顔を見せちゃいけない。
こうして1日1日を大切に過ごし 、予定通り9月30日の、栄養補給 静脈点滴の初日を迎えました。
もうこの時、ボスは歩けませんでした。でも歩きたかったんだと思います
横になりながら 歩くんです。
一生懸命腕だけで、主人の方まで行くと訴えかけるんです。
はじめ主人は、ボスがどうしたいのかわからなかったようでした。
しばらくして主人は、『この体勢か? こうしたかったんだな』と言いました。
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とうちゃんは、ボスのお尻を支えて、上の写真のように――
これはボスが、いつもしていたポーズです。
きっとボスはいつもと同じように、家族3人で普通にリビングでくつろぎたかったんだと思います。
さすが父ちゃん、ボスの言うことわかるんだ。すごいね!
9月30日、10月1日、10月2日|点滴の日
朝9時から夕方6時まで、3日間点滴を頑張りました。
家では歩けないくせに、病院に行くと自分でお出かけ籠から出て、強がって――
きっとボスは、私たち以外の人間に弱っている姿を見せるのが嫌だったんだと思います。
強いで、ボス 強い。さすがお兄ちゃん。
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10月3日|不眠の日々が
静脈点滴を頑張って終えたボスは、自分のベッドの中に入り、ぐったりしていました。でもどこか楽になったような感じで、赤ちゃんのようにぐっすり眠りにつきました
これで少しでも楽になってくれたら――
そう思いました。
後、私たちがボスにしてあげられることは何だろう?
これでよかったんだろうか?
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この日から、私の不眠の日々が始まりました。
一瞬たりとも ボスから目を離したくない。ボスのすべてを目に焼き付けていたい。ボスの仕草、ボスの吐息を感じていたい。そう思いました。
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私たちが寝るときは、主人と私の間にボスを寝かせて、ボスが寝るまで撫で続けました。
ボスのほにゃ顔、可愛かった。
――ボスの旅立ち(6/10)つづく――
文:ボスのかあちゃん
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※本記事は著作者の許可を得て、下記のブログを元に再構成されたものです。