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【保護団体/里親/雑種だって】保護施設から迎えた子は幸。幸福の幸 ~我が家の猫のお話をします(その3)幸~

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我が家の猫のお話をします 3代目の猫は幸(こう)
f:id:masami_takasu:20181125105037j:plain撮影&文:鬼嫁.com

キムチがいなくなってからの私は、一人でいる事に日々違和感を感じていました。
最初に迎えた和、二代目のキムチとの暮しを経験し、猫は私の人生に欠かせないものになっていました。猫との別れのつらさよりも、猫が居ない事の方に耐えられなくなっていたのです。

そんなある日のことでした。
私は同僚から、
「 ペットショップで売れ残った子達は、どうなるか知ってる?」
と訊かれました。
「 殺処分ってどうされるか知ってる?」
とも――

聞きたくもない話を聞かされたのですが、聞いた直後から涙が止まりませんでした。
何の罪も無い子達が人間の勝手で殺される事に、やり場の無い怒りで体が震えたの覚えてます。

それからです。ペットショップやブリーダーが大嫌いになりました。
もちろん、善良な人達もいるでしょう。しかし私には同僚から聞かされた話が、あまりにも衝撃的でした。赤ちゃんを産まされるだけの犬や猫ちゃんが、どんな劣悪な環境で生きているか――、それを想像するだけで胸が苦しくなりました。

それから私は、動物の保護に関心を持つようになりました。
そして、もしも次に猫を飼うならば、里親を探してる子達にしようと思いました。

それからも、私の心の違和感は日々大きくなっていきました。
そしてネットで、保護猫を検索するようになりました。もちろん検索は、次の子を探す為です。

その時の私にとっては、すぐに飼うかどうかは別として、次の子を探すと言う、前向きな行動をすることに意味がありました。

 

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そんなことをしているうちに、私は『猫の幼稚園』と言う保護団体が、すぐ近くにあることを発見しました。
「どんな子達がいるんだろう?」
そう思いました。

そして私は思い切って、その『猫の幼稚園』に見学に行くことにしました。
私が保護に対して、実際に行動したのはそれが初めてのことでした。

『猫の幼稚園』は、あるマンションの1室にありました。
猫をこよなく愛してらっしゃる女性が代表で、そこでは保護猫達を大切に保護してらっしゃるのが一見して分かりました。

そこでは、たくさんの猫好きさんが保護猫ちゃん達と楽しそうに遊んでいて、猫ちゃん達ものびのびしてました。ボラさん達も親切な方ばかりでとても雰囲気の良い所でした。

私は初めて保護猫ちゃん達を見て、ただただ可愛いくて、猫に囲まれ幸せでした。
最初の子の和も、二代目の子のキムチもアメショですが、それはたまたまのことです。

元々血統書やブランドなど気にした事もありませんでしたので、私は保護猫ちゃんだって――、血統書なくたって――、雑種だって――、可愛いやん!
と、心から思いました。

三代目となる子に会ったのは、2度目にそこに行った時だったと思います

運命の様な物は感じませんでしたが、私が育てなきゃ!と思いました。
それは、少し和の赤ちゃんの時に顔が似ていたのと、その子がとても可哀そうな境遇にあったからです。

その子は生後3カ月くらいで、小さな体で必死で生きていて、車に轢かれそうになった所を保護されたのだそうです。保護当時は猫風邪をひいており、目ヤニで片目が癒着していたとのことでした。ボラさん達は病院で治療をしてくれていましたが、まだ治療途中でした。

私がその子を抱っこしていたときのことです。
ボラさんの一人がとても悲しそうな声で、こう呟きました。
「やっぱり難がある子は、ダメなのかしら」

その子は、皆さんの努力にも関わらず、なかなか里親さんが見つからなかったのです。

次の瞬間、私は思わず、
「この子私が引き取ります、片目開いてなくたって可愛いですやん!」
と言っていました。もちろん本気です。

その子を保護したボラさん達が泣いて喜んでくださったのは、今でも忘れません。

幸運に恵まれて保護された大切な命です。
「私が大切に育てなあかん! 絶対幸せにする」
そう心に誓いました。和とキムチにしてあげられなかった分を、この子に全部愛情注ごうと思ったのです。

名前は『幸(こう)』にしました。

余談ですが、キムチがまだ生きていた時、私はある男性とお付き合いしていました。
その男性は猫は嫌いではありませんでしたが、好きでもありません。
キムチが亡くなる少し前から、会わなくなっていていたのですが、キムチが亡くなった時も後も側に居てくれず、私の愛情は冷え冷えに。

そして三代目の幸を迎えたと事後報告したら、すんごい切れて「直ぐ捨てて来い!
俺と猫どっちが大事やねん!」と――

当然私は「猫です!」 と言って、その男性とはスッパリ別れました。

 

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私の大切な幸――

しかし幸は2年前に突然死してしまいました。
帰宅して「ただいま」の挨拶をし、ご飯の用意をしていた数分後のこと。
部屋から物凄い倒れる様な何かの音がし、駆けつけたらぐったりしていて、もう手の施しようが無くそのまま逝ってしまったのです。

実を言うと、和と幸のことを書くには勇気がいりました。
もっと早くからいろいろ気を配ってあげてれば、和と幸は病気しなくて良かったのかなと、今も後悔の気持ちが残っているからです。

その時の事を思い出すと、恐怖と悲しみで過呼吸気味になるので、普段はなるべく考え無い様にしてました。しかしいつまでも逃げていては、和も幸も可哀そうだと自分を奮い立たせました!

書いて見てどうだったか――
改めて和にも幸にも感謝する事ができました。

きっと私と同じ経験されてる方も、たくさんいらっしゃるのではないでしょうか。
だから、同じ経験した人がいるんだ、自分だけじゃないんだと分かれば、それぞれの方の傷が少しでも癒えるのではないか思って、このエッセイを書きました。

私の文章がそう言う方達との、ご縁のきっかけになれば嬉しいなと思っています。

――写真――
2番目の写真:私の足の間が大好きだった幸
3番目の写真:私のお腹の上で甘える幸 

――我が家の猫のお話をします(その3)つづく――

作:鬼嫁.com
 

――次話――

――前話――

まとめ読み|我が家の猫物語 / 鬼嫁.com
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週刊Withdog&Withcat
この記事は、下記の週刊Withdog&Withcatに掲載されています。

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