猫の話をしようか

Withcat 猫と飼い主の絆について

【閉尿/尿毒症】医療現場での試行錯誤 ~尿道カテーテルの工夫~

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ここは『ハナちゃんの動物病院』(猫版)です。

今日は尿毒症のお話です。

閉尿から、尿毒症を起こしてしまった猫ちゃん。危険な状態なので、手術をし寧といけません。そこで、ママがカテーテルの工夫をします。

専用の医療器具がないときは、獣医さんはありあわせのもので工夫をするんだよ。
ハナのママってすごーーい。でしょ?

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撮影&文:ハナちゃんママ (この記事は2016年の6月に書かれたものです)
 

尿閉(尿づまり)の猫ちゃんが入院しました。

入院までの経過としては、血尿がでたり、オシッコの出口をなめていたり、膀胱炎らしい症状があったようです。

元気も食欲もあったので、様子をみていたそうです。

そして、数日後に尿閉(オシッコが詰まってしまうこと)となり
食欲なし、嘔吐という尿毒症の症状となりました。

尿道にカテーテルを入れて
膀胱の中の尿を排出し、膀胱洗浄します。

血液検査の結果にびっくり、これは2日前(6月6日)のデータです。

(検査結果)
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腎機能の数値が、機械の測定領域をふりきってしまっています。

BUNの数値は、正常値10~30のところ、180以上とでています導入時に用いられます。
CREは、正常値0.3~2.1のところ 17.9 とかなりの高値です。

尿がでないことで、腎臓に負担がかかってしまっていました。

点滴をして、どんどん尿を出し、この数値を下げるように治療をしています。
でも、尿道にカテーテルを入れたままにしていると、尿が垂れ流しの状態となり、いつでも、びしょびしょになって、体が冷えてしまいます。

体を拭いてドライヤーで乾かしています
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それで、尿道の出口に点滴のチューブと点滴のパックをつなげ、尿がパックに溜まるようにしてみました、これで濡れなくてすむでしょう?

この猫ちゃんはあまり歩きまわらないので、カテーテルが抜けないと考えました。

このように
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試してみると、オシッコはパックに溜まりますが、長いチューブを通りパックに溜まるには圧力が必要なようで、膀胱の中にも相当な尿が残ってしまうようです。
この方法はダメみたいです。

それでまたスーと尿がカテーテルから流れ出て体を濡らさない方法を考えました。
尿道カテーテルの先端に注射器の外筒を付けて、太目のカテーテルに繋ぐだけ、

できるだけ体から離した所で尿が排出させるので体が濡れません。

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こんな感じです

オシッコもでるし
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体から離れた所に尿がでるので体は濡れません

本日(6月8日)の血液検査のデータです
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だいぶ良くなっています

■読者からのコメント:
猫ちゃん、辛そうですね。
ハナちゃんが心配そうに見守ってるのが素敵です。
オチッコが出ないなんて、こんな小さな身体にどれだけの負担なんでしょう。
カテーテルもきついでしょうね。
どんな病気も嫌ですね。
■ハナちゃんママからの回答:
コメントありがとうございます。
何でもそうですが、早期発見早期治療が大切だと思います。
飼い主さんから、離れ、入院し、嫌な治療を続けている猫ちゃんの気持ちは、どんなに不安で恐怖か、、、、、
我々がどんなに頑張っても、飼い主さんにはかないません。
今朝の血検の結果は良くなっていますから、早く、退院させてあげたいです。

ハナちゃんママからアドバイス

猫ちゃんの泌尿器症候群は、本当に多い病気です。そして、尿道が詰まってオシッコが出ないとと命にかかわります。

調子が良いとついつい油断してしまい、処方食やサプリメントをやめてしまう飼い主さんがとても多いので、心配が絶えない病気です。

治療もその猫ちゃんの状態に応じて、さまざまな工夫や努力をしています。
でも、一番大切なのは、飼い主さんによる予防なのです

【Withcatより】ここでご紹介したものは、病気を疑ってみる初歩的な知識です。もしもご家庭のワンちゃん、ネコちゃんに該当する症状があったら、すぐに動物病院を受診なさってください。

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週刊Withdog&Withcat
この記事は、下記の週刊Withdog&Withcatに掲載されています。

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※本記事は著作者の許可を得て、下記のブログを元に再構成されたものです。

 

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