猫の話をしようか

Withcat 猫と飼い主の絆について

【保護活動/多頭飼い】突然、風(ふう)がやってきた ~猫宅のお話をしましょう(その 8)風と麦、小麦、風子~

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猫宅・44の物語 8話
今回のお話は:風とその子供、麦、小麦、風子
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撮影&文|女神
 

今回のお話に入る前に、空の子供たちがどうなったかについて触れておきます。

空の子は次の4匹です。
真っ白でオッドアイの子が、真白
毛がふわふわした三毛猫が、みっけ
頭のてっぺんに少しだけ黒い模様があった子が、てっぺい
目の回りが黒いハチワレの子が、ぱんだ

最終的には44ニャン+外猫のお話なので、時々整理しないとこんがらがってしまいますからね。

この4匹の子供が生まれてから、2か月が過ぎた頃のこと。
私の猫友が、猫宅にやって来ました。
目的はその4匹の身の振り方を決めるためです。具体的には終の棲家となる里親を見つけてあげたいと思っていました。

猫友は4匹をじっと眺めると、長毛のみっけだけは手放さずに猫宅の子として育て、あとの子達は里親を探そうと言いました。みっけを残すのは、私が長毛の子がすきだと知っていたからだと思います。

 

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そんな経緯で、私と猫友は3匹の里親探しを始めました。
しかし譲渡先はなかなか見つかりません。私たちの思いつく先は、もう既に里親になっています。もう1匹というのは、なかなか難しいのです。
我が家のように、44ニャンに膨れ上がらせる猫飼いさんは例外中の例外でしょう。

そうこうしているうちに、子猫はすくすくと育っていきます。
みんなかわいい盛りです。

ある日、絨毯を掃除する為にブラシを床に置いて違う作業をしていた時、みっけがそのブラシを咥えて階段をひょこひょこかけ登って行きました。
その姿が余りにかわいくて、私はこの子達を引き離すのは可哀そうな気がしてきたのでした。

結局、4匹とも猫宅に残ることになるのですが、それはみっけが私にアピールしたからです。

最近のみっけはと言うと、もう怖いものなしで、寄りかかる男どもを片っ端から猫パンチで撃退し、時には追いかけ回したりしています。

今思えばみっけは、小さい頃から女王様気取りだったような気がします。
ブラシを咥えて歩く姿は、他の子とは違って見えて、人間で言うなら背筋をピンと伸ばした立ち居振る舞いです。ふさふさのしっぽを真っ直ぐ上に向けて歩いく姿は凛としていて、その姿は大きくなった今でも同じです。

 

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空の子4匹が加わって12匹となった猫宅。
それからは、何事もない平穏な日々が訪れた――
かに見えたのですが、そうではありませんでした。

それからそう時間をおかずに、外猫の風が子猫を連れて、家の自宅の回りにやって来たのです。覚えていますか? 風はちゃーの子供で、華と雪の兄妹猫です。
空もまた同じ頃に、妊娠していたのです。

私と娘は、またまた保護作戦を立てました。
しかし風は、前にも書いたように、ちゃーより警戒心が強くて、当然ながらその風に守られている子猫も、思うように捕まえる事ができませんでした。

どうすれば上手くいくか?
私はお腹の空いてる朝の時間を利用してご飯を入れた茶碗を持って猫宅の玄関の前に置きドアを開け入るのを待つことにしました。

子猫は大人の猫に比べ警戒心が弱いので、お腹が空いていると、食べ物に夢中になります。それを利用することにしたのです。

手順はこうです。
先ず私が家の中に入ります。そして中からごはんの入ったお茶碗を出します。 そして少しずつ少しずつ家の中へと誘導します。そして、扉を閉めて捕獲をします。

これは上手くいきました。

ちゃーの時もそうでしたが、親猫というのは、子供が1匹ずついなくなるとそれほど大騒ぎはしないもののようです。自然の中にいると、そういうことはよくあることなのでしょう。きっと親猫にとっては、残った子供を守ることの方が、大事なのだと思います。

 

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子猫だけでなく、母親の風も捕獲してあげるつもりでした。
しかし風の警戒心は相変わらずで、触らす事も許してくれません。

私は根気よく、ご飯を与え続けました。
そのうちに少しだけ、前頭をなぜさせてくれたことがありました。 余程お腹が空いていたんでしょうね。食べることに必死でした。

風はちゃーよりもご飯を食べに来る事がなかったので、それまでは触れ合う機会がありませんでした。もしかしたら来ていても、私が気づかずに、すれ違っていたのかもしれませんけれど。

そうやって段々と、私は風の信頼を得ていたのでした。
しかし、上手くいかないものですね。やっとほんの少しだけ距離が縮まったと思ったところで、風は私の前から姿を消してしまいました。

さて、風の子の3匹ですが、

茶トラの子を、麦
三毛猫のような子を、小麦
白黒のハチワレを、風子

と名付けました。これで猫宅の住人は15匹になりました。

● ● ●

ここまで書いてきて、気が付いたことがあります。

よくよく考えてみると、もしかしたら風の出産は空より前だったかもしれません。
空の出産前に、風が子猫を加えて安全な場所を探しているのに、鉢合わせてしまった記憶があるのです。

まさかそのころは、こんな風に44匹の物語りを書くことになろうとは思いもせず、記録をつけていませんでした。

まあ、これもまた猫宅44匹のエピソードの1つとして、ご容赦ください。

――今回の写真のご説明――
1枚目(扉):小麦
2枚目:みっけ(女王様気取りの1枚)
3枚目:麦
4枚目:風子
※母猫の風は、外猫なので写真がありません。

● ● ●

最後に、最近の猫宅の写真もどうぞ。
猫団子です。

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作:女神
 ▶女神:全作品のご案内
  

――次話――

44の物語、今回は外猫、”彼女”のお話。
ボス猫の”ポリス”、連れられていた母猫、”彼女”は、ある日子猫3匹を連れて猫宅に来ました。
子猫を育てる場所として、猫宅を選択したようでした。
子猫は育ち、猫宅の子になりました。
しかし、”彼女”はどうしたか――

――前話――

44の物語、今回は外猫ちゃーの子供たちの話。
ちゃーが5匹の子を連れて、ごはんを食べに来るようになりました。
保護したいのですが、2匹は交通事故に。
猫には厳しい環境です。
結局3匹を保護。
1匹は自分からやってきましたが――
これで合計9ニャン。

まとめ読み|猫宅・44の物語 ②
この記事は、下記のまとめ読みでもご覧になれます。

週刊Withdog&Withcat
この記事は、下記の週刊Withdog&Withcatに掲載されています。

――この連載の1話目です――

44匹の猫が住む家、その名も『猫宅』
今日は保護した猫たちのために、専用の家『猫宅』を借りた飼い主さんのお話です。
1匹ずつに物語があって、今日はその猫宅住まいの最初の1匹目を保護した時のお話。
さて、44の物語、完成するでしょうか?

――これまでの猫宅のお話です――

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