「その日」がくるまで生きようず!
文:miyakonokaori (本記事は2014年に執筆されたものです)
「その日」は3月12日でした。
「そのとき」は午前10時12分。
愛猫ソーニャ、永眠しました。
兵庫県出身のロシアンブルー、あと3日で8歳でした。
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生前最後の写真がこれになりました
前日の朝です。
しっかりとした目をしていましたし、
窓のサンにも自分からのぼろうと頑張ってました。
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旅立つときには、ヘタレかーさん相手にこの子はどんな選択をするんだろう、と常々思っていましたが、猫さんは最期を看取らせてくれました。
飼い主さんたちのブログで、こんな感じかなと予想できていたので、取り乱すことなく、しっかりと最後まで声をかけて、送ってやることができました。
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今朝のことを記します。
朝方までご機嫌にベッドで眠っていましたが、私たちが起きだしたころから、にわかに呼吸の音が大きくなってきました。
急いで酸素室へ入れましたが、ちょっといつもと様子が違うなと思っていました。
それでも仕事へ行くAちゃんのトイレにまでつきあいましたので、Aちゃんはまだ今日がその日だとは思っていなかったようです。
私もいつものように獣医さんへ連れて行く気でいました。
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急変したのはAちゃんが出て行ってからでした。
9時35分ぐらいでしょうか。
触られるのを嫌がり、吐きそうな様子の呼吸に変わりました。
その状態がしばらく続いたあと、口で息をするようになりましたので、
私は「ああ、そのときがきたな」と思い、Aちゃんにメールをしました。
それが10時頃です。
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Aちゃんから「一度帰る」「頑張れ」と返信があったので、
それを猫さんに見せました。
「Aちゃん、帰ってくるよ。それまで頑張ろう! ほら『頑張れ』って!」
すると猫さんは一瞬、フッと頭を持ち上げました。
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その後、頑張ったのですが、猫さんが立ち上がって、口をカッと開けました。
「あ、きたな」とわかりました。
猫さんの体を支え「頑張ったね。ありがとね。大好きだよ。頑張ったね」と言い続けていると、そのまま動かなくなりました。
時間にして、ほんの1分足らずだったと思います。
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あっという間に、旅立ちました。
10時12分でした。
本格的に苦しくなってきてからは、わずか10分程度。
途中でちょっと楽になりかかったときもありましたから、実際にとても苦しかったのは、口を開けてからの1分ぐらいだったと思います。
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闘病以上に苦しいであろう「死」ですから、どれだけこの子が苦しむんだろうと、悲しい気持ちでこれまで過ごしてきたのですが、実際の「そのとき」は、実にあっぱれなものでした。
そりゃ、苦しみは0とはいきませんでしたが、ここまでの闘病を考えたら、安らかに逝けたと言えると思います。
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できる限りいっしょにいて、最期はなるべく苦しまずに――
これが私たちの望んできたことです。
その望みは叶いました。
ありがとうございました。
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以下、頑張った猫さんの、今のこの世での姿を公開します。
ほんとに眠っているような穏やかな姿でいてくれていますが、そうはいっても遺体なので見たくない方もいらっしゃると思います。
その場合は、ここでそっと閉じてくださいませ。
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今の猫さんです。
Aちゃんが野の花を一輪、摘んできてくれました。
春に天使になった、この子にふさわしいと思います。
ありがとう
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もしよかったら、お顔も見てやってください。
とてもとても穏やかでかわいいんです。
生きているみたいですよ。
苦しまずに旅立ってくれたことが、わかっていただけると思います。
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Aちゃんは看取りに間に合いませんでしたが、数時間前までいっしょに過ごしてる中で、なんとなくお別れなんだなというのは感じていたそうです。
まさかこんなに急だとは思っていなかったようですが……。
それほどまでに、昨日はご機嫌だったので。
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それにしても、こんなにきっちりとふたりに孝行して、旅立っていくとは!
おかげで、私たちのなかには、そりゃあ、めちゃくちゃ悲しいし寂しいけれど、何の後悔もなく「すごすぎる、この子は」とただただ尊敬しか残ってないですよ。
涙はなかなか止まりませんが、この子のおかげで後悔がないので、やがて笑いながら、この子の武勇伝を語れるときがくると思います。
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出会えてよかったです。
この子がうちに来てくれてよかったです。
たくさんの喜びと幸せをくれました。
闘病生活の中でさえ、与え続けてくれました。
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明日はしっかりとお別れをしてきます。
心配なく、先に天国へ行って、お友達とたくさん遊んでくれるように。
しばらく遊んでゆっくりしたら、また私たちのところへ帰ってきてほしいです。
そのときは、絶対に見つけます。
私たちとは7年と10ヶ月、いっしょにいてくれました。
長いとはいえませんが、充実した時間でした。
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ありがとう、ソーニャ
また会おうね
――【リンパ腫】緩和(14/14)・おわり――
本話で闘病記としての「その日」がくるまで生きようずは、おしまいです。
『天使の章』に続きます。
文:miyakonokaori
――次話――
その日がくるまで生きようず!111話
次日から数回、天使の章です。
旅立った猫さんとの、最後のお別れの日です。
一日雨の予定でしたが、さすがは晴れ猫、朝だけ雨が止みました。
「ちゃんと間違えないで、あっちに行くんだよ」
猫さんがふっと微笑んだような気がしました。
――前話――
その日がくるまで生きようず!109話
3月12日10時12分
ソーニャ「そのとき」を迎えました。
――とても短い1話。
「後悔はない」と作者は語ります。
「その日」をどう迎えるのかは、飼い主が選択できるのです。
そんなことを教えられる闘病記。
――こちらもどうぞ――
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この記事は、下記のまとめ読みでもご覧になれます。
この記事は、下記の週刊Withdog&Withcatに掲載されています。
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――この章の1話目です――
――この連載の1話目です――
――各章の1話目です――
――出典――
※本記事は著作者の許可を得て、下記のブログを元に再構成されたものです。