保護活動をしているつもりではないのです
カテゴリー:エッセイ
作者:女神
皆さんは、多頭飼いというと何匹くらいを想像するだろうか?
2匹? 3匹? 多くて5匹かな。10匹もいたら面倒みられないだろうなあ。
――きっと、そんな感想を持たれるのではないだろうか。
ところが本話は、44匹の多頭飼いを実現している飼い主さんのお話である。
しかし、ここで早とちりはしないで欲しい。
44匹という数の多さからして、『その方はきっと保護活動家だろう』とか、最近なにか物議を醸す『多頭飼い崩壊の話なのではないか?』と思われるかもしれないが、そのどちらでもない。ただ沢山の猫を飼っている猫好きさんの話なのだ。
44匹と言う数は、猫たちに事情があり、同時に飼い主さん側の状況が許したので、その数に膨らんだとうだけに過ぎない。その飼い主さんの名は『女神さん』という、まさしく女神のような方だ。そして猫たちは『猫宅』と呼ばれる一軒家で、平和に暮している。
女神さんに記事にしたいと申し出たところ、こう言われたことを思い出す。
「このお話は、大河ドラマなんですけど、それでも良いですか?」
さて、『猫宅』で繰り広げられる大河ドラマを、どうか楽しんでいただきたい。
――本まとめ読みの概要――
本話では最初の1匹を保護するところから始まり、6匹になるところまでを描いています。44匹までは、まだ随分とあるように思えるのですが、さてどうなるでしょう?――【目次】
1話 ~ 5話
1話|44匹の猫が住んでいる家
44匹の猫が住む家、その名も『猫宅』
今日は保護した猫たちのために、専用の家『猫宅』を借りた飼い主さんのお話です。
1匹ずつに物語があって、今日はその猫宅住まいの最初の1匹目を保護した時のお話。
さて、44の物語、完成するでしょうか?
▶ここまでの猫宅の住人(1匹)
とら
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2話|突如現れたネバネバの子
44の物語、今日は2匹目のお話。
1匹目のとらが、広い『猫宅』で寂しがる中、2匹目の猫がやってきます。
ある日、ネバネバの体で現れた猫。多分、ネズミ取りにかかったのでしょう。
その子は、とらと仲良しだった野良猫、茶々でした。
1匹ずつに物語がある。
▶ここまでの猫宅の住人(2匹)
とら、茶々
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3話|猫バンバンじゃ足りないよ
44の物語、今日は3匹目と4匹目のお話。
外猫が産んだ子猫が成長して、やがて季節は冬に――
猫たちは暖を取るために、駐車場に集まってきます。
経験上、エンジンルームに忍び込む子は、猫バンバンでは足りません。
ある日、ボンネットを開けると、そこには――
▶ここまでの猫宅の住人(4匹)
とら、茶々、華、雪
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4話|毛玉と思ったら、なんと猫だった
44の物語、5匹目のお話。
ベランダで洗濯物を干していたら、ご近所さんの妙な仕草が見えた。
手には毛玉状の物体。
目を凝らすと、それは猫。
庭に迷い込んで来たのだとか。
天と名付け、猫宅に引き取ることにしたのですが、
天は中々猫宅になじめません。
▶ここまでの猫宅の住人(5匹)
とら、茶々、華、雪、天
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5話|一匹増えたところで……
44の物語、6匹目。
「この子、お宅の猫?」
ある日ご近所の方が、私を呼びとめました。
その手には、見慣れない黒い仔猫が。
猫宅で預かって、里親探しをするものの見つからず。
「1匹増えたところで……」
娘の一声で、月はうちの子になったのでした。
▶ここまでの猫宅の住人(6匹)
とら、茶々、華、雪、天、月
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保護はしているけれど、保護活動のつもりではない
このエッセイを書くときに、女神さんとは何度かやりとりをした。
筆者は最初、保護活動家の話を書くものだと思っていた。しかし女神さんにはそんな意識はないようだ。
『猫宅』に猫が増える過程では、野良の子を保護してそれがだんだんと増えていくのだが、それはただ、捨て置けない子が目の前にいて、それを養える空間がたまたまあった。そして養える自分がいたということらしい。
記事を書きながら、更に話を聞いていくと、確かにそれは保護活動ではなかった。
保護はしているが、それは保護活動ではないのだ。保護した猫をたくさん飼っているというだけのこと。このあたりの機微は、ぜひ読んでいただきたい。
いやいや、おもしろいなあと思った。
話を聞けば聞くほど、『猫宅』に興味と疑問が湧いてきた。
だから、記事はまだまだ続いていく。
――猫宅・44の物語 ②・つづく――
作:女神
コメント:高栖匡躬
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――次のまとめ読み――
『猫宅』のまとめよみ、その2
今回最初の第6話では、猫は6匹。
多いけれども、まだあり得るお話。
それが第10話になると、なんと21匹に。
もう”多い”では済まない数――
1匹1匹に物語がある、猫の大河ドラマ。
今も、現在進行形で続いています。
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