猫の話をしようか

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外猫、彼女のお話 ~猫宅のお話をしましょう(その 9)彼女とキキ、ララ、ムー~【野良猫/保護】

猫宅・44の物語 9話
今回のお話は:彼女とその子供たち、キキ、ララ、ムー
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撮影&文|女神
 

15匹になった猫宅。
ここからもまだ住人は増えていきますが、今日の主人公は、猫宅の住人と言えるのかどうか――

ある日のお昼も近い時間、ベランダで洗濯物を干していた私は、気になる影を見つけました。猫宅の玄関の回りに、子猫を連れた母猫がうろうろしていたのです。
猫宅は本宅と目とはなの先で、真向かい三軒ほどの位置にありますから、ベランダから見通すことができます。

その母猫は見知った顔で、ボス猫のポリスに連れられて、以前から猫宅を訪れていた猫です。私はその子を、”彼女”と呼んでいたのですが、少し前にお腹の大きな姿を見かけた事がありました。

暫く姿を見なかったので、きっとどこかで出産しているんだろうと思っていました。

 

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彼女は子猫が成長したので、ごはんを求めて猫宅に訪れたのでしょう。
子猫は3匹いました。茶トラが2匹 サバとらが1匹。
その子たちはガリガリで、今までどうやって生きて来たのだろうと思うほど、痩せ干そっていました。

お腹の空いてる子猫の鳴き声は、ベランダにいる私の耳にまで届いてきました。

私は慌てて食事の用意をし、家を飛び出して猫宅に向かいました。
近くまでは小走りで、玄関先に近づいたら忍び足で――

猫たちは、私の姿を見ると一目散に逃げるですが、またそろそろと近寄ってきます。
お腹が空いてるのは確かです。
そこで私は猫宅の玄関を開け、ご飯をお茶碗入れてから、子猫たちに見せました。

恐る恐る、近づいて来る子猫――
でも、こちらが手を出すと逃げる。
怖いけど食べたい――

また私は考えました。
細長い爪研ぎ(市販されている普通のものです)の上にお茶碗を置き、子猫がその上に乗って食べかけた時に、そおっーと玄関の中に引き込んでみたらどうだろう?

これは思ったより上手くいきました。大成功!
きっとそれだけ、子猫はお腹を鋤かせていたのでしょうね。

3匹を猫宅に入れたところまでは良いけのですが、彼女はどうする?
このままにするか?
――いやいや、このまま子猫と離れさせるのは、絶対に駄目だ。

私は子猫を2階の部屋に連れていくと、ベランダからその子猫を彼女に見せました。
すると彼女は、自分から玄関の中に――
あの時彼女は、私が手で抱き上げたと思います。
彼女は、ここで子猫を育てる覚悟を決めたのかもしれません。

私は彼女を試すために、一度だけベランダに離してみました。
彼女は2〜3歩歩いて、後ろを振り返りながら戻って来ました。そして何度もそれを繰り返しました。やっぱりお母さんですね。外には出たいけれど、自分の子を残しては何処にも行けなかったのです。

それを確認した私は、彼女を抱きて家の中に戻しました。

保護した3匹の子猫――
名無しの権米さんではかわいそうです。
しかしこの時は、なかなかいい名前が浮かんできませんでした。
あーだこーだと娘と議論の結果、結局茶トラの2匹は キキ と ララ に。
サバとらの子は ムー に決まりました。

 

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彼女と子猫の4匹が加わって、更に大所帯になった猫宅。
しかし彼女は、自分から猫宅に入ったのに、隙があれば外に出ていこうしました。
野生の習性が強いのかもしれません。

そこで私たちは、2階の一室の三畳程の小さな部屋に、隠れられる場所を作って上げました。段ボールハウスをいくつか組み合わせ、トンネルのような構造にして、上からマルチカバーで被ったようなものでした。そこならば彼女が怖がらずに、子育てができると思ったのです。

それからの彼女は、ご飯を持っていくと、親子仲良くそのハウスから出て来て食べるようになりました。ようやく落ち着いたように思いました。

さて、丁度その頃は、空の子供たちを里子に出そうしていた時期でした。
このお話は、前話に書きましたよね。

猫好きさんならわかると思いますが、子猫には生まれ名前を付けた時点で、手放せなくなるものです。
同じ位に生まれた子達。当然一斉に大きくなります。
空の子の4匹は、みっけのアピールで猫宅に残ることになりましたが、同時にその3匹も一緒に猫宅の子になりました。

 

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この時期には、1階の部屋を割って女の子の部屋を作りました。
そして、空とみっけの避妊手術も。
(空の子は、みっけだけが女の子でした)

風の子は、男の子だった麦はそのまま自由にして、小麦と風子を女の子部屋に。
彼女とムーもこの部屋に入ってもらいました。

次は男の子の方の番です。
男の子は発情期を迎えるとマーキングをします。

部屋のあちこちでおしっこをするものですから、猫宅はその臭いで大変なことに。
たまらず、順番に去勢手術をすることにしました。
とら、茶々、華、雪、天、月、てっぺい、真白。
しかし、お財布にも限界が。

さて最後に、もう一度彼女について書いておきましょう。

彼女の子供、キキ、ララ、ムーのうち、ムーだけが女の子。
彼女はムーと一緒に、女の子部屋で暮らしてもらっていました。

彼女はその中で、誰とも打ち解けようとはしませんでした。誰かが近寄って来ようものなら容赦なく猫パンチです。

子供達が大きくなった頃、彼女にはまた発情期がやってきました。
窓から外に出たそうに、網戸をよじ登ったり、他の子にシャーシゃーと突っかかります。そんな姿を見ているうちに、私は彼女を外に出してあげようと思うようになりました。彼女はやはり、野生の血の濃い子なのです。

一度外に出たら、もう戻って来ることはないことは分かっていました。
それでも、そうしてあげた方が彼女のためだと思いました。

あのとき私はどうしたのかな?
よくは覚えていないのですが、多分玄関から離してあげたように思います。

こうして彼女は、再び外猫に戻って行ったのでした。

――今回の写真のご説明――
1枚目(扉):彼女
2枚目:キキ
3枚目:ララ
4枚目:ムー

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猫宅の様子もどうぞ。

 

作:女神
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週刊Withdog&Withcat
この記事は、下記の週刊Withdog&Withcatに掲載されています。

――この連載の1話目です――

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