猫の話をしようか

Withcat 猫と飼い主の絆について

【シンデレラガール】はじめての被りもの ~二人に舞い降りたものは何?(2/11)~

私の空、マナ 12話
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撮影&文|あおい空
 

今回はちょっとだけ脇道にそれて、私が知り合ったネコ好きな、サラリーマンご夫婦のお話をしようと思います。

私は知らない方と偶然に言葉を交わして、それがきっかけで親しくなることが多い方です。何故だかわかりませんが、昔からそうなんです。
そして今のアパートに住み、マナと暮らすようになってからは、その頻度が増したように思います。アパートの住人さんたちや、ベランダ越しのパタパタおじさんがそうですし、銭湯仲間のキヨちゃんたちもそうです。

そのサラリーマンご夫婦とも、そんな風にお近づきになりました。
マナを拾ってから2ヵ月が過ぎた頃のことです。

ある時私はそのご夫婦に、マナを拾ったことや、マナと一緒に暮らしていることをお話しました。とりたてて猫の話をしていたわけでなかったと思います。本当にチラリと、その時の話の弾みでです。

すると、驚いたことにご夫婦からは、思いがけない一言が返ってきました。
「実は家を建てているのですが、ネコを飼う前提で部屋の作りやカーテンなど準備しています」とのこと。
「ええー」
私は驚きました。家をネコと暮らす前提で建てるなんて!

その時から、お会いする度にネコの話になりました。
偶然にお会いした時だけ。出勤前のほんの短い5分~10分程度の立ち話ですけれど。

サラリーマンさんはある場所に、捨てられて大きくなったネコちゃんが気になって、時々見に行っていらっしゃることも話して下さいました。
聞けば郵便局の方々が、捨てられた子ネコに餌をあげていたそうなのですが、大きくなったらもうあげなくなってしまったのだそうです。そんなことがあるんだと思いました。そして、そんな子を気遣って見に行くのだと聞いて、頭が下がりました。

私はその成長したネコさんのために、マナが食べなかったカリカリで手のついていないものをお渡ししました。

ご夫婦は新築のお家が完成すると、私にお話されていた通りに、保護ネコの男の子を迎えられました。写真を見せてもらうと、マナとそっくりで、雄と雌が違うだけのネコさんでした。すぐに頭に浮かんだ言葉が、シンデレラガールならぬシンデレラボーイです。

だって、たくさんの保護ネコさんがいる中で、その子はネコのために用意された素敵なお家の子供として迎えられるのです!

それから度々お話しするうちに、迎えられたネコさんの事も教えてもらいました。
ご主人の方は、うちのマナの写真を見たときに「尻尾が長いね」と仰っていたのですが、その理由もわかりました。

新しく迎えたその子は、誰かに鳥黐(とりもち)をベタっとくっ付けられてしまい、それを自分で無理に引きはがそうしたために、尻尾が付け根からわずか10センチのところで切れてしまったそうなのです。今はもう毛も生えて完治したけれども、当時はその子が尻尾を舐める度に血がこぼれたそうです。

誰がそんなひどいことをするのでしょうか? 私は胸が痛くなりました。

 

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そのご夫婦は、家を建てる前のご経験も話して下さいました。

前日に鳴いているなと思ったけれど、姿が見えなかったネコのこと。車に轢かれた直後に発見して、駆け寄って抱き抱えたそうです。
「もうその時は息をしていなかったけれど、まだ温かくて」
と話されました。

私だったら、血だらけになって倒れているネコを、着衣が汚れることも気にせずに腕に抱けるだろうか? 本当にこの時も頭が下がりました。

保護ネコさんをお家に迎えられてから、何ヵ月か経った頃です。
ご夫婦はもう一匹保護ネコさんを迎えられました。今度は女の子です。奥様が気にいって是非家の子にと願われたとのことでした。

今度はまさしくシンデレラガールの誕生です!

マナはこんな狭いアパートに住む私に迎えられて幸せだったのでしょうか?
後に主治医から言われた印象的な言葉があるのですが、それはこの後の回でお話ししたいと思います。

それからも私は、ご夫婦がマナのことを可愛いと言って下さることに、どれくらい励まされたかわかりません。

ある日、偶然に猫の被り物の話しになった時に、私は「被り物しているネコさんをネットで見るけれど、どこに売っているかわからないのです」とお話ししました。
すると何日か後、久しぶりにご主人にお会いできた時のことです。
「家内がマナちゃんにあげてと言って持ってきました」
と可愛い虎の被り物を手渡されました。

私が飛び上がるほど喜んだのは、想像がつきますよね?
奥様の気づかいと優しさがジーンと伝わりましました。
「奥様にくれぐれもよろしくお伝え下さい」
そう言った時に、私の心に灯った暖かなきらめきは、今もずっと心の中にあります。

本当に神さまは不思議な出会いと贈り物を下さいます。これも神さまからの贈り物であるマナが私にくれた喜びなのかもしれません。

「○○君のママがマナにくれたんだよ、良かったね、うれしいねマナ」
その日、帰宅するとマナに話しかけました。そして、マナに初めて被り物をプレゼントする事ができました。上の写真はその時のものです。

「良かったね、うれしいねマナ!」
いただいた被り物をかぶったマナは、優しく可愛い看護師さんが誕生したみたいに見えました。きっとこの写真は、私にとって『ずっとの記念』として残ると思います。

ほら、被り物だよ、マナ
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“しろとらくん”って書いてあるけど
あなたは看護師さん

  

――二人に舞い降りたものは何?(2/10)つづく――

作:あおい空
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構成:高栖匡躬、樫村慧

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週刊Withdog&Withcat
この記事は、下記の週刊Withdog&Withcatに掲載されています。

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