猫の話をしようか

Withcat 猫と飼い主の絆について

【車の前に飛び出してきた】思い出のサバシロの子猫。我が家の最初の子 ~みみ子さんがうちの子になったのは(前編)~

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撮影&文:ゆきねー

~うちの子がうちにくるまで No.2-1~

”うちの子がうちにくるまで”とは
愛猫を家に迎えるまでの葛藤を、飼い主自身が、自分の言葉で綴ったエッセイのシリーズです。

 ●

わが家には、思い出深い、みみ子さんという猫がいました。
最大時に猫7匹、犬4匹が居た我が家にとって、みみ子さんは最初の1匹です。
わが家の犬猫との暮らしは、全てはこのみみ子さんとの出会いから始まったと言っても良いでしょう。

今日はそのみみ子さんのお話をしようと思います。

――ずっと昔のこと――

私は実家で、猫好きだった祖母と暮らしていて、その頃には私のそばには、何時も猫がいました。
それから年月を経て、私は家族を持ち、家を持ち、すっかり猫との生活からは遠ざかっていました。

そんな私が、初めて自分で飼おうとした猫が、みみ子さんです。

――出会いのころ――

みみ子さんと出会った当時、私は三交代の看護師をしていました。
看護婦の仕事って、ご存知でしょうか?
知っている人は知っています。かなりの激務です。

勤務は8時から17時、16時半から夜中の1時半、夜中の12時半から朝の9時。
その時間帯をシフトしていく訳です。夜勤は月に10回あります。
そしてうちにはまだ小さな子供もいました。小学生と保育園児の2人。

私はいつも疲れ果てていました。

――その時のこと――

勤労感謝の日だったその日のことは、今も忘れられません。
それは、いつもと同じように、とてもハードな1日でした。

夜勤明けで、ボーっとした頭で、車を職場の駐車場から出した私。

その時――
子猫が急に飛び出してきたのです。
「轢いちゃった?」
動揺する私。

私はすぐに車を降りると、子猫の姿を探しました。無事であって欲しいと願いながら。

猫は――、いました――
前輪のタイヤのすぐ前に座った、サバシロの子猫。
その子は私を見るなり、ニャーニャーと鳴き始めました。
毛艶は湿っぽい感じ。その子は人馴れしているサバシロ。

「人馴れしてるし、飼い猫の子供なのかな?」
そう私は思いました。

鳴き続ける子猫――、か細い鳴き声――

『ママがいないの!!!』
『お腹が空いたの!!!』
『迷子なの!!!』

私には、そう言っているように聞こえました。
私は迷う事なく、その子猫を連れ帰ることにしました。

 

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保護はしたものの――
よく見ると、その子猫にはノミがいました。
私は自宅への帰りがてら、動物病院に寄ろうと思いました。
連れて行って、駆除してもらおうと思ったのです。
そしてその病院の後は、最寄りの本屋さんに立ち寄りました。猫の飼育本を買うためです。

私はその頃、猫の飼い方に関して、知識が全くありませんでした。
唯一知っている事といえば、フードのことくらい――
祖母の家ではいつも猫が一緒だったのに、いざ自分で飼おうとすると、何から何まで分からない事だらけです。

子猫は私が本屋さんにいる間中、車の助手席にじーっと座って待っていました。

帰宅後、私は夫に電話をしました。
「猫を拾ったよ」
「ノミがいたから、病院に連れて行ってワクチン打ってきたの」
「歯の状態から、生後2ヶ月弱って言われたよ」
「今は猫は室内飼いなんだって」
「獣医さんもそう言ってるし、飼育本を買ったらそう書いてあったよ」

電話の先にいる夫はじっとそれを聞いていました。
夫は元々猫好きでだったのですが、うちで猫を飼うことには、かなり戸惑いがあったそうです。バイク好きな人で、ツーリングの時など車に轢かれて死んだ猫をよく見ていたせいかもしれません。

そんな夫も、電話での私の勢いに押されたのか、うちで飼うことも、室内飼いにすることも納得してくれました。

そうそう、その子猫はとてもお利口でした。
初日はトイレをどうしたら良いかよくわからず、とりあえずダンボールに新聞紙を入れたらのですが、すぐにそこで用を足してくれました。

私はそれから本を見て、すぐにホームセンターに買いに行ったのです。
懐かしい思い出です。

 

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――そして、夜――

そういえば、その日夫は、いつもより早く家に帰ってきましたねぇ。
「ジャリジャリフードか缶詰か、どっち食べるかわからないから両方買ってきた」
そう言って。

夫と子猫、運命の対面の時――

夫は子猫を見るなり、「なんだよ、可愛いなぁ」と言いました。
一目惚れでした。
もちろん子供達は、諸手を挙げて猫を歓迎し、喜んでいましたねぇ。

愛らしいサバシロの子猫。
耳が大きかったので、私たちはその子を、みみ子さんと名付ました。

こうやってみみ子さんは、今や多頭飼いが当たり前の我が家の、
記念すべき一匹目の子になったのです。

 

――みみ子さんがうちの子になったのは(前編)・つづく――

~うちの子がうちにくるまで No.2-1~
猫の名前:みみ子
犬種:保護猫
飼主:ゆきねー

 ▶ 作者の一言
 ▶ゆきねー:猫の記事 ご紹介
 ▶ゆきねー:犬の記事 ご紹介

~犬や猫と暮らすあなたへ~

『うちで飼えるかな?』
『きちんと面倒を見られるかな?』

犬や猫を、”はじめて”飼う時、ほとんどの方はこう思ったことでしょう。平均年齢でいえば15年も生きる小さな命を預かるのだから当然ですね。その葛藤を乗り越えて、我々は犬や猫と暮らします。

毎日が楽しいですか?
――きっと楽しいですよね。
だって、犬を飼うこと、猫を飼うことは、喜びに満ちていることだから。

どうか忘れないでほしいのです。その楽しさを手に入れる前に、我々はものすごく大きな決心をしたのだということを。

そして、どうか自信を持ってほしいのです。
その決心が、ずっと我々を支え続けてくれるのだと。
いつか、その子を送るときが来たとしても。

【飼えるかなより

――うちの子がうちにくるまで、次話――

猫-2-2|みみ子
病気にもならずに、歳を重ねていく”みみ子”さん。
「雑種は強いです! 私は誇りに思います」
そう作者は語ります。
しかし―― そんな元気なみみ子さんも19歳。 お別れの日がやってきます。
不思議な、そして特別なお別れの日が――

――うちの子がうちにくるまで、No1の前編――

猫-1-1|ALEX
先代猫みゅうさんとの別れ。 そして猫のいない生活を送る作者。
やがて、新しい猫との出会いの時がきます。
――仔猫がやってくる! それも、とびきりカワイイ猫が!
しかし、その猫は――
新しい猫ではなくて、運命の子でした。

まとめ読み|うちの子がうちにくるまで(猫)①
この記事は、下記のまとめ読みでも読むことが出来ます。

週刊Withdog&Withcat
この記事は、下記の週刊Withdog&Withcatに掲載されています。

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