撮影&文:ゆきねー
今、我が家には、猫が4匹います。血統種の子もいれば、雑種の子もいます。それぞれの良さを知ると、どちらの猫も変わりなく愛おしく思います。
ブリーダーさんの世界というのは、我々一般人は伺い知ることができませんよね。
私もそうでした。しかし知ってみると驚きです。トップクラスのブリーダーさんは、血統を守るために、我々の想像を超えた大変な苦労をなさっているのです。
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今回は、わが家が血統種を迎えたとき、その幾つかのご縁を繋いてくれたブリーダーさんのお話をしようと思います。
――まずはその出会いから――
その昔、月間キャッツという本がありまして、色んな猫種を見ていたんです。そのうちに、ラグドールという猫を迎えたいと考えるようになりました。そして、そのラグドールも繁殖しているブリーダーさんに連絡して、すぐにそのお宅に向かいました。
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そのブリーダーさんの家には、30匹くらいのラグドールがいました。繁殖用の子はケージの中、そうでない子は室内フリーの状態。
猫の伝染病、その種の持つ独特の病気についてもとてもよくご存知で、もしその病気が出てしまうことがあったら、繁殖することから外す、と計画繁殖をしていました。そしてどの猫にも同じように愛情を注いでいました。
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ブリーダーさんとの付き合いが始まると、ブリーダーさんのルールが分かってきました。
――(ルール1)伝染病に対する危機感は尋常ではありません――
我が家のように既に猫がいる人は、そのブリーダーさんのお宅には入れません。
人が猫の伝染病を媒介する恐れがあるからです。
増してや我が家の猫は、保護した雑種の猫とペットショップで買った猫です。ワクチンは打っていましたが、それは伝染病のキャリアでないという保証にはなりません。
発症していないだけかもしれませんし、ワクチン以外の病気に感染している可能性もあります。
――(ルール2)家に行く時には、着替えなければなりません――
幸いにも私は信頼していただけで、ブリーダーさんのお宅に伺うことができましたが、私はブリーダーさんのお宅の最寄駅のそばで、綺麗に洗濯してある洋服に着替えていました。
飛沫感染する伝染病は、衣服が病原菌やウィルスを運ぶ可能性があることと、猫の匂いはついた衣服が、ブリーダーさんの家の猫たちへの刺激になることを避けるためです。
――(ルール3)なんと、再訪することはできません――
通常は、そのブリーダーさんの家にいる子猫の中から欲しい猫を選んだ後は、その後は二度とブリーダーさんの家を訪れないのが、その方のルールなのだそうです。
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このようにしてようやく私は、そのブリーダーさんと会い、その家の子猫の中から、メスのラグドールを選んで連れて帰ることができたのです。
――その後――
このように厳しいブリーダーさんなのですが、どういうわけか私は信頼をしていただけたようで、それからお付き合いが始まりました。
猫に対する私の強い思いが伝わったでしょうか? それとも我が家の猫が、皆長寿である事が安心感を生んだのかもしれません。
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私はうちの子になったラグドールのメスの子の様子を、度々ブリーダーさんに伝えていました。うちの猫たちは、メスばかりです。
そのうちに、ブリーダーさんの方から「男の子も可愛いよ」というお話があって、なんと今度はそのブリーダーさんから、オスのラグドールを迎えることになったんです。
その子は、とても綺麗に成長したので、ブリーダーさんから「キャットショーに出してみては?」と勧められて、ショーに出たこともあります。
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キャットショーに出て頂いたおリボンは、その男の子が亡くなった時に一緒に火葬して持たせてやりました。
譲り受けた女の子は18歳、男の子は16歳で亡くなりました。長く付き合ってみると、血統種と言うのは見た目の美しさだけではなく、その種の持つ特性や性格があるのだなぁ、としみじみ思いました。ちなみに、血統種の子で15歳まで生きるのは稀だそうです。
血統種の良さを教えてくださったそのブリーダーさんとは、今もお付き合いをしています。最近我が家はメインクーンの男の子を迎えたのですが、そのブリーダーさんから、メインクーンのブリーダーを紹介していただいて、そのご縁があって、その子はうちにやって来ました。
雑種の子は強く、私は誇りに思うのですが、血統種はまた別の趣があり、見た目の綺麗さとは別にく、その種の持つ性格があるのだなと思います。
こちらのブリーダーさんのお話は、また改めて。
――メインクーン編につづく――
作者:ゆきねー
▶ 作者の一言
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――次の記事(メインクーン編)です――
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この記事は、下記の週刊Withdog&Withcatに掲載されています。
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