ボスの旅立ち
~深刻な病状。生きるということ~
退院した日、私は主人と一緒に、ボスの病院へ行きました。
そこで初めて先生から、主人とボスとの二人三脚の頑張りの事を、聞かされましたました。
『俺は絶対、ボス君は母さんが退院するまで頑張るのは 無理だと思った』
そして、
『でもボス君は父さんと二人三脚で頑張った。父さんも本当、よく頑張ったよ。なかなかここまでやる父さんいないよ』と。
それを聞いた私は、病院で大泣きしてしまいました。
●
先生からは改めて、ボスの病状について教えてもらいました。
かなり深刻な状態でした。
私は冷静に聞こうと頑張りましたが 、涙が止まりません。
「ボスがいなくなる?」
この時初めてそう思いました。
もう、頭がパニックでした 。
退院してからの2週間は、毎日外出することもなく、私は付きっ切りでボスの看病に専念しました。
自分の身体もキツかったのですが、自分の体なんてどうでもよかった。
「ボスが、ボスが助かってくれれば」
その一心でした。
そんな私の気持ちに応えるように、ボスは日に日に元気を 取り戻していきました。
ボスは毎日私にべったりで、まるで赤ちゃんの頃のようでした。
毎日ご飯を食べさせて――
毎日薬を飲ませて――
体重も 2.4kg から2.6kg まで増えました。
『母さんは 最高の薬だね』
先生からは、そう言われました。
「ボスは大丈夫!」
「まだまだ 一緒にいられる」
私は思いました。
週2回の点滴と薬、それで頑張れる。
そう信じていたのです……
●
この時のボスは、ほんとすごかった。
生きるということはこういうことなんだと、身をもって私に見せてくれました。
盗み食いするボス
お昼寝するボス
●
そして遂にボスは――
自分では上がれなくなっていたソファーにも乗れるように!
それが、扉の写真です。
――ボスの旅立ち(3/10)つづく――
文:ボスのかあちゃん
▶ 作者の一言
▶ボスのかあちゃん:猫の記事のご紹介
Follow @uWsHpMGNFqeff0F
――次話――
――前話――
●
この記事は、下記のまとめ読みでもご覧になれます。
この記事は、下記の週刊Withdog&Withcatに掲載されています。
●
――この連載の1話目です――
――同じ作者の記事です――
●
おすすめの記事です
猫のエッセイ――
猫の闘病記――
リンパ腫になった猫、ソーニャの闘病記です
出典
※本記事は著作者の許可を得て、下記のブログを元に再構成されたものです。