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【保護|ブログ】どっちにしよう? ~ねこさん、増えました(4話)~【保護猫の多頭飼い】

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犬派の僕が猫の多頭飼いを始めた理由
犬派の僕が猫の多頭飼いを始めた理由

撮影&文|紫藤 咲
 
この作品は

ブログタイプのエッセイ作品で、面白いことが起きた時だけの不定期更新となります。
どうぞお楽しみください。

こんな方に:
猫の多頭飼いをしてみたい|多頭飼いは初めてだけれど、大丈夫だろうか?|経験者の体験談を読んでみたい

 里親、楽勝モードか?!

里親さんになってもらえそうな人が見つかって、ぼくは楽勝モードでいた。
二匹とも引き取りたいと言ってもらえるなら、二匹とも譲渡するつもりだった。

もう一匹増えてもいいとは思っていたが、二匹増えることに対してはどうにも尻込みしてしまっていた。

自信もない。
裕福でもない。

となれば、ぼくよりも『いい飼い主』さんと出会ったほうがちびたちにはしあわせだろう。
そんなふうに思っていたときにハットリに『特に白いのはヤバい』と言われたのだ。

なにがやばいのか。
ぼくは困った顔のスタンプを送信した。
するとハットリから返事が来た。

『よじ登る』

困った顔のスタンプを三つ送信した。
ぼくがこのスタンプを送った理由は単純だ。
二年前に拾ったねこさんとは完全に状況が違うからだ。

 

 どっちを残す?

『いかにアイツが死にそうだったかわかるよ』
とハットリに言われるくらい二年前に拾った先住猫さんである『ライ』はとにかく元気がなかった。

ご飯をあげても半分食べればいいほうだった。
自力で食べないし、泣きもしない。
ほとんど動かず寝てばかり。
目ヤニと鼻水で不細工顔にもなっていた。
そういう弱った子猫しか、ぼくは知らないのだ。

「どっち残そうね。一匹飼うなら。まあ、ちーたくん(ライの愛称)次第だけど」
『できれば二匹貰ってほしいね』

このハットリの返答にぼくはまたしても困った顔のスタンプを送信した。
自分の中で譲渡してもいいとは思っても、やはり引っかかる。
どちらかは残してもいい。
いや、むしろ残したい。

『常に寄りそっているから、なんかかわいそうだもの』
と言われる。

実際に見ていないが、送られてくる画像ではたしかに二匹は寄り添っている。
そりゃ兄弟だから当然のことなのだろうが、そう言われるとますます選びにくくなる。

『どちらもかわいいよ!』

おいっ。そんなこと言うなよ、ハットリ!
ぼくだってわかってるよ!

「引き離すのもかわいそうだなあ。でも、もう一匹いてもいいかなあ。うーん』
ぼくの心、ぐらぐら揺れまくる。

『貰ってくれる人、優先です』
ええ、そのとおりですね。

「それはそれで寂しい気もする。仕方ないけども」
諦めきれない気持ちが芽吹いている。

 

 縁があるのか、そうでないのか?

『選ぶのも貰い手が優先になるんでしょ? なら残ったほうが運命だから』
「まあ、そうなるよね」
『血筋がわからんから長生きするかもわからんしのお』
「里親さん次第だね。ぼくに縁があるかないかは」
『二匹ってわかった時点で縁は薄れた気はするけどな』

ハットリは預けるだけの身なので言いたい放題である。
もうちょっと、こちらの身になっていただけないのだろうか。

「まあ、仕方ない。うちには大きな顔をしてる子がいるからな」
『初めてなら二匹引き取ったんじゃないか、おまえなら』
「そうかもしれない。だけどまあ、諦める。今回はきっと縁がないよ」

後ろ髪は引かれる、ものすごく。
だけど迷っているならやめておいたほうがいい。
命ひとつ拾うことがどれほど大変なことなのかをぼくは身を持って経験している。
今回はふたつになる。
生半可な気持ちで引き取るものじゃない。

そんなぼくにハットリは言った。

『(子猫たちに)会ってから考えなさいよ。2(匹)か0(匹)だと思うよ。1(匹だけ)はない。そんな気がする』

二匹引き取るか。
どちらも引き取らないか。
一匹だけ引き取ることにはならない。

ハットリに言われて、ぼくは『うーん』と腕を組んだ。

どっちにするか。
キジトラの子か。
黒い毛の子か。

どっちもかわいい。
選べない!

「会ってから決めます」

そう返信した。

 

 やっぱり決められないよ

会ってから決めよう。
どちらを残すのかを――

その日の夕方、ぼくは二匹と初対面を果たす。
その瞬間にぼくの気持ちはかなり傾いたのだと思う。
ぼくを見て、ここから出して。
不安だよと鳴くちびーずの姿を見て。

選べるわけないじゃん!

と、二匹を引き取る方向へと事態は動いていくことになるのだった。

 

 今のねこさんの様子は?

 

――ねこさん、増えました・つづく――

作:紫藤 咲
 ▶ 作者の一言
 ▶ 紫藤 咲:猫の記事 ご紹介

――次話――

はじめて保護猫二匹と対面したたぼく。
「めっちゃかわいい!」
思わず声が漏れた。
二匹とも活発に、鳴き暴れる。二年前のライの時とは全然違う。
嬉しさの反面で、心配事が頭をもたげる。
ライは二匹を受け入れてくれるだろうか?

――前話――

猫を保護をすると決めたものの、やはり不安――
本当に2匹も増えて大丈夫?
「やはり里親さんを探そう」
ぼくは会社で猫好きさんに声を掛けた。

週刊Withdog&Withcat
この記事は、下記の週刊Withdog&Withcatに掲載されています。

――本作の第1話目です――

運命ってあるのだろうか?
だとしたら、今回がきっとそうだろう。
きっかけは、1枚の画像――、子猫が写っていた。
『もらう?』友人のハットリ君が訊いてきた。

犬派の僕が猫と暮らす理由

運命の日――
ぼくは猫を拾った。

犬派だった著者が、猫を拾ってからの悪戦苦闘を描くエッセイ。
猫のいない日常に、飼ったこともない猫が入り込んでくる話。
「ぼくらの物語はこの日から始まった」

猫を拾ったら読む話

『猫を拾った』をテーマにした、エッセイのセレクションです。
猫を飼うノウハウ、ハウツーをまとめた記事はネット上に沢山あるのですが、飼育経験の全くなかった方にとっては、そのような記事を読めば読むほど、「大丈夫かな?」と不安になるはずです。
猫未体験、猫初心者の方に是非読んでいただきたいです。

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