犬派の僕が猫と暮らす理由|4章 ひとつの命を感じること
ねこさんの仮退院、ウキウキした気持ちで獣医さんに向かったぼく。
一週間前までの『本当に死んでしまうかもしれない。このまま戻ってこられないかもしれない』というつらかった気持ちは、このときにはまったくなくなっていた。最後通告も覚悟して獣医さんに向かっていた入院中のことを思えば、気持ちはすごく楽だった。
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もう、本当にどうにもならないから家で看とりしますか? と言われてしまうのではないかという恐怖を伴った面会とは違う。回復の兆しが見えたからこその仮退院。
ただここでぶり返したら、入院はまた長期にわたってしまう。そう考えると、無理はさせられない――と強く思っていた。
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